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疑念

「あぁーもぉこんちくしょぉ!なんで僕が負けるんだぁぁぁ!!」


僕は今、ギルドの夕食の席で酒を飲み、かなり酔っている。こうやって記憶を保っているし、加入した日の夜ほどは飲んでないのだろう。


「ミト、黙れ」


リーダーが強烈なオーラを込めてそう言う。


「あ、はい…」


酔いが一瞬で覚めた。


大部屋から自分の部屋へ戻るとき、ライナが話しかけてきた。


「大丈夫?もう1人で歩けるの?」


「うん、もう大丈夫だよ。ありがとね」


僕がライアに負けた後、ライナはすぐに来てくれて、負傷した僕に回復魔法を使ったり、僕の肩を支えて一緒に帰ったりしてくれた。本当に感謝してもしきれない。


そして自分の部屋に戻り、ベッドに横たわると、突然自分の部屋のドアが開いた。


ドアの前にいたのは、カイだった。


「おい新入り、お前…何なの?」


「何なの…とは?」


「だから、ライナと出かけたりライナに迷惑かけたり、お前はライナの何だって聞いてんだよ!」


一発でキレてるとわかる声色でそう言った。


そっか、こいつーーーライナのことが好きなんだ。


だから、自分の好きな人が僕に取られたと思って焦ってるのかもしれない。


てか、改めて見ても怖いなこいつ。いつも悪い目つきが、一段と鋭くなっている。


僕はとりあえず、


「勝負に負けて、ライナに迷惑かけたのは確かだ。だけど、ライナと僕はお前が思ってるような関係じゃないよ」


その言葉に、彼は何も答えなかった。だが僕には、うつむいている彼が、


「何でこんな奴がライナと…」


と呟いてるように聞こえた。


「そう言えばお前…ライナと何があったんだ?」


僕は勇気を振り絞ってそう聞いた。カイは再び僕を睨み、


「……お前にそれを言う必要は無い」


と言い、僕の部屋から去ろうとした。が、その途中で振り返り、


「言い忘れてたが…次ライナに迷惑かけたら、俺がお前を殺す」


そう言って、カイは歩いていった。


今の「殺す」という言葉、本当に僕を殺さんばかりの重みがあった。正直、今僕はめちゃくちゃ震えてる。


まあそれくらいカイはライナのことを想ってるということかと思いながら、僕は再びベッドに横たわる。


だが、どうしても僕は寝付けない。今日ライアに負けたことを、どうしても思い出してしまう。


そもそも、僕と彼の基本スペックは違いすぎた。


強力な風魔法を使い、それを連発してもMPが切れない。


まさにチートと呼べるほどの力だった。


僕があいつをあそこまで追い詰めたのは、ただの偶然だ。


天界がミスらなければ僕もあんな力で最強になり、異世界チーレムが叶っていたのではないかーーーと考えていたところで、僕は更なる疑問を思い出した。


ライアが去り際に言っていた、「また会うと思う」という発言だ。


もちろん僕は、ライアと今日初めて会ったし、現世でも見たことない顔だった。


『異世界転生』と言うくらいだから、別の誰かに転生した誰か、という線もあり得る。だが、僕はレイさんからそんなことは聞いていない。単純にあの人がボケてるだけかもしれないが、その可能性は今は捨てよう。


とにかく、ライアは今日初対面だ。だがなぜ、あいつは「また会う」という言葉を残したんだ?


もしかしてあいつは、僕の存在や素性を事前に知っていて、今日あえて僕に近づいたんじゃないだろうか。


そして、今後僕に対して何かしらの行動を起こすーーー


って、流石に考えすぎか。もう夜も更けてきたし、僕は眠ることにした。






遅れまくって申し訳ありません!

最近補足事項を入れていないのは意図的なものなので、手抜きじゃありませんよ!

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