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魔王の娘はテレビゲームがお好き 前日談

作者: リョウ

何となく前日談、思い付きで書きなぐってるので時系列バラバラになると思います。

これはちょっと前の話



とりあえず助かったのか・・・・・・思わずテレビゲームって答えちまったけど、

 創造で作った物もあるから、あながち間違いじゃないよな・・・。

しかし望みの知識ってなんだろ? 向こうの世界の貴重な書物とかオーパーツみたいなチート級な

 アイテムでも貰えたらラッキーだなー! でも書物じゃ読めない可能性あるし

 アイテムだったら使いこなせるかどうか、う~ん心配になってきた。

色々悩んでいると不意に後ろに人の気配がした。

 思わず振り返るとそこに居たのは銀髪青肌の角の生えた悪魔のような美少女だった。

「はじめまして! 私アーシェラよろしく!」

 と元気よく彼女は答える。

「あ~どうも初めまして」

 礼儀正しいな、あ~なるほど向こうの世界の住人か、これなら意思疎通できるから

 色々学べるかも結構良い人だなあの人。

 魔王だから向こうに詳しい魔族の子を派遣してくれたんだろうか、でも雰囲気的に結構幼く感じる。

 一応ご両親の了解得てるか聞いておこう、万が一親が乗り込んできて殺されたら敵わんし・・・。

「君のご両親はここにいること知ってるの?」

 恐る恐る聞いてみる

「ご両親?」

 あれ?そんことも分からないほど子供なのだろうかう~ん・・・。

「えーと、パパやママのこと」

 少し考えるそぶりをした後。

「あ!」

と何かを閃いたように,キョロキョロと部屋を見渡す、そして何も飾られてない部屋の壁に近づき、

 クレヨンで落書きする子供のごとく指をなぞる。

 なぞった指先は昨日俺の前に現れた人物と寸分違わぬ絵を描く、できた溝は摩擦で黒く焼け焦げていた。

「ママ!」

 できた人物画を元気よく指さす、え、マジで・・・。

「うんとね~ママが新しいおもちゃ見つけたから1時間自由に遊んで来なさいって」

新しいおもちゃってどういうこと・・・知識を貸してくれるって話だよね・・・。

「ママからおまえだけは殺すなって約束してるから殺さないであげるね?」

え・・・?俺以外皆殺し余裕なの・・・!?

「30分は一緒に遊びなさいって、残り30分は外で自由に遊んでいいって、

 だから早く外に行きたくてうずうずしてるんだー!」

おいおい知識授けてくれるどころの話じゃねー! 地球まるごとおもちゃかよ・・・。

 鈍感な俺でもわかる、この子は今すぐ外の世界を破壊しに行きたくてうずうずしている、

 そんな衝動をビンビン感じる・・・。

とんでもねーもん貸してくれたな~ちくしょう。

 30分たったらこの悪魔が外に解き放たれるのか・・・、

 何とかこの悲惨な状況を回避する方法はない物か・・・。

とりあえず俺と一緒に遊び始めてから1時間らしい、外で遊び(破壊し)回ってから来ないのが

 不思議だったがママとの約束があるらしい、ちょっと感謝。

何とか俺でもこの悪魔に対抗する手段は・・・、やはりこのやりこんだ数々のゲームしかないか!

「な、なぁやっぱ今すぐ外に遊びに行きたいか?」

「え? いいのいいの!? やったー!」

今にも部屋を、扉をぶち破って飛び出そうとする彼女を慌てて静止する。

「ちょっとまて最後まで話を聞け、なんでも簡単に思い通りにいったら面白くないだろ?」

「えーそうかなー?」

「そういうもんなんだよ、そこでだ俺と一つ勝負してみないか?」

「勝負? 殺しあうの? いいよ早くやろやろあたしが勝つに決まってるもん!」

人間なんて虫けら同然勝って当たり前なのだろう,だがそう上手くは行かせん!

「まてまて早まるな、ゲームだ、そうテレビゲームの中で殺しあうんだ!」

「てれび?ゲームの中?」

意味があまり分かってないようでキョトンとしている

「そう、これ! テレビゲーム,この中で殺しあって負けた方が勝った方のいうことを一つ言うことを聞く、

 実際殺しあったら言うこと聞けないだろ?」

「この中で? どうやって? ねぇ早く教えて 早くやろやろ! 早くお外遊びに行きたい!」

 目がランランと輝いて、もう勝った気でいやがる、ちょっとムカっとする。

「人間が勝てるわけないのに、さぁ早くぅ!」

 この~・・・舐め腐りおって・・・絶対負かしちゃる・・・。

人間同士で殺しあうゲームと答えたら結構乗り気だったけど、ただの格ゲーである。

 若干説明が間違ってる気がするが致し方ない。

さすがに初心者を一方的にボコるのは気分が良くないので、

 対戦する前に少しトレーニングモードで遊ばせる。

「えー? 早く終わらせて外に遊びに行きたいのに」

 それでもと5分ほどトレーニングモードをやらせる。

 念には念を入れて手の内のをみて対処法を考えるために。

最初はポチポチと恐る恐るボタンを押し、

 画面のキャラクターがパンチを繰り出すのを興味深々で眺めていた。

 だがたった数分で子足見てから昇竜よろしく、最高難易度のCPUを圧倒していた。

 しかも最初に出した強パンチがよっぽど気に入ったのか、

 強パンチのみでである,TASも真っ青なデタラメな強さだ。

だが単調な攻撃なら動きも読みやすい、これなら十分勝機はある!

そしたらなんと簡単に死んだらつまらないからハンデ上げるから先に攻撃していいよと。

 いいだろうCPUをボタン一つで完封する貴様を初心者とは思わん全身全霊をもって叩き潰す!

そしてゲーム開始、お言葉に甘えて先手必勝! 最近発見した10割コンボを問答無用で叩き込む!

「え!? ちょっと私の番は!?」

 トレーニングしかやってないからターン制と勘違いしてたのか、

 エリアルコンボで自キャラが操作できなくなっているのを知り焦り始める。

「ハンデ寄こしたのはそっちだろ、問答無用!」

 みるみるHPが減っていく、彼女はどうにかコンボから抜け出そうとコントローラーを

 ガジャガジャやっているが、抜け出せずますます焦っている。不意にピキィッと変なラップ音がなる。

なんだ? この音・・・。だが今は集中してこのまま倒し切らないと俺に勝ち目は無い・・・、

 何せ相手は人力TAS油断すればこっちがやられる・・・。

そして彼女に手番を回すことなく完封勝利! 勝てばよかろうなのだ・・・。

「よっしゃ! まずは一勝!」

 しかしKOコールが聞こえると同時に不意に視界が暗転し意識が途切れる、

 何かがグシャリと潰れる音が聞こえ、同時に僕の頭も潰れ飛んだ。



気づくといつもの天井を見上げていた。直前までの記憶をたどると、

 なんか異世界から来た魔王の娘とゲームして勝負して勝ったような・・・。

 その直後頭を万力で潰されるような感覚を覚えて気を失ったんだった・・・。

「いったい何があったんだ・・・」

痛みによる幻覚で白昼夢でも見てたのか?

 悍ましい記憶に身震いしながら身を起こし、部屋を見渡すとあの悍ましい記憶が現実であったことを示す 物がそこにはあった。

少し離れたところで体育座りして、こちらを今にも泣きそうな目でじぃっと睨んでる少女が居る。

 そばには拉げたコントローラーが転がっているあの時の音はこれか・・・。

「私が、殺しちゃった・・・。負けたと思ったら、変な気持ちになっちゃって、思わず・・・」

 目に涙を貯めながらぽつぽつと呟く。

「へ?」

 やっぱあれは夢じゃなかったか・・・。思わず怒って殺っちゃったって感じだ・・・。

 初心者に10割コンボ食らわせたんだ、普通でも台パンどころじゃないかもしれないな・・・。

 でも流石魔王の娘、怒りだけで人間の頭破裂させるとか恐ろしい・・・。

 ただ泣いてる理由は・・・あれか。

母親との殺すなって約束があるから慌てて生き返らせて、目が覚めないから心配してたって感じだな。

 うん、これは全然気にしてないよって伝えれば好感度爆上げだなしめしめとタヌキの皮算用。

「俺死んだのか・・・。でもお前が生き返らせてくれたんだろ? 全然ってことはないけど俺は、そのあん まり気にしてないからそんなに心配しなくても」

彼女はばっ! と顔を上げ目に大粒の涙を貯めている、本当に泣き出す5秒前くらいだ。

 生き返ってよかったー! って泣きながら抱き着いてくるパターンかな? 

 そんなありきたりなイベントにちょっと期待していた。

「ヴぇーん! 殺しちゃったー! ママとの約束破っちゃったー! うわーん!!!」

彼女は膝を抱えたまま、マジの大泣きである、あれなんか期待してたのと違う・・・。

「い、いや落ち着けって生き返らせてくれたじゃんか!」

「生き返らせたって殺したのは殺したんだもん! うわーん!怒られるー!」

何でか知らないけど滅茶苦茶焦ってパニクってるな・・・。けどなんだかガキの頃を思い出す。

 母親の大事にしてた花瓶を割っちまって、パニクって元に戻らない花瓶の破片を

 一生懸命繋ぎ合わせようとしたことがあったっけ・・・。

 そうか俺を生き返らせたはいいものの、殺した事実は消えないから焦っているのか。

 こいつは、恐らく人間の体なら造作もなく再生できるのだろう。

 しかしいくら元に戻せようが、母親との約束を破ってしまったいう事実だけを恐れている。

 俺が死んだことはどうでもいいみたいだ・・・。

「それに人間なんかに負けちゃったうわーん!!」

これは言いくるめるチャンスかも30分過ぎても外に遊びに行かないということは,

 母親との約束事が一番なのだ,これを利用しない手はない!

「落ち着けって、負けたってゲームの中での話だろ? 気するなよ。

 それに俺を殺したことは母親には黙っといてやるから!」

 一瞬黙っててやるから俺の言うことを・・・と外道な考えが浮かぶが

 万が一バレたらヤバそうなので心のすみに閉まっておくことにする。

「でも・・でもヒック、グス・・」

 あー本当ここだけ見てるとただの子供だわ・・・。

 何とか言いくるめる言葉を模索する。

「いいかよく聞け、こっちはお前にとって異世界だろ? だからうーんそうだ!

 こっちの世界はゲームだ、ゲームの世界だと思え」

「ゲームの世界?」

 少し泣き止みキョトンとした表情で聞き返す。

「そうゲームの中! 遊びだ遊び! 俺を殺したことも負けたこともノーカン! お前の世界とは関係ないと思えばいい!」

「ノーカン? 約束破ってない?」

「そうだゲームの中の架空の世界での出来事だと思っちまえばいいんだよ!」 

「でも・・・でも・・・」

彼女はまだ納得しきれていないようだった

「でもどうしても納得がいかないなら・・・」

 気持ちは分かる俺も花瓶を壊した後、怖くなって家出をしようとして失敗した経験がある

 だからこそのアドバイス。

「全部正直に話して、謝ってみろよ、約束を破ったとしても母親なら正直に謝れば許してくれるって、少なくとも嫌うことは無いと思うぜ?誰だって失敗の1つや2つあるんだし」

「全部・・正直に・・・」

 彼女は決心を固めたようだった。

「うんわかった! 全部正直に話して謝ってみる! 人間に負けたことも! 人間に負けたことを知ったらママ100%お前のこと八つ裂きにすると思うけどママに嫌われたくないもん!」

 そう言ってゲートへ飛びこんでいく。

え?ちょっとまって・・・俺の命はどうなるの・・・






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