宣戦布告!?
ここは山奥。そして僕は今、ゴツいおっさんと向かい合って話している。
「どういうことだ?イノシシを狩りまくって何か悪いか?」
「この山はお前だけのものじゃない。お前がイノシシを狩りすぎると、他の者がイノシシを狩れなくなるだろう。それでも続けると言うなら…」
おっさんは、僕を指差して続ける。
「俺と勝負しろ。俺が勝ったら、お前が稼いだ金は全て俺が貰う。そしてこの街から出ていけ。お前が勝ったら…俺の財産の中から、300万ゴルをやるよ」
「ちょっと待て!僕の稼いだ金って…僕が持ってるのはせいぜい20万程度だ!あんたの300万と割に合わない!」
流石に気が引けて、僕はそう答えた。
「構わない。お前が略奪行為をやめてくれればそれでいいんだ。それにーーー」
おっさんは不敵な笑みを浮かべて言った。
「俺が、必ず勝つしな」
僕はその一言が気になったが、あくまでも冷静に、
「わかった。勝負は明後日、ここで決めよう」
と言った。おっさんは、
「決まりだな。あ、名乗るのを忘れていた。俺はウォードンだ」
と言って去っていった。僕は、
「あああああああああどうしよぉ…」
と怯えながら言った。
さっき「勝負は明後日、ここで決める」などとカッコつけて言ったのだが、実は僕、何も考えてなかったのである。
思わず金に目がくらんで勝負を受けてしまった。勝負を明後日にしたのは、何か打開策が思いつくかもしれないと思ったからだ。
だが、受けてしまったものはしょうがない。僕は、そのウォードンと名乗ったおっさんの話を、街の人に聞いてみることにした。
その結果、恐ろしい事実がわかった。
どうやら彼は、金を稼いでいる冒険者に理由を付けて金を賭けた勝負を受けさせ、その金を奪っていく悪党らしい。
自慢の巨体を生かした攻撃はもちろん、彼の使う水の大魔法は、あらゆる防御を貫通するほど強力らしい。他にも色々聞いたが、それは割愛させてもらう。
要するに、僕はまんまと引っかかったのだ。300万に目がくらんだ僕が恥ずかしい。そもそも僕のステータスと魔法で、そんな強い相手を倒せるわけ…
いや、あるかもしれない。あの敵―――ウォードンを倒す方法。
僕は、自分の唯一の長所である頭脳をフル回転させて考えた。
それから2日後、ついに勝負の時はやってきた。
本編に書ききれなかったこの小説の世界を紹介します!
アイテム
この世界での物資の総称。店で購入したり、モンスターからドロップしたりと、これもRPGらしい入手方法と言える。ちなみに、この世界には持ち物欄がないため、入手したアイテムは自分で管理するか、信頼できる仲間に預けるなどしなければならない。また、アイテムを2回人差し指でタッチすると、アイテムの説明を見ることができる。