表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

部屋

作者: 忍霧麒麟

 カーテンの隙間から漏れる日光が、暗く電気を消した部屋の中に射し込んだ。

 膝を抱えた今日の私は、昨日までの自分の価値を振り替える。


 ──何もない。


 理解できたのはそれだけで。

 私は絶望を感じることもせず、自分の理由を模索する。


 世界はなぜ、私を作ったのだろう。

 私の両親は、なぜ私を作ったのだろう。


 両親が愛した結果が私なら、私は彼らの利己の塊なのだろうか。


 ふと、思う。


 何のために生まれたのか。

 何のために作られたのか。


 己が欲しいからと作ったなら、それはおもちゃを欲しがる子供と同義。


 私は彼らの玩具なのね。


 そう思うと、人に存在価値なんてあるんだろうかと考えてしまう。


 人は醜い。愚かだ。脆弱で、利己的で、ズル賢い。

 人は自ら親を切り裂いて、自分の為に利用しようとする。

 だから星は滅びへと向かうのだ。


 この世界は醜い。汚い。汚染されている。

 人という害悪に汚染されているのだ。


 私は彼らのオモチャ。

 どうせ、すぐに飽きて、幼い頃の特撮の人形のように棄てられる。


 私はまだ棄てられていないだろうか?

 もう、手遅れだろうか。


 カーテンの隙間から差す日光が、私の心を暗く染める。


 ……もう、手遅れだ。


 片手に携帯を握りしめ、遠くに聞こえるサイレンに──






























         ──私は心の空虚を曝け出す。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ