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愉快な仲間たち!?

ここは僕が今日入った「開拓者のギルド」のアジトである豪邸。そして僕は今、僕をギルドに誘った男に連れられ、廊下を歩いているところだ。


それにしても長いな、この廊下。部屋も沢山あるし、下手すれば迷子になるかもしれない。


そんなことを考えていると、男は沢山のドアの中の1つを開け、


「さぁ、入りたまえ」


と言った。


言われるままに部屋に入ると、そこには僕にとって驚きの光景が広がっていた。


先程の僕の部屋にも驚かされたが、この部屋はその僕の部屋の何倍も広かった。そして、大きなテーブルの上には、僕のために用意されたのであろう料理が大量に並べられていた。


「食事にしたいところだが、その前にまずメンバーの紹介といこうか。少年、名前は?」


「海斗。川島海斗だ」


「よし。ではミト、彼らが君の仲間たちだ」


そこで初めて、僕は周りにいる人間に目を向けた。


こちらに笑顔を向けている菜の花色の髪の女性、こちらには目もくれず食事の席に座っている男性、同じく食事の席に座って居眠りしている男性。


見るからに個性的なギルドのメンバーを見て、僕の隣にいる男は言った。


「あそこで居眠りしているのがリオ。幻惑魔法の達人だ。おいリオ!!」


「ふぁっ!ああもうリーダー…もうちょい優しく起こして…お、新入りさん。よろしくね〜」


リオと呼ばれた男は、見た目に違わないマイペースさでそう言った。


「あそこの無愛想なのがカイ。…すまない、人付き合いが苦手な奴なんだ。スピードに長けているんだが、協調性が今ひとつなんだ」


そのカイは、鋭い目付きで何も言わずにこちらを見つめる。こうして見ると、どうやら僕と同年代のようだ。


「そしてあの子がライナ。このギルドの紅一点だ。強化魔法や拘束魔法が特に秀でている」


そう言われたあの女の人は、こちらにものすごいスピードで近づき、僕の手を握りながら、


「キミがあのミトくん?私ライナ!よろしくよろしくよろしく!!」


と言って、握っている僕の手をブンブン振り回す。正直痛い。


「よ、よろしくお願いします、ライナさん」


「もー水臭い!ライナでいいよライナで!なんなら私まだ19だしタメでいいよ!」


そんなやり取りをしていると、ギルドのリーダーらしい男は自分に親指を向け、


「そして私はオリバー。このギルドのリーダーだ。他にも2人いるが、今は長期のクエストに出ている。とりあえず、今はこれで全員だ」


え?それって…


「このギルドって、僕入れて7人なんですか?そもそもこのギルド、どんなギルドなんですか?」


流石におかしい。ギルドと言ったら、数十人が当たり前のはずだ。するとリーダーは、


「ああそうだ。このギルドは、私が才能を見込んだ者のみを入れている。言わば選ばれし者のギルドだな。どんなギルド、と言う質問だが…」


「あ、私が言うよ!リーダーが説明すると、長くなりすぎて料理冷めちゃうから!」


ライナがリーダーの言葉を遮り、説明を始めた。


ーーー正直、ライナの説明は結構長かったので、要点だけをまとめて言うことにする。


どうやらこのギルドは、人類の活動領域を広げるため、それを妨げる強力なモンスターを倒すためのギルドらしい。


そしてリーダーであるオリバーの手腕は凄まじく、28歳という若さで多くのギルドを傘下に置き、数多くの特権階級の人々が彼を信頼して多額の投資をしているという。


出会った時のオーラと言い、凄まじいな、この人。ホントはこの人が魔王なんじゃないだろうか。


そんな話を20分程度続けていると、食事の席からカイが、


「おいライナ、新入り。無駄話も大概にしろ。せっかくの料理が冷める」


と言ったので、ライナは「あ、ごめん」と言って食事の席に向かった。僕もライナと共に向かう。


リーダーを含む全員が食事の席に座ると、


「それでは祝杯をあげよう。それでは、新たな仲間の加入を祝して、乾杯!」


「…乾杯」

「かんぱーい!!」

「ふわぁ…かんぱい〜」

「か、乾杯」


ギルドの皆と僕はそれぞれ、酒の入った杯を掲げる。


これからどうなるかは分からないが、このギルドなら何とかやっていけそうだ。





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