表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/22

ついに転生!?

「えーと…ここは…」


僕は今、天使と向かい合って椅子に座っている。


時は少し遡り、僕が天界に来た直後。


呆然としていた僕に、天使が笑顔で僕の死を告げた時だ。


「嘘だ…そんなはずない!僕はまだ死んでないんだ!」


僕は自分の死を受け入れられず、天使の前でも必死にこの現実を否定していた。


「いいえ、嘘ではありません。あなたは先ほど、乗用車に衝突して即死しました。なんなら見ます?自分の死体♪」


天使は、満面の笑みのまま、弾むような口調で恐ろしいことを口にしていた。


再びはっきりと自分が死んだことを告げられ、僕は言葉を失う。天使は、そんなことお構いなしと言わんばかりに続ける。


「申し遅れました。私はあなた、川島海斗様担当の天使、レイです」


レイと名乗った天使は、少し声のトーンを落として続ける。


「あなたはこれから、正式な転生の手続きをします。私と来てください」


「え、でもあの扉の前で並んでいる人たちは…」


僕は自分の目の前の光景を見て、それからレイさんを見て聞く。するとレイさんは、


「あの方達は、病気などの要因で天命を迎えて亡くなった方達です。彼らは生前の行いによって、天界でどのような待遇を受けるかが決まります」


と、分かりやすく僕に説明する。そして、


「ですが、あなたの死は天命ではありません。天界では、あなたのような方のために特別措置を用意しています。ここじゃ何ですから、別の場所に行きましょう」


レイさんはそう言うと、自分の目の前にドアを出現させた。レイさんはそのドアを開け、


「どうぞ、中に入ってください」


と、僕に促した。


僕とレイさんはその中に入った。


***


ドアの向こうにあった部屋はかなり広く、どこを見渡しても真っ白で、恐怖すら感じるほどだ。


僕の向こうに座っているレイさんは、


「では、海斗様に適用される特別措置について説明します」


と、笑みはそのままに、冷静な口調で言う。


「あなたのように、不慮の事故で死亡した方は、もちろん天命によって死亡した方と同じように天界で過ごし、いずれ来る転生の時を待つことも出来ます。」


と続け、さらに、


「ですが、あなたにはもう一つの選択肢が用意されています。ズバリ、『異世界転生』です!!」


彼女は、最初に出会った時よりひときわ高いトーンでそう言った。


ここまでレイさんの話を黙って聞いていた僕も思わず、


「え…異世界…転生…えぇ!?」


驚かずにはいられなかった。


異世界、それは多くの男たちの夢だ。


現実では冴えない自分が異世界で最強になったり、可愛い女の子に囲まれて過ごしたり…


僕はそんなラノベを数多く読み、もし自分が異世界に行けたらと妄想を膨らませていたものだ。


まさかそんな妄想が現実になる日が来るとは…僕は、自分が死んだという絶望よりも、異世界に行けるという嬉しさを感じていた。


「ちょっと!話は最後まで聞いてください!」


レイさんは、少し怒ったような口調で言った。


「あ、はい。すみません。続きをどうぞ」


僕は、テンションが上がりすぎたことを反省する。


「それでは、続けます。あなたが望むのであれば、残った命を異世界での生活に使うことが出来ます。気ままなスローライフを送ったり、モンスターを狩って最強を目指したり、自由に過ごして下さい♪こちらも、全力でサポートします♪」


「もちろんですっ!!」


僕にとって、選択肢は一つだった。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ