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絶望…からの〜?

「ぐ…うぅ…」


僕は今、ウォードンが操る水に首と四肢を押さえつけられ、逃げるに逃げられない状況になっている。


「へへ…手こずらせやがって…。だがこれで俺の勝ちだ…。お前を殺し、財産の全てを奪い取ってやる…」


ウォードンは、動けない僕を見下ろしてそう言った。


首と四肢を封じられ、身動きが取れないまま死ぬのを待つ。


普通の人なら、ここで生きることを諦めてしまうかもしれない。


だが僕は、まだ諦めていなかった。なぜなら。僕には最後の希望があるから。


そう、僕が用意しておいた「秘策」だ。ホントはこんなピンチの時に使うようなものじゃないのだが、こうなった以上はしょうがない。


僕は、封じられていない口をいっぱいに開き、叫んだ。


「大魔法『転移』!!」


その瞬間、ウォードンの足元にあった土が消え、それと同時に、彼の上に、土が乗った円盤状の岩が出現した。


足場を失ったウォードンが大きな穴の底に落ちたのと、穴の上に円盤状の岩がはまったのは同時だった。


その後に、僕の首と四肢を封じていた水が消滅した。どうやらこれはウォードンの意思の力で操られていたものらしい。


自由になった身体で立ち、僕は「掘削魔法」を使用し、円盤状の岩に小さな穴を開けた。そうすると、穴の底にいるウォードンの叫ぶ声がよく聞こえた。


「おい!どうなってんだこりゃ!どんなインチキしやがったんだ小僧!」


「簡単さ。魔法を使ったトラップだよ」


僕は笑みを浮かべ、子供のように喚くウォードンに説明する。


「まず僕は、大工専用魔法ーーー「掘削魔法」を使って大きく深い穴を掘り、それを覆う円盤状の岩を、同じく「掘削魔法」を使って作った。その上にお前が乗っていたから「大魔法『転移』」を使って上に転移させ、お前を穴に落とした。それだけだ」


石や木などの資材を自分が思った通りの形にする「掘削魔法」、半径10m以内で重さ50kg以下の人や物を同じく半径10m以内に移動させる「大魔法『転移』」。


どちらも役に立たないと思っていたが、この『落とし穴作戦』で思わぬ大活躍をした。回避能力と言い、侮れないな。


「さぁ、降参しろウォードン!」


僕は、穴を見下ろして言った。


「舐めるなよ小僧…俺の力があればこんな落とし穴などすぐにーーー」


「脱出できる、と言ったところか」


「なに…?」


「お前の力は分かってる。お前は水になって移動することができるんだろ?」


そう。彼は、水になる能力を持っているのである。僕が彼についての聞き込みをしていた時に、「液体のような姿になって移動しているのを見た」ということを聞いたのだ。


そこで僕が思いついたのが、落とし穴作戦だ。


「やれるもんならやってみろよおっさん。だが、この山の土は水はけが良い。あんたが水になって地上に出る頃には、あんたの体はちっちゃくなってるだろうな。それでも出るか?」


「くっ…」


「さあ、降参しろ。降参したら、ここから出してやるよ」


僕は、穴に向かって大声でそう言った。


「小僧…そんなもんで俺が屈するとでも思ってるのうっ!?ああああああああああああああ…」


「んー?聞こえないなぁー?」


僕は、魔法「プチサンダー」をウォードンに向かって発動しながらそう言った。


「なっ…ちょっ…やめ…あばばばばばばばばばばばばば…」


「さっさと降参しないからこうなるんだ。さあ、降参しろ」


僕はウォードンに絶えず電気を浴びせる。


「やめろ…やめ…わかっ…わかった!」


「ん?」


僕は、「プチサンダー」の発動を止めた。


「わかった!降参する!」




本文に書ききれなかったこの小説の世界を紹介します!

スキル

魔法とは違い、習得すると効果を発動し続ける。

ちなみに、ウォードンが習得していたのは「流体化」と言って、自分の身体を水にして、移動速度を上げたり、水魔法の威力を上げるスキルである。

習得したスキルは、自分の画面の「スキル」の欄から確認できるが、スキルを1つでも習得しないと「スキル」のタブは表示されないため、ミトはその存在を知らなかった。

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