この世界のあれこれ、説明します。〔 能力持ち〕
色々と設定があるのですが、それを本編にまともに入れたら話が全く進まなくなる気がしてならないので、これからも時々突発的に『説明編』を更新していこうと思います。
あくまでも補助的なものです、気軽にお読みくださいませ。
〔能力持ち〕
大きく分けて「魔導師」「騎士」「希少」の三つに分類される。
人がもつ基本的な能力が突出して出た人のことをまとめて〔能力持ち〕というが、能力持ちは全員子供の頃にその才能を開花させるので、成長が止まった大人では絶対になれない。中には魔導師と騎士、騎士と希少、希少と魔導師が混在した存在もいる。
基本的には生まれて成長してみないとわからないのだが、全体の一割程度ではあるものの、その能力を遺伝的に受け継ぐ血筋もある。ただし希少に関しては一切遺伝せず、突発的に生まれてくる。
『魔導師』
この世界の人びとは基本的に皆が魔力を保有していて、生活に役立てている。
その魔力は訓練である程度性質を特化できたりもするが、一般的に触れたものの温度を少し変えたり、髪の毛を乾かせる程度の風を起こしたりなど簡単な操作で十分生活に役立つのでわざわざ何かを極めようとする人はいない。
ほぼ全ての人が簡単な魔力操作が可能なのでその程度で魔力持ちとは言わない。
基本的で簡単な魔力操作以上の事が出来ると能力持ちと呼ばれ、その魔力持ちが特定の認定試験をうけて合格すると魔導師と名乗ることが可能になり、そのほとんどがあらゆる公的機関に従事できるようになる。
国で多少の差はあるが、魔導師は三~四の格付けで分類される。
ティルバの場合、上から青、赤、緑と三段階になっている。これは大昔ティルバ国魔導院の格付けを明確にするための魔導師ローブに入っていたラインの色が由来である。青魔導師で魔導院務めが出来る魔力と魔力操作の持ち主で、赤以上で騎士団所属や、大きな都市の守護隊でそれなりの立場に就くことが出来る。緑魔導師だと守護隊勤めや個人で能力を活かして病気や怪我を緩和させる治療師、失せ物探しや人探しに天気読みなどをする占い師、ビートのように薬草を調合する薬師、魔力で強度を上げた防具や武器を作る鍛治師など職業は多岐に渡る。
ちなみにビートは青魔導師だが、堅苦しい勤めは二度とゴメンと言っている。
※現在のティルバ国魔導院の立場の違いはバッチの形と大きさで判別可能。
ミオの聖女という立場は特別で、先代の聖女もしくは聖人が後継者を探しだし見つけるため、なりたくてなれるものではない。ちなみにどうやって探し出しているのかは聖人と聖女が支えるという秘術を使用するため誰もわからない。
ミオは四歳の時に見初められ、十六歳の時に正式に聖女として位を授与、ティルバ史上三番目の若さである。
『騎士』
人が生まれてくるとき魔力を保有しているが、この騎士の能力は少し成長してみないと判別が出来ない。
走ったり跳ねたりが安定的に出来るようになる幼少期に周りに比べて飛び抜けて足が速い、動物並みにジャンプする、など身体能力が突出することで判別可能である。
魔導師と違い、外的要素、つまりは訓練である程度の能力強化が望め、能力が目覚めてから筋力の増強、持久力の強化を続けることで成長が止まったときに確定する基本的な能力の底上げがそれなりに可能である。
格付けらしいものは実はなく、職業がその代わりのようなものになっている。
ティルバの場合
騎士団団長および騎士団副長・王室護衛部隊(別名『梟』)騎士
騎士団直属騎士・指定中枢都市守護隊隊長および副長・王室護衛従属部隊(別名『蝙蝠』)騎士
守護隊所属騎士・国家準騎士(騎士団直下の軍隊)
国家軍属騎士(大規模遠征などに参加可能な普段は他の仕事をしている人)
の四つに大きく分けることができる。
ちなみにさらに志願兵がその下に位置するが騎士ではないのでランク扱いはされない。
アルファロス家は創立当初まだ能力持ちという言葉もなく分類され確立する前からその秀でた能力を有しており、それが長々としぶとく現在まで続いているいわゆる騎士の能力家系で、女性初の騎士団団長を輩出したのもこの家である。
ただしこの家の成り立ちは謎に包まれており、もう一つの公爵家であるメルティオス家と共に王家よりも古くからこの地に根付いていた、という話まである。(この辺は別の機会に説明出来たらと考えてます。)
『希少』
これはかなり特殊な能力を指している。
絶対音感とか味覚とか、そういう突出した能力を指すのだがこの世界ではそれに必ず全ての人が少なからず保有している魔力が関係してくるのでその性能は凄まじい。
比較的多いのは絶対音感、絶対味覚、絶対嗅覚の三種類。こちらの世界のそれらと性質は同じと思ってもいいかもしれないが、魔力がそれを自然に強化しているので病気だろうが死にかけだろうが精神が病んでいようが正確に能力が発揮されるようである。
変わったところでは見たものを正確に記憶出来てしまう目とか、一度触ったものの質感や硬度を正確に記憶できる手とか、物を作る職人として重宝されるものもある。
希少は数千人に一人の割合の存在なのでどんな能力でも仕事には困らない。
遺伝性が全くないため、国の保護対象として犯罪に手を染めなければ一生守られて平和に生きれるので結婚相手として人気があるのも事実である。
ビートの妻、ジェナはなかでも国宝級。
味覚、嗅覚、そして触覚、さらには温感という前例がほとんどない、見たもの触ったものの温度を細かく判別できるサーモグラフィレベルの希少を含め四つも保有している。
「まぁ、生活するにあたっては便利よね。」
と、その凄さを全く理解していない。していないしそれを世のために活かそうとも思っていない。というかそれを知っているのはリオンだけでビートも知らないのである。
王宮務めでも希少はたった二人で、アルファロス家でも味覚をもつ料理人を一人抱えているだけなので魔導師や騎士よりも貴重な存在。
まだまだ謎が多く、なぜ家系遺伝しないのか、どういう体質だとなりやすいのか、そういったことが分かっていないのでいつでもどこでも研究対象になりやすい。それが希少持ちであることを公言させない原因になっているとも言われていて、隠れ希少を含めればもう少し人口割合は変わる可能性がある。
『説明編』には順序などは決めてませんので今後もまだ物語に出てこない単語とか、ていうか出てくるのかさえ怪しい単語も掲載することもあると思いますがご了承下さいください。