の91……習い事を町で紹介してます
子供の語学率の向上の為の基本講習もあるらしいです。
ジルミではさらに深く掘り込んで水場での戦い方、色々な養殖、水産物の捌き方、保存法、美味い料理法まで講座があるそう!
もちろんそれぞれのスキルの活用方法も含まれるとか。
適性属性が少ない人の方が応用工夫の為の源流になるので多く通うらしいね。
羨ましい話だね。
「でもそれは生活の余裕があるから出来る事ですよね」
「ああ、丸一日の講習ではないですよ。受けたい講習の部分だけ時間を取って受ける人も多いです」
時間割のようなものもあり、一日の講習も長くて半日らしい。
しかも雑務求人一つ受けると講習一回分無料券がもらえるから、子供がそれを狙って求人を受ける事もあるとか。
役所スゴイ!
安くて簡単な求人を消化させる事で人を集めて町全体の能力を向上させることで、逆に難しい求人を受けられる技能を持った人が増えるかもしれない。
考えられている!
僕が受けている常時求人と違い、一回限りの求人もある。
季節限定の収穫の手伝いとか、キノコ採ってきてくれとか、けが人が出たので臨時雇いとか、いろいろね。
こういうのは今を助けるための仕事だから受ける人が居ないと後々に街に回る収入に反動が来る求人で、その仕事で生まれる物品が出回らない事で街の人たちの生活に支障が出てくるので、役所としても積極的に受けてもらいたいんだろう。
この生活に支障が出て悪化した状態をインプレーション(インフレ)と言うよ。
そうならない為の役所による労働力の底上げが職業訓練なんだね。
僕の今の仕事はどの時間に参加するかが自由に選べるので、簡単なバイトは入れやすいかもしれない。
あとは生活が圧迫されないように調整する事かな。
街のインフレが抑えられても僕の生活がインフレではいけない。
と言うか嫌だ。
「今日はお疲れ様でした」
会社に樽を引き取ってもらい報酬を受け取る。
――――――――――---‐767字・習い事出来るのは幸せですよ。
移動中は袋に入っていたオピを出して背負子に乗せて役所に向かう。
オピには固い木の実をあげたのでトトトトトッと前歯で叩いているのが聞こえる。
役所のアドバイザーさんに職業訓練の一覧が欲しいと伝えると、数枚の紙を持って来てくれた。
「受ける方の多い基本の講座は毎日時間をずらして複数の講師が指導に当たっていますので、一週間丸々の時間割になります。
他の講座は一人か二人で回していますので、毎日は行っていません。こちらは今月の日程表になります。
講座が複雑な為に日にちをまたぐものもありまして、その場合は二講座分の費用が必要になります。
講座に参加する規定人数はありません。
少人数でも行いますし、逆に大人数に膨らむ場合もあります。
参加申請は当日に会場入り口で身分証を一時預かりいたします。
きちんと講座を終えられましたらカードの裏に経歴として記載いたします。
度忘れ防止機能が付いておりまして、経歴付きのカードを額に当てて思い出そうとすると閃けます」
講座システムは向こうとあまり変わらないけど、最後の機能がスゴイと思った。
僕がやってみたそうな講座を探してみる。
旅人としてサバイバルに使えそうなのは、『釣り』と『野料理』と攻守に役立つ『スキル鍛錬法』かな?
順に受けて見るとして、釣りと料理は三回、スキル鍛錬は五回かかるみたいだ。
参加の為にまずはバイトを最低三回はやらないとね。
「講習の無料券もらえそうな簡単な仕事ってどんなのがありますか?」
「受ける講習がお決まりでしたら、それに合うお仕事もご紹介できます」
「今回は『釣り』を習ってみたいです」
「それでしたら、これなどいかがでしょう」
アドバイザーさんが見せてくれた求人は、セロファン小屋の手伝いだった。
「セロファンって何ですか?」
――――――――――---‐733字・度忘れ防止機能は項目限定の検索機能です。




