部屋
カーテンの隙間から漏れる日光が、暗く電気を消した部屋の中に射し込んだ。
膝を抱えた今日の私は、昨日までの自分の価値を振り替える。
──何もない。
理解できたのはそれだけで。
私は絶望を感じることもせず、自分の理由を模索する。
世界はなぜ、私を作ったのだろう。
私の両親は、なぜ私を作ったのだろう。
両親が愛した結果が私なら、私は彼らの利己の塊なのだろうか。
ふと、思う。
何のために生まれたのか。
何のために作られたのか。
己が欲しいからと作ったなら、それはおもちゃを欲しがる子供と同義。
私は彼らの玩具なのね。
そう思うと、人に存在価値なんてあるんだろうかと考えてしまう。
人は醜い。愚かだ。脆弱で、利己的で、ズル賢い。
人は自ら親を切り裂いて、自分の為に利用しようとする。
だから星は滅びへと向かうのだ。
この世界は醜い。汚い。汚染されている。
人という害悪に汚染されているのだ。
私は彼らのオモチャ。
どうせ、すぐに飽きて、幼い頃の特撮の人形のように棄てられる。
私はまだ棄てられていないだろうか?
もう、手遅れだろうか。
カーテンの隙間から差す日光が、私の心を暗く染める。
……もう、手遅れだ。
片手に携帯を握りしめ、遠くに聞こえるサイレンに──
──私は心の空虚を曝け出す。