プロローグ
今回が初めての投稿です。
あまり時間もないので進行が遅いかも知れませんが、それなりに頑張っていきます。
「…………がはっ……」
ゴボゴボゴボゴボ……
ここは暗い海の中・・・
(俺はこのまま死んでしまうのだろうか)
すると光が届かないはずの海中に、淡い光が現れ俺を包み込んだ・・・
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「ふぁ~~~」
今日もいつもと変わらない日が始まるのか、なんだか
だるく感じるな。
「早く起きなさーい」
と、母さんが読んでいるので取り敢えず返そう
「はーい」
そんな何度言ったかも分からないような言葉を交わす
俺の名前は 神崎 蓮
よくいる普通の男子高校生だ。
歳は18で、高校3年のもうすぐ卒業というところである。背丈は170と高くも低くもなく、顔は中の上、髪も少し長いかもと思うかもしれないが清潔感のある髪型だ。特に変わったところなどない。
誕生日が12月25日ということもあり、女子から「いいなー」だの「羨ましいー」などと聞くがそのたびに思う・・・・・・・「は?」と。誕生日とクリスマスが同じ日なおかげでパーティーもプレゼントも一つなのだ。1年に数回しかない楽しみが減ったわけだ。……まあ、覚えられやすいという事はいい事なのかもしれない。
特に変わったところなどないと言ったが、一つ言い忘れていたことがあった。
俺は、生粋のオタクである。
そんな俺は学校へ登校した。
ガヤガヤと賑やかな……とは言い難く、騒がしいという方が正しいであろう教室に入るが、誰も俺には目もくれず青春を謳歌している。
いや、こんな俺に話し掛けてくれる人がいた。
七瀬 美咲 だ。
彼女は学級委員長でクラス1の美少女と言われているわけで、当然周囲の俺への視線は自然と鋭くなる。
「おはよう蓮くん。今日も遅刻ギリギリだね、ちゃんと起きないと生活のリズムが崩れちゃうよ?」
「あ…ああ、気をつけるよ」
あぁ、気づいてくれ七瀬。君の後ろの悪魔たちを。
「やめておいたほうがいい、美咲。こいつに何を言ったって分からないさ、席に着こう。」
待ってました。クラス1のイケメンの登場だ。どうしていつもこうタイミングよく現れることが出来るのだろう?
このイケメン 坂上 大樹は、勉強もスポーツも万能といういわゆる勝ち組というやつである。
「ほら、そう言ってるし、七瀬さんも・・」
「どうしてそんなこと言うの?蓮くんは言ったら分かる子だよ。」
「もういいから気にしないで」
おっとそろそろ先生が来るはずの時間だ。
「おーい何してるんだ?席につけー」
ほらな。坂上は「フッ」と鼻で笑い、七瀬はまだ何か言いたげであったが席へ戻っていった。
「明日は待ちに待った旅行だな!色々準備をしてきて楽しみだと思うがあまり浮かれるなよ?」
そうだった。すっかり忘れていた。
この市立桜ヶ丘学園高等学校はそこそこ金のある学校で卒業旅行というものがあり、旅行先はハワイになるのだが、変わったことにそこまでを飛行機ではなく豪華客船のような大きな船で行くというのだ。高校生の旅行としては最高と思うかもしれないが、俺には友達という者がいない。つまりは旅行中常にぼっちというまさに地獄へ行くようなものということだ。最悪だ。
そうして1日が終わり、
朝が来た。
おぉ〜、実際に船を目にするとかなりの迫力があるな。3年間最後の思い出だからな。一応楽しませて貰おうか。それからはまあまあ楽しめた。この船にはあらゆるものが存在していた。高級なレストランやゲームセンターのようなもの、プールなどはもちろん、映画館やデパートみたいなものもあって、皆それぞれが気の向くままに遊んだ。そんな日の夜、俺は船の先頭に夜風に当たっていた。
「こんなところにいたんだ、やっと見つけた」
「七瀬さんか、どうした?こんなとこまで来て」
「君を探していたんだよ」
「どうして俺なんかを」
「少し話しがしたくて」
「俺なんかと話してると周りに変な目で見られちゃうよ?」
「あー、そういうの私好きじゃないなー。もっと自分のこと大切にしなくちゃだめだよ」
「そんなこと言われても、オタクの俺なんか、誰にも必要とされてないし、大切にする理由もないから」
「そんなことないよ! 少なくとも私は君の事を大切だと思ってるよ」
「えっ!?」
そう言った彼女は少し赤くなりながらも続けた
「私はね、君の事が好きだよ」
驚きしかなかった。クラス1の美少女がなんと俺の事が好きだって?なにかの冗談かとも思ったけどこの目は本気なんだと自覚させる真っ直ぐな目をしていた。
「3年間、ずっと君を見てきたよ。初めてあった日から何故か君の事が気になってたの。君の優しい所や、誰に何を言われても挫けない所、気遣いが上手で、よく皆のために動いてくれてたこと。学級委員長として凄く助かったよ。今まで本当にありがとう。
それで・・・」
「それで?」
「私と……付き合ってくれるかな?」
正直凄く悩んだ。と言っても一瞬だったのだろうが、こんな俺がという気持ちが初めにきて、それから今まで誰も見ていないと思っていたからこそ善意でやっていたことを見ていてくれて、そせて何より俺の事を必要としてくれたことが何よりも嬉しかった。そんな俺の答えはもちろん
「こんな俺で良ければ、喜んで」
なにかが込み上げてきそうな気分だった。
彼女も満面の笑みを浮かべている。
これを幸せというのだろうか。
それからの旅行は遊びに遊んだ。周りの目線が怒りや謎を含んでいたが、そんなのは気にしなかった。
そして、帰りの船の告白された場所に俺たちは来ていた。
「本当にありがとう、俺を好きになってくれて。」
「ううん、こちらこそだよ。これからもよろしくね。」
「ああ」
そんな幸せな日々を運命の神は続けさせる訳がなかった
ドゴン!!グラグラグラグラ
ヂリリリリリリリリリリ
警報が鳴り響く
なんだ?突然揺れていたが、なにかに乗り上げたのだうか?
そんな悪い予感は見事に的中した。
「危険だ避難しろ!!!」
「船が沈むぞ!!」
「救助ボートを出して乗り込むんだ!」
そんな声が聞こえる。確かに船が傾いているが、何があったのか分からない。
この時二人は運の悪いことに外にいた。
つまり、船内で流れていた状況説明や避難警告の放送を聴き逃した。
そうは言っても、仮にも高校生である。事前に避難方法などは調べてあるため、さほど慌てることは無いと思っていたのだが、周りを見てみると美咲の姿が無かった。さっきの揺れで海に落ちてしまっていたのだ。
俺は迷わず海へ飛び込んだ。
美咲を見つけて抱きかかえるが、意識が無い。
そりゃそうか、船の先頭とはいえかなりの高さがある所からなにも身構えずに落ちてしまったのだ。かなりの衝撃があったのだろう。
近に救助ボートがあったので、まず美咲を乗せたがその時まずいことが起こった。ここは海でしかも夜だ。水温はかなり低くいのだろう。そんなところに急に飛び込んでしまったため、足がつってしまった。今の俺はいつもの普段着という格好でしかない。ライフジャケットなどは着ていない。更に俺はこの数日の間かなり幸せな日々を送ってしまった事で、それに恨みを持つ生徒がほとんどだった。つまり、誰も助けようとしなかった。
深い海の底へ沈んでいく。死んでたまるかと、何度も足掻くが一向に浮いてこない。
「…………がはっ……」
ゴボゴボゴボゴボゴボゴボ……
(このまま死んでしまうのだろうか)
すると光の届かないはずの海中に、淡い光が現れ、俺を包み込んだ。
(何だこの光は、こんなものが現実に存在するのだろうか。くそっ、もう……意識が………。)
俺の全身を包み込む光はこの世界から俺という存在を消し去った。
そう、「この世界」から………
どうだったでしょうか。
なにか誤字脱字等ありましたらどんどん教えて頂けると助かります。