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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和2年4月末日~同年5月第1週

 共に世界的大流行(パンデミック)を生き延びた後、騒乱の時代を振り返ろう。()の日の為に記す。

4月30日(木曜)

 本日に安倍総理が会見を開き、「5月7日からかつての日常に戻ることは困難」との表現を用いて「緊急事態宣言延長の見方」を示した由。“stay home”週間さえ終われば、五月連休明けから通常の生活に戻れるもの、と期待していた向きには結構な打撃だろう。

 外来を終えて19時頃に自卓に戻ると、医局の彼方此方(あちこち)で医師達五六人ずつが井戸端カンファランス。「陽性」「偽陰性」、「PCRをやったとしても」「電話だけで判断するよりはマシ」等と熱い議論を交わしていた。互いにマスク着用なのでリスクも低いか、と横目で眺めながら帰宅した。


5月1日(金曜)

 午前外来の合間に「コロナウイルス流行につき面会はお控え頂きたい」という趣旨の院内放送を聞く。当市近隣に多く在住される日系人の方々にも伝わるよう、日本語の後に同じ内容が某国語で繰り返される事も含め、数ヶ月前から耳にしているため、すっかり慣れたが。

 本日から「患者さんや付添人は全て正面玄関口から入館して検温と問診」、「異常無しと確認されなければ各科外来へと進めない」体制が稼働。圧迫される感じでストレスだと嘆くオババ患者を「この御時世ですから」と慰める。

 こちらはこちらで今朝、常の如くに出勤して医局へ向かうも、警備員に呼び止められて少々狼狽。前記体制の稼働に伴い、職員が出入り出来るのは裏の通用口に限定される旨は聞いていたが、入館時に名札もしくは身分証の提示を求められるとは露知らず。ひとまず通して貰えた後は自卓を漁り、引出しの奥から身分証を発掘。


5月2日(土曜)

 暦の上では本日から五連休となるが、万事自粛の御時世ゆえ何処へも遊びに行けぬ。遠出を諦め、閑居して不善を為す事にする。

 昨日10時半の時点で新型コロナウイルスの感染者が新たに266人出て、国内の感染者総数は1万4572人。先月末に50人を下回った首都でも再び大台を超えて165人の感染者が発生し、国内の死者数は29人増えて486人になった由。


5月3日(日曜)

 2日までの国内感染者が1万4877人で、横浜港のクルーズ船の乗客や乗員も合わせると1万5000を超えた由。

 妻の提案で昼はたこ焼きに決定。食材を購うためアピタへ赴くと、紅生姜や天カスも同封されているような所謂たこ焼き粉の製品が全て売り切れていた。昨今の情勢に伴い、他の菓子にも転用可能なホットケーキミックスが品薄となり高値転売も問題となった事は知っていたが。

 その場でスマホ検索。薄力粉から作るレシピを見つけて事無きを得たが、同じ売場でもお好み焼き粉は通常通り棚に並んでいた。

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