この世界のあれこれ、説明します。鉱物編
本編ではありません。なので興味のある方のみお読みください。
次の幕が2話だけなので、ちょっと物足りなくて載せてしまいました。
主人公を語る上で必ず関係してくる琥珀というものがあるので鉱物について説明をしようと思います。
とりあえず宝石については我々が知るものが存在していると思っていただいて結構です。名称もそのまま使用しますので見た目や性質などは想像しやすいかと思います。
色々とこの世界特有のものを実際に登場させる予定もありますので、今回はすでに設定済みのものを説明します。
加えて、宝石は装飾品としての価値の他にパワーストーンとしての活用もされてます。その辺の話もちょっと出来たらなぁ、と思いますが本編にあまり関わりがないので残念ながら登場するかは未定のままです。
設定については後日修正があるかもしれませんが、リオンの琥珀以外で物語を左右するものはあまり出てこないので読者様もスルーして読み進めてもきっと気にならない程度だと思いますので御安心ください。
◇この世界特有の鉱石◇
〔炎石〕
ローズクォーツのようなあわいピンク色の石だが透明度は一切ない。火山活動が太古の昔から続くアントレット連邦の一部であるグーメイ火山から吹き出す噴石が冷え固まったもの。
これに火をつけると小指の先の小さな物の塊でも数日燃え続ける謎の石。
少々の風では消えないので、安定した灯りとして夜間も移動する行商人や騎士団の遠征の必需品。石の中では安価な方なので所持してる人は多い。
燃やし続けると黒くなっていき、真っ黒になると点火しなくなる。水をかけると簡単に消えるので黒くなるまでは何回でも再利用できる。
油を塗ってから点火すると輝きが増すが、芯まで染み込ませて点火すると花火のように弾ける火を放つので悪ガキたちが一度はやってしまういたずらの小道具になることもある。ただし一瞬で燃え尽き真っ黒になる。母親に怒鳴られるのが必須なので要注意。
〔浮石〕
読んで字のごとく。浮く石。灰色に黒い細かい斑点が特徴で一見普通の石。
水に浮く軽さで、大陸の南海から流されてくるので南海岸全域に流れ着く。というか元はどこから流れてきているのか誰も分からない。ノイトン国の海軍が強いのはこれの活用に長けているため。
乾かした後、叩いたり振ったり振動を与えるとふわふわ浮く。理屈がまったく分からないこれまた謎の石。
船や馬車、馬の鞍、荷車等に着けることで重さ軽減に役立つので高値で取り引きされる。質のいいものは人が乗っても浮くものもあり、その手のものはほぼ国が買い取り軍馬や諜報員の防具の部品として加工される。
ただし、振動を与えると浮いてしまうので、乾かした状態で外に放置すると強い風の日はどっかに飛ばされ行方不明になるので注意。しかも石なので不幸にも当たった人は大怪我に見舞われる。そのためどの国でも、この石を放置し人にけがをさせたり物を破損させた場合は所有者に罰則が与えられる法がある。軽いのが不幸中の幸いで、今まで当たって死んだという報告はない、らしい。
〔星玉〕
厳密に言うと石ではない。野外で結界魔法の類いを張った状態にしておくとごく稀にいつの間にかその周辺に落ちている水晶のような透明なまん丸の物体。夜間に結晶化するらしい。大きさは一般的なビー玉サイズのものがほとんど。
強力な魔導師になるほど大粒で綺麗な星玉になり、聖女様が王都全体に張っている結界周辺にには雨以外は毎日数個落ちるので王都では『聖女の涙』と名前がつけられ人気のお土産品として売られている(笑)。
満点の星空の夜に出来たものは砂金のような光る細かい粒が混じり、月夜の時はトパーズのように色づき、曇りの夜は白い筋がマーブル状に入る。他にもごく稀に針状に筋が入ったものや気泡が入ったもの、青に緑、赤などの色付き、などが出来る。ただし雨の日には結晶化しないファンタジー要素の強い一品。
魔力が含まれており魔法を使うときに肌に触れた状態にしていると威力がわずかに増す。一回限りの効力でその後は割れてしまう。なので見た目の美しさから装飾品としての利用が圧倒的に多い。
〔魔化石〕
古い地層に長い年月をかけて化石になった骨などに自然界の魔力がこれまた長い年月をかけて集まって溜まった化石。
自然に魔力が集まるのは化石だけでその仕組みは未だにわかっていない。
魔力が集まった化石はガラスのような艶を帯びて、色が青みがかっているのですぐにわかる。
魔力が極めて放散しにくい性質があり、武器や防具を作るときに粉末にして塗料に混ぜ塗布する、もしくは直接混ぜ混むことで武器や防具にかけられる魔法が驚異的に持続する。ただ発掘されることが稀なので非常に高価で、魔化石を使用した武器防具は騎士団の団長クラスでもそう気軽に買えるものではない。発掘されたとき国が買い取り平等に騎士団などに配布することがほとんど。
ただしアルファロス家は昔から単独で購入しており、セリードの剣にも塗布済み。金持ちズルい‥‥。
鉱山とは違い、古い地層ならどこにでも眠っている可能性があるものなので崖崩れ後の山肌などで偶然一般人が見つけ一財産を得ることもある。一攫千金を狙って魔化石探しを仕事にしてしまう人もいる。
◇鉱石への魔法の付与について◇
鉱石類は大半が相性がいいらしい。もちろん向かないものもあるし、魔法の性質によってもできないものもあるが、鍛治を専門にしている魔導師なんかはわりと簡単にやってのける。
ただ、失敗すると石類はほぼ確実に破損してしまうので宝石に分類されるものに魔法付与することは珍しく、魔法付与された宝石は高値で取引される。
聖女ミオはこの魔法付与成功率百パー。当然と言えば当然である。
リオンは稀に凄まじい魔力が出てくるのでその時に試してみるが、そもそも魔力付与の技術がショボいので破損させるどころか魔力を石に流し込むことがほぼできない。セリードに渡した琥珀も
「出来た!!やったぁ!!!」
と魔法付与が出来て本人は大喜びしたが、その正面で
「なんだその奇跡的な間違い。」
「ん?」
「見守りの結界じゃねぇぞ、それ。治癒魔法で回復の効果付いちまってるじゃねえか。お前なぁ、結界魔法と治癒魔法って全然違う魔力操作だろうが、どうやったら間違うんだよ?おまけに治癒魔法の下に呪縛の魔法かかっちまってるのは何でだ、理解不能。ほかの魔法の下にある呪縛魔法の解術って俺でも難しいんだぞ、下手すりゃ琥珀ダメにするからやらねえぞ。この琥珀一番高かったんだからもうこのままでいいや。」
「‥‥。えーっと、見守りの結界は?付けられないの?」
「無理だな。呪縛魔法で治癒魔法が完全に固定されてっから、他の石なら上掛けすりゃなんとかいけるけど、琥珀じゃ二つ付与とこの魔力量が限界だし、結界魔法と呪縛魔法って相性悪いから間違いなく反発して琥珀は一瞬で見事な粉末になるな。」
「‥‥うん?じゃあこれどうしたら?」
「解術はやらねぇぞ。すげぇめんどくせぇから。責任もって壊さないで持ち歩けそうな人間に渡すしかない。お前だといつか絶対踏みつけて割るだろうからな。全く、やろうとしたことが出来ねえのになんで同時に二つの魔法が掛けられるんだよ、おまえの魔力も謎だが魔力操作も謎すぎる。てゆーかいい加減覚えろ魔力の性質の違いを。いつまでたっても琥珀の魔法付与任せられねえだろうが。」
と、ボロクソに言われた、結論として『失敗作』である。
リオンにも一回くらいは超希少な宝石に凄い魔法付与を成功させる話を入れてあげたいが、いつになるのか想像もつかない。
説明編は本編の補助的なものというより、作者の設定を考える流れで徒然なるままに書いてるものを手直しして載せているものです。なので説明編は全てにおいて順不同で読みにくいかもしれません、ごめんなさい。




