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異世界初の住民

「はああああぁー!!!」


そんな叫び声と共に繰り出された剣は今にも俺を切りさこうとしていたドラゴンの鉤爪を弾き飛ばした。

こんな展開を俺はオタク知識により少なからず予想していた。

(これは美少女剣士が主人公を助けるイベントなのではないか?)

と、こう思ったが、次の瞬間にその期待は呆気なく崩される


「ここは俺に任せて逃げろ!!」


俺はどう見ても剣士と言うしかない格好をした男に救われたのだった。


………そう、男に。


逃げろと言われ向かった先には馬車、いや竜車?が止まっていた。いつ来たのだろうと思わずには居られなかったが、助けてくれるなら何でもいいと思ったので気にしないでおこう。

その竜車の中には人が数人いた。魔法使いのような者、僧侶のような者、さらには体格が俺の倍くらいはありそうな戦士?バーサーカー?などが乗っていた。


「こんな所で何をやっていたんだ!死にたいのか!?」


僧侶に怒られてしまったが、

いやいや気づいたらここに頂けですけど。

という反論を心の中で思った俺だったが、取り敢えずは従っておこうと思う。


「準備は出来たぞ!!下がってくれ!」


魔法使いの男は、1人ドラゴンを引き付けてくれていた剣士に向かってそう言うと、何かの詠唱を始めた。

俺は魔法という概念がある事に心底歓喜した。


「了解!!」


剣士は短く返事をすると、そこから飛び退き竜車の近くに降り立った。そこへ、詠唱を終えた魔法使いが


「メテオフレア!!」


それはとてつもなく大きい火の玉だった。こんなものを喰らえばドラゴンと言えども一溜りもなちのではないかとも思うが、そうではないらしい。


「今の内に逃げるぞ!足止め程度にしかならないからすぐに追ってくるはずだ。」


へー。やっぱりドラゴンと火に強かったりするのか?

そう言って竜車はすごい速さで走り出した。

取り敢えず危険が去った訳では無いが、だいぶ距離ができたため、ドラゴンも諦めてくれるだろうとの事だ。


「はぁーー。死ぬかと思った。」


そう俺が不幸を呪っていると、やはりこう問いかける


「君は何でこんな所にいたんだ?ここはよくドラゴンに遭遇するという事で誰から遠ざけられている場所だ。しかも、1人で…いやまずは怪我を治療しよう。腕をだせ。」


そう言えば色んな事がありすぎてすっかり忘れていたけど、俺の今の右腕は相当ひどい状態だった。


「エクスヒール」


そう言うと俺の腕を、光が包み癒していった


「おぉーー」


オタクといえど実際に魔法を目にするのは勿論初めてで、受けたことなどあるわけが無いので、こんな声が出てしまうのは仕方ないだろう。


「こんな事でどうして驚いているんだ?まあひとまずこれでいいだろう。」


俺の腕は元通りに治ったが若干まだ痛い気がしないでもない。でも助けてくれたんだしお礼は言っておくか


「治してくれてありがとう。皆も助けてくれてありがとう。」


「気にしないでいい。取り敢えず何であんなとこに1人でいたか聞いてもいいか?」


この剣士はパーティーのリーダーなのだろうか?

とは言ってもなー。言葉を選ばないとおかしな奴と思われるよな絶対。


「気づいたらここに居たんだ。それ以前の事は分からない。ここがどこか分からない。」


嘘は言っていない。ちゃんと正直に答えだぞ。


「記憶喪失か。」


やはりそうきたか。


「どこまで覚えているか聞いてもいいか?」


「えーと、俺の名前は神崎 蓮。歳は18、故郷は分からない。さっきも言った通り気づいたらここに居た。ここがどこかも、というよりこの世界の状況が全く分からないな。」


よし、これで色々聴聞けるはずだ。


「そこまで分からないか。取り敢えずこの世界の状況については知っておいた方がいいだろう。この世界は俺たちが住んでいる天界と魔物たちが住んでいる魔界という2つに分別れている、とは言っても境界線などはないから魔物は普通に入ってきている。それを俺たち冒険者が倒したりしている。」


やはり冒険者という概念はあるのか。なかなかいいじゃないか。


「俺たちはここから数日の所にある王都カテミラに住んでいる。と、そう言えばまだ自己紹介をしていなかったな。俺は剣士グラン。こっちは僧侶のカイと、魔法使いのジーク、武闘家のケンだ。これから街に着くまでの間よろしく。」


「こちらこそよろしく。」


こうして何とかドラゴンから逃げることに成功し、またこの世界の情報を得ることが出来た。



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