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俺の名は☆彡

作者: b2ox

前作 俺の名は☆( https://ncode.syosetu.com/n5183et/ )と同様のネタで別世界・別主人公のお話です。

俺の名は沙紋流星。親しいやつからはリューセーと呼ばれている。

「星」の字が入ってキラキラ度マシマシだねともよく言われる(悲)。

名前はアレだが、見た目と中身はそこらによくいる一般的な高校生だと思う。

まぁ、自分で言うのもなんだが、見た目は地味な方だ。

名前はキラキラなのに見た目は地味なのねなんてのは百万回聞いた。

あえて目立たないようにしてるんだ。ほっといてくれ。


そんな普通人な俺だが、今現在非常識事態に巻き込まれてしまっている。

家から少し離れた高校に通っているので電車通学をしているのだが、

電車に乗っていたら前の方から光の膜のようなものが俺を含む乗客達の体を通り抜けて行って、

更にもう一枚同じような光の膜がまた通り抜けそうになったその瞬間、

強烈な光に包まれて気を失ってしまった。


なにやら怒声が聞こえて目を覚ますとそこは電車の中ではなく、タイル張りの少々薄暗い部屋の中だった。

大声のする方を見てみるとスーツ姿のおじさんがゲームとかアニメキャラくらいしか着てなさそうな神官服姿のお爺さんに詰め寄っていた。

パニクってる人を見ると逆に冷静になるとか聞いたことがあるけど、実際に自分が体験するとは思わなかったな。


特に何かできるわけでもないので耳を傾けてみたが、要するに勇者候補を異世界召喚したら対象者の近くに居た人たちごと召喚されてしまったようだ。

うへぇ、巻き込まれ召喚ってやつかよ。百人以上居るぞこれ。

「ビュー・ステータス」と唱えるとステータスが自分にだけ表示されるのでそれを見て称号に勇者があったら名乗り出るようにと告げられた。

いや、これ正直に名乗り出るやつ居るのかな?などと思いつつも、自分のステータスを確認してみると勇者の文字が、、、

ってよく見たら「勇者召喚に巻き込まれし者」かよ、まぎらわしい。


名乗り出る者が一人も居ないので嘘発見器らしい魔道具を持った数人の神官達が手分けして称号を確認することになったようだ。

若干疲れた感じの神官が俺のところにも来た。

「質問には肯定で答えてくれ。君の称号は勇者だね」

「はい、勇者です」

当然嘘なので嘘発見器は赤く光る。

「またハズレか…」

他の人には否定で答えるように言ったり、ちょっとずつアレンジして確認をとっているようだが、どうもまだ勇者は見つからないらしい。


しばらくして全員の確認が終わったようだが、全員が全員「勇者召喚に巻き込まれし者」だったようだ。

ちなみに最終確認はちょっと大きめの嘘発見器で「あなた達は勇者召喚に巻き込まれし者ですね」という質問を2回行い、

それぞれ全員一緒に「はい、そうです」「いいえ、違います」と答えることで行った。当然1回目は光らなかったが2回目は真っ赤に光った。


神官長らしい爺さんが「どうしてこうなった!」と一言叫んで倒れ込んだので周りの神官達が慌てて搬出していった。

ほんと、どうしてこうなった。

神官長達が出ていって静かになって、眼鏡をかけたスーツ姿のお兄さんが遠慮がちに推測を話しだした。

「例の召喚の時、光の膜が通り抜けていったのを覚えているでしょう?あれって、きっと召喚魔法陣の外枠ですよね。

そして、その枠が我々乗客を通り抜けていったわけですが、これって実は逆なんじゃないかと思うんです」

「あぁ、魔法陣が動いたんじゃなくて、私達が地面に固定された魔法陣の上を電車で通り抜けたってわけね?」

と同じ学校の女生徒らしき人が続けた。

「そうです。おそらく本来の勇者候補は我々が乗っていた車両の1つ前のに乗っていたんでしょう」

ターゲットをセンターに入れて召喚。しかし、召喚発動のタイムラグでターゲットは召喚陣の外に…

無関係の俺達が召喚陣にイン。


 ☆ ☆ ☆


それから一悶着二悶着あって、元の世界に戻ろうにも戻る先は召喚陣ができた場所、つまり線路上なわけで、戻った瞬間に電車に轢かれてしまう。

いや、電車の動いてない時間なら良いだろうという意見もあったが、百年ほど前に召喚された勇者がどう考えても平成生まれの高校生で、

こっちと向こうの時間の流れがリンクしてる保証がなくなってしまった。

最悪しばらく経って戻ってもさっきまで乗ってた列車に轢かれる可能性があるのだ。

どうにも詰んでしまってるので、戻ることは諦めて被害者一同協力してこちらで暮らしていこうという話でまとまった。

そして名簿を作ることになって名前、性別、年齢、ステータスに載っている適職やスキル情報を申告することになった。

嘘の申告がないように例の嘘発見器で確認しながらの名簿作成である。


俺の順番になった。

「まずは名前、姓、年齢をどうぞ」

流星(リューセー)沙紋(サモン)、17歳です」

嘘発見器が赤く光った。あぁ、やっぱり光ってしまうか。

「名前を偽るなんて、何かやましいことでもあるのかな?」

「い、いえ、その、ちょっと恥ずかしい名前なので…」

「恥ずかしい、と言われてもねぇ。周りに聞かれたくないということであれば私の耳元で囁くというので我慢してもらえるかな?」

「あ、はい、そうさせてもらいます」

「では、どうぞ」

流星(メテオ)沙紋(サモン)、17歳です』<<Meteor Summon>>

そう小声で囁いた直後、俺は唐突に気を失った。


 ☆ ☆ ☆


「知らn」

「そういうのいいから。あなたは名簿登録中に突然気絶して一晩寝てたわけだけど、体調はいかが?」

「あ、はい。おなかすいてる以外は特に何も悪いところはないです」

「そう。じゃあサンドイッチとスープを持ってくるから、しばらくそのまま休んでて」

と病室に俺を置いて女医さんは朝食を取りに行ってくれた。

後で話を聞いたら夜勤明けで家に帰る途中で今回の召喚に巻き込まれてしまったそうな。

念の為に昼頃まで病室で過ごしたが、特に体調は変わらなかったので、食堂で昼飯を食って、その後名簿登録の続きをすることになった。


「サモン君、体はもう大丈夫かい?」

「はい、昼食もしっかり食べれて、元気です。昨日はご迷惑をかけてすみませんでした」

「いやいや、気にしなくていいよ。では早速昨日の続きを始めようか」

「昨日は年齢までしか言えなかったから、適職からでしょうか?」

「うん、そうだね。それから始めよう」

と、特に問題なく登録作業が始まり、無事終了した。

適職は魔術師でスキルに召喚術があったので、しばらくは魔術師の訓練所で腕を磨くことになった。


 ☆ ☆ ☆


その日の夜、割り当てられた部屋の窓から夜空を眺めていたら、唐突に東の空が赤く輝いた直後、猛烈な勢いでシステムメッセージらしきものが脳内に響き渡った。

〔レベルアップしました〕〔レベルアップしました〕…

「うるせぇ!一体なんだ?!」

〔レベルアップしました〕〔レベルアップしました〕…

「ビュー・ステータス」

ステータスを開くとシステムログを表示していると思われる部分が凄い勢いで流れているし、ステータス値も目まぐるしく変わっていっている。

ちょっと見てられない。なんか見やすくする設定とか無いんか?と弄っていると東側から地響きが聞こえてきて街は地震に襲われた。

といっても震度は3に満たないくらいだろうか揺れた時間は体感20秒くらい?

突然の地震に心臓バクバクいっちゃったけど、すぐに冷静になった。

周りを見た感じ特に被害はなさそうだ。システムメッセージも止まっていた。

改めてステータスを確認すると色々とんでもないことになっていた。

特に、称号「魔王殺し」。

どうしてこうなった。


移動物をターゲットにした召喚を行う場合は気をつけましょうというお話です。

主人公が行ってしまった隕石召喚はそのままダイレクトに落ちれば自爆技でしたが、

隕石が移動する時間もあれば、惑星が自転する時間もあるので落下位置が魔王城になってしまったという落ちです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] このシリーズ好きだ。 タイムラグの複線がちゃんと引いてあった。 [一言] 中国の人工衛星も、だいぶタイムラグあったよなあ。
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