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新たなる始まり!?

ここは山奥。僕は水魔法使いの悪党ウォードンを落とし穴作戦で見事倒し、彼を引き上げたところだ。


彼は僕の作った落とし穴のそばで片膝をつき、俯いている。そのため、彼がどんな表情をしているのかはわからない。


「僕の勝ちだ。300万、耳を揃えて払ってもらうぞ」


僕はこれから手に入る300万のことで頭がいっぱいだったが、それを悟られないように冷静な声でそう言った。


それから一瞬の静寂がこの場所を包み、その後にウォードンが、クッ、と不気味な笑い声を出して言った。


「勝ち…ヘヘッ、こんな卑怯な手を使っといて勝ちだぁ…?」


それから彼は、顔を上げて、


「そんなのが…そんなのが許されると思っているのかぁーー!!」


僕の方へ飛びかかってきた。


それを止めたのは、光のムチのようなものだった。


それが出た方向を僕が向くと、そこには、1人の女性が立っていた。


紺のスーツを身にまとい、凛々しく立つその女性は、ウォードンに対して冷酷にこう言った。


「ウォードンよ、貴様は国際統一法第12条34項に背き、勝者に対して支払う物を支払わないばかりか、勝者を再起不能にしようとした。よって貴様を拘束する!」


「な、なんで?どうしてだ…?どうしてーーー役場の人間がここにいる!?」


そうなのだ。


僕は勝負の前、役場の人間に協力してもらっていたのだ。


以前にギルドに入ろうと酒場のギルド募集の掲示板を見たとき、役場の張り紙を見たのを思い出した。


『冒険者間のトラブルや、金品を賭けた勝負のことなどなど、いつでもご相談ください!』


そんなフレーズを思い出した僕は、役場に駆け込み、ウォードンとの勝負に関して相談した。


「ーーーということなんですが、ウォードンは最初から僕の財産を奪おうとしている悪党です。僕が勝っても300万を渡すとは思えません。そちらから何かサポートとかできませんか?」


「うーん、話は分かりましたが、その賭けの内容だと、あなたが負けたらこちらとしてもあなたにはこの街から出て行ってもらうことになります。こちらももちろんサポートはしますが、そうなると国際統一法が適用されることを頭に入れておいてください」


「もちろん分かってます。あ、勝負の前に罠を仕掛けるとかナシですか?」


「アリですよ。2日の準備期間を設けたのはそのためでしょう?」


「そうですか!ありがとうございます!それで本題なんですが…」


「はい。では、その勝負に監視員を派遣します。これで、ウォードンが賞金を支払わない、ということはありませんよ」


ーーーそして派遣されたのが、このめちゃくちゃ強くて怖いお姉さんである。


「助けるのが遅くなり、申し訳ありません。この悪党には、後日必ず300万ゴルを払わせます」


「あ、はい!こちらこそ、お手数をおかけしてすみません!」


お互いに頭を下げた後、監視員のお姉さんは、光のムチに絡まっているウォードンを引きずって歩いていく。


「クソックソックソッ!!小僧、次会ったら絶対になぶり殺しにしてやる!覚えておけよ!」


彼はそんな戯言を言いながら引きずられる。


僕は、勝った。自分よりはるかに強い相手を、作戦を使って倒すことができた。


僕は、これから手に入る大金で魔王討伐に一歩どころか十歩くらい近づくことに心躍らせていた。


だが、その時僕は知らなかった。この戦いの勝利が、僕を新たな冒険へ誘うことを。



本文で書けなかったこの小説の世界を紹介します!

役場

冒険者間のトラブルや金品を賭けた勝負に関することから、モンスターに怪我を負わされた時に保険金の手続きをしたりと、様々なことができる施設。

状況に応じて派遣される実働部隊は、現世の警察並みの権限を持っており、ヤケを起こした人間の暴走を止めるため、戦闘能力が非常に高い。

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