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段ボールの底はどこですか?  作者: きりみっ
ジルミ
77/187

底77……手作りのアクセサリー

R15っぽい表現があります。

ご注意ください。

「はい今晩折るのが楽しみです!」


「お、折ったら壊れるんじゃ……」


 可哀想な奴を見る目でソニカさんがつぶやいたので、首を振って否定しておく。

 加工であって破壊でではないよ。


「そんなつもりはないです……ん~意識の問題?」


 ソニカさんは首をかしげる。

 長くし過ぎた杖を使いやすく短くしたり

 二本のナイフを鍛冶師が一本のロングソードに打ち直す

 みたいな感じだと説明すると頷いてくれた。


「それならわかるわ」


「良かったです」


「いきなり『折る』ではわかりづらいわよ?」


「そうですね。スミマセン」


「……今日はこの後、身体を張った罠で入れ喰いなの」


「……」


「って言ったら変なこと思い浮かべるでしょ?」


 若干赤くなった顔でソニカさんに言われ僕は絶句してしまう。

 え~と変な事って……思わず思い浮かべたのは妖艶な衣装で微笑みを浮かべたソニカさん。

 僕の顔も赤くなってるよね絶対。


「この言葉は私が言い出したのじゃなくて、仲間が言ったのを注意したのよ。わたし(・・・)が!」


「で、ですよね~」


「今のだって実際は干物の番をしながら、寄ってきた動物を狩るよって話なのよ」


「そうなんですね。僕も気を付けないとな~変な事言って人に嫌われたくないし」


「その瞬間は自覚してない場合があるから言葉って不思議よね」


「人付き合いって難しいですよね~」


 お互いに乾いた笑いを漏らし、現場に着いたので仕事に動き始める事でその感情は埋もれて行った。

 その後特に何もなく(もちろんラッキーも無く)仕事をこなした僕は、今日は図書館をやめて木工工房『スィーバーツ』に向かった。

 腕輪を二等分するのにやはり職人の手を借りた方が良いかもと思ったから。

 ちなみに腕輪は、袋の中でオピによって僕の手から守られている。(苦笑)


 ――――――――――---‐718字・言葉のあやは無意識に羞恥心を刺激します。


「半分にするのを補助すればいいのかな?」


「はい。お願いします」


「本当に木工職人になりかねない気合いだね」


 僕の様子にリーフさんが苦笑した。

 昨日の夜も押しかけたしね。スミマセンでした。


「それで、時間はいただけますか?」


「うん。こっちも仕事をしながらでよければ、見てあげるよ」


「よろしくおねがいします!」


 半分にして手袋に付けるという改造用途を話して、それならばきっちり半分にした方が良いとなったので、腕輪の外周に紐を巻いていく。

 これで腕輪の外周の長さを確定してきっちり半分の位置に印をつけてからの作業になった。


「ここからは品質に関わる工程だから慎重に一彫りずついくよ」


 この工程でヒビが入ったり切り口が斜めだったりすると、左右の品質(主に耐久値)にバラつきが出てしまうそうで一彫りごとに判定石で確認するみたい。

 もしバラつきが出たら切る位置を変えないといけないとか。

 切る為のナイフはもちろん土スキルをまとう。

 これは付いている【変化】スキルの反発を避ける為らしいけど、つまりすごく切りづらい。


 おまけに疲労感が半端ない。

 それも当然かも。

 一切りごとに集中する為、スキルはその度ごとにかけ直しているからね。


「ナイフが重いです……」


「もう少しですよ。頑張って!」


 リーフさんがお守りの木の板を握って応援してくれる。

 確かに切り進めていた切り口は切断まであと一息まで来ていた。

 もう一息かな?

 僕のナイフを握る手にも力が入る。


 そしてナイフを滑らせると、ナイフの先が使っていた木製の作業台に刺さった!

 切れた!!

 すぐ確認!!


 ――――――――――---‐


  シイの木のヴラート

  耐久力・13/15

  スキル・【変化】重力-12(+2)


 ――――――――――---‐


 やっぱり下がったけど、スキル付けながらの作業は効果の緩和につながったみたいだ!


 ――――――――――---‐743字・作るのは楽しい!

ヴラート=バレッタ(髪留め)

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