彡71……軽業師の妙技・イラソニカあり
猿達のパフォーマンスが終わると、次に出て来たのはソニカさん含む女の子達。
皆肩の見える服で、風の動きを見せる仕様なのか前にも後ろにも細い房飾りがカーテンのように付けられていた。おへそが出ている。
ズボンはひざ下が豪勢なドレープを描いていて、舞台を歩くだけでも風を感じさせた。
その後ろから出て来たのが大きなおじさんジグさんだった。肩には長い竿を担いでいる。
上半身には短いベストだけで筋肉を見せる目的のようだ。
何を始めるのか見ていると、ジグさんが持っていた竿を頭上で回し始めた。
ソニカさん達は円の外にいる。
竿は次第に胴回りで回り始めた……あれどうやるんだろう?僕には不明だ。
その竿の回転の中でソニカさん達が飛び込み前転を繰り返す。
うわっ速度が控えめなのはわかるけど、あの回ってくる竿の前に立ち上がって飛び越える度胸!スゴイ!
しかも最後はソニカさん達が竿の先に取り付くことで回転を止めていた!
止まった竿を斜めに掲げ上げると、先端には細い旗のような物が下がっていた。
女の子達の組んだ手を足場にしてソニカさんがジグさんの肩に逆立ちで乗り、竿の上に降り立つ。
さらに側転すると先端にたどり着いて、鉄棒のようにぶら下がると下がっていた布に足をかけて手を放す。
客席から悲鳴が上がるが、足に絡めた布が体を支えていた。
あの度胸がつくだけの練習をしているんだろうな~。
上半身を持ち上げて布をつかむと回転を付けていく。
布を胴に巻き付けてポーズを付けたまま、長い髪と衣装と長い布の端がなびいて見事な円を描いていく。
あ、あれってイフェリオちゃんとやった崖下りのツタの使い方と同じ原理だね。
でもわざと揺らしているから怖さ倍増なはず。
さらにジグさんの手によって縦揺れまで発生してますよっ!
――――――――――---‐725字・エアリアルと言う技ですが、私的にはハンモックの仲間に感じます。
ソニカさんに目を奪われている隙にジグさんの肩に他の女の子たちが上がって来ていた。
それをジグさんが確認すると、斜めにしていた竿をブンッと振った。
空中に放り出されるソニカさん!
うわあっ!!と思っていたら、ジグさんの肩の上の二人の手に足から着地!
あの二人がちゃんと勢いを殺してくれているみたいだ。
ジグさんが竿を斜めに掲げ、ソニカさんがその先にトンと飛んでいく。
そして先に細長い布を取り付けると、すぐ戻ってジグさんの頭に手をついて胡坐の姿勢に。
それに合わせてジグさんは竿を重量挙げの姿勢に掲げ上げる。
その竿の両方に女の子がそれぞれ渡って行き、ぶら下がって鉄棒を始める。
しなる竿を懸命に支えるジグさん。それでも笑顔は忘れない!
そのジグさんの頭の上でゆっくりを足を持ち上げていくソニカさん。
どうやらさっきからの胡坐はあの細腕で支えていたみたいだ。
逆立ちの態勢でポーズをとる。 うん、胡坐より逆立ちの方が腕への負担は少ないかも。
その逆立ちした足を竿に絡めて足掛け上がりに持っていく。
流れるように竿に上がるのを待っていた女の子二人と竿の上で組体操を始めるソニカさん。
その竿の振動に耐えるジグさん。頑張れ!
体操のポーズが決まりキメの太鼓が鳴るとソニカさん達が竿からジャンプして、ジグさんは竿を足元に落とす。
大きな音にならないようにつま先に落とすことを忘れない気遣い。
観客の視線はソニカさん達の落下に囚われる。
そこにジグさんが両手を出すとその上に二人が着地、片方が再びジャンプ。
空いた手に残っていた方が小さくジャンプで移動。
今度空いた手に残っていた一人が着地。
うん。人間お手玉だ。
おおーっという感嘆の声に包まれて飛び回るソニカさん達。
あの軽々とした感じはどこかに軽減スキルを使っているかもしれないね。
最後は二人を腕に、一人を肩に乗せてフィニッシュ!
――――――――――---‐787字・お手玉にはジグさんの身長がどのくらい必要だろね




