表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
段ボールの底はどこですか?  作者: きりみっ
ジルミ
63/187

は63……悶えた水の蛇

「見学して見たんですが、水工場の仕事をやってみたいと思います」


 翌日、役所の『ゼネラル』さんに報告して、用紙を提出する。


 ――――――――――---‐


 河川からの水を運搬する仕事


 一樽につき小貨四枚

 基本的に団体行動の為、樽数賃金÷参加人数

 ※個別登録で出来高制に変更が可能


 荷車の往復は一日六回(全部の往復に参加する必要はありません)

 積載量は参加者で応相談する事


 基本の採取地は決まっていますが、良質な水を運ぶとボーナスがあるので

 常勤者がバイトをオススメ地に誘導する行動は会社にも容認されています。

 それを許せる心と体力を求めています。


 ――――――――――---‐


 最後の一文が気にはなるけどバイトにボーナスは嬉しい話だね。

 一人ではそんな危険なリスクは侵さないよ!(前も言ってた気がする)

 ここ近辺の地理に疎いんだから無理のしようもないし、初めのうちは荷車に付いて行く方が良いね。

 どのくらい歩くのかで体力面が心配なところかな?


 他に問題は、使われている樽が背負子に乗るサイズかどうかって事かな?

 まあ初日は様子見して状況によって改造すればいいかな。


「よろしくお願いします」


 水汲み班の一つに割り振られた僕があいさつした人達は力仕事だからかゴツイ人が多かった。

 こんなもんかと思っていたら隅の方にいろどりを見つけた!


 一部にはスリムな人がいたよ。

 彼等は水の樽詰め要員だと教えてもらえた。

 ついそっち見てたから……恥ずかしいな。


「私達はね、水属性が強いので魔法を使って仕事をしているの」


 皆に付いて荷馬車の後ろを歩いていると、いろどりの一人の女性に話しかけられた。

 あ、彩っては僕が思ってるだけです。

 ちなみにこの女性はソニカさん、僕と同世代位だと思う。もしくは少し下かも。

 身長は僕と同じくらい。(悔しくなんてない)


――――――――――---‐743字・おんなのこは潤いです!


 年頃の女性特有の胴回りが仕事用の前掛けの横から存在を主張している……並んで歩くとすごく見えるんですが!

 これは見るなと言うのが無理な話じゃないかな?

 でも、これって失礼な態度だよね。自制自制。


 え? あれ?

 ソニカさんの見た目に気を取られて、会話の内容が今頃頭に入ってきた。


「水魔法ですか?」


「そうよ。本業は旅芸人で、ここには臨時でね」


 うらやましい。


「興行内容を少しずつ変える事で、空いた団員がバイトしているの。でも興行を疎かにしているわけじゃないのよ?」

  

「大変なんですね」


「そうなのよ。旅の旅費、食費、道具の運搬管理、興行の場所の確保とか意外と出費があるから蓄えとかはあまり無いのよね」


「へぇ~」


 細かい事はわからないけど毎日の食事はかなり質素だと強調していた。

 旅の道中に獲物が出れば豪華になるので皆強いらしいよ。


「私は風と水が強いからこの仕事は適任なのよ」


 採取地に着いて、僕は彼女の水の難易度低スキル【吸着】を見る事になった。


 川の水が渦を巻いてその中心が盛り上がり、重力に逆らって立ち上がると荷車から降ろした空の樽に向かって水の蛇になったように一直線に飛び込んできた!

 スゴイ!!


「スゴイよ! ソニカさん!」


 すぐ後ろにいた僕はソニカさんの両肩をつかんでいた。

 小さな悲鳴を上げた彼女が操っていた水の蛇が悶えるように蛇行し始めて、あ、これヤバいんじゃ?

 と思っていたら、僕は同行していた大きなおじさんに襟首をつかまれて引き離されていた。


「何を必死になってんだ……」


「僕には水の才能がなくて、同じようなことやりたいけど出来ないのでうらやましいのと、風使って代用のスキルを作りたいので教えてほしかったとか、その他もろもろです」


――――――――――---‐706字・魔法とスキルには集中力が必要です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ