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段ボールの底はどこですか?  作者: きりみっ
リルミド
52/187

す52……魔法の加減は難しい

31日の次が1日だったので3日での投稿です。

 触るイメージをした為か、呪文を唱えた途端にただの丸みのあるだけだった影に指が生えた!

 その手が伸びて群れの端にいた一匹に接触! 

 ていうか、しょくにしたら影の指が立ち上がって驚かせてるよ!

 躊躇した瞬間的に足元の影から【傀儡しえき】発動!


「キィッ! ??」


 群れの闘争本能に支配され、希薄だった意識が戻ったようなので、影で低空に持ち上げて手元まで引き寄せる。


「おいっ!」


 僕の盾になっていた親方はテールラビットが突撃してきたと思って驚き、叫びが裏声になっていた。


「この子は大丈夫です。僕の魔法の影響を受けている状態ですから」


 【影動】を使っているからこちらに対して攻撃行動はできない。


「驚かすな!」


「スミマセン」


 料理長に謝り、続けて傍の地面に降ろされたテールラビットを見る。耳を振り上げて思いっきり威嚇している。

 さっきの魔法は正気に戻った時点で消えてるみたいだね。

 一発勝負で使役できるなんて僕も思ってなかったけど、ただの猫騙しの魔法になってしまったか。

 しゃがんで目を見てもう一度『触月音』ささやくと、触れていた影が振動をテールラビットに伝えた。

 すると頑張って持ち上げていた耳を収納してプルプル震え出した。


「ああっゴメンよっ。威圧じゃないよっっ」


 威嚇していたので少し離れてたんだけど、僕はグイと影で手元まで引き寄せて鼻先に手を差し出す。

 テールラビットは僕の影に今も乗っている。つまり動けないようになってる。

 暴れないように行動を制限していたけど差し出した手への反応が知りたいので制限を後ろ足だけにする。


 動物は目に見えない部分をいきなり触られるのを嫌がる。

 初対面はほっぺかあごが一番かな。


「怖くないよ~突然ゴメンね~」


 ついでに石黄せきおうみたいとか思ってゴメンね~これは火属性の色だっただけだもんね~思い出すのはキリトピオルさん。


 ――――――――――---‐761字・プルプル震える小動物……可愛い!


 僕がジリジリした気持ちでたった一匹と対峙しているうちに、ホーとロウがラビットの群れを叩きのめしていた。

 僕は手元のラビットには群れを見せない。

 里心とか出させないように。後ろ足の向きを固定。


 ひげ周りを撫で、順に目の横、頭と手の位置を動かしていく。ふわふわもこもこ♪

 その行程で長い毛に隠れた垂れ耳も確認!


 ★☆


 その後、護衛の人達も駆けつけたので群れは全滅。かろうじての生き残りは捕まえたらしい。

 倒した分は皮と肉と呼玉+活力剤の材料とかで血液を水魔法で瓶に回収。


 仲間の末路を見てしまった僕の手元の子のプルプル度が増してしまい、なけなしの僕の火属性の力を(あくまでも試行錯誤なので上手くいっているかは不明だけど)手の平に集めて、それで撫でてやる。


 少しずつ落ち着いて、影をリード代わりにして、おいで~すると寄ってくる位にはなった。

 でも離して逃げられたら悲しいなぁと思っていると、ビスコースさんからペアのクリップを渡された。

 見た目は取っ手の小さな目玉クリップ。アクセサリー的にはイヤーカフスって名前だったかな?

 有料だけど一番安いのだって。


「それは仮の主従用だよ。町で登録すればそれを外しても平気だし、一組持ってれば何回も仮留め出来るからね」


 ビスコースさんの説明によれば登録で詳しく条件付け出来るらしい。

 主に噛みつくな。とか

 店先の売り物を食べるな。とか

 この仮クリップは逃走防止機能だけ付いてるそうで、でも僕的にはそれでも十分!

 放しても逃げない……嬉しい。


「登録すると手の爪に印が浮かぶ。始めは欠けた形で信頼度と共に形が完成するからね」


 形が何になるかは登録してのお楽しみらしい。

 でも使役は爪の数までなのかな?

 ま、いいか。

 膝の上に乗せて撫でても嫌がらなくなった。可愛い!


――――――――――---‐725字・初めての音魔法の結果。ペットをGET

前にも書いたけれどテールラビットはソフトボール大の大きさです。

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