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段ボールの底はどこですか?  作者: きりみっ
リルミド
45/187

ル45……思い込みとは恐ろしい

なかなか話が進まないのはキャラクターがしゃべりたいことを全部しゃべらせようとしている為です。

読みづらかったらスミマセン。

「影ですね。了解です」


 僕は護衛さんの登ったところからほろの上に上がる。

 足場になる部分が支柱板しかないのが不安だけど仕方ない。

 ハンモックの影が見える方向に回り込んで様子を見る。

 動きは無いのでまだ安心だと、影を伸ばしていきハンモックの影と接触して動きに制限をかけていく。


 そうしてやっと近付いていく。


「えっ?!」


 何となくハンモックで寝ている子供に目をやって、驚いて二度見してしまった。

 そこで気持ちよさそうに寝ていたのはイフェリオちゃんだった!


 仕事なので目覚めるのを待ちつつ、僕の頭にはクエスチョンマークが飛び交っていた。


 学校は?

 ファイさんは知ってるの?

 僕が一人でグルグルしているうちにイフェリオちゃんが身じろぎした。

 僕の影はハンモック自体を抑えているので中にいるイフェリオちゃんは少々動きづらい位のはず。


「おはよ~朝だよ~」


「う~ん……ん?」


 小さくうなって身じろぎしたイフェリオちゃんの動きが止まった。

 あ、気が付いた。

 ここで人に声かけられる不自然さに固まったみたいだ。


 そ~っとこちらに視線をよこしたので、ニッコリして手を振って見せる。


「おはよう」


 声をかけたら、まさか、なんで? と言いたそうに口をパクパクしていた。


「よく眠れた? 出来たら話聞かせてくれるかな?」


「うん……」


「ファイさんはイフェリオちゃんがここにいるって知ってるのかな?」


「手紙置いてきたよ」


「学校は?」


「……お休み」


「……どうしてこんな事したの?」


「モリヤさんが困ってるみたいだったから、助けられないかなぁと思って……」


「えっ?」


「町の中で外から来た旅人にいろいろ買わされてたから、たかられてるのかと思って」


 ……キリトピオルさん達と買い物してたのが、イフェリオちゃんにはそんな風に見えたのか……まあ、確かに出会ってそんなに経ってはいないね。

 しかも何も知らないから付いて歩くだけだったしね。心細い顔はしていたかもしれない。


 ――――――――――---‐789字・驚愕?の真実


 自分で見つけた方向とは言い難いけど、それでも良いと決めたんだ。

 騙されては無いと思う。……たぶん。


 家出かと叱るつもりが逆の立場になった。どうしてこうなった!


「その時の人達はこのキャラバンの護衛の人ですよ。買い物は全部僕が使う物ですし、ここにいるのも僕が自分で決めたんです」


「そうなの?」


「はい。だから帰った方が良いです。手紙だけなんてファイさんが心配しますよ」


 僕が説得しようと口を開くが、疑いのまなざしが向けられる。

 僕ってそこまで信用がないのかな?


「それが本当ならちゃんと話を聞いてからにしたいの。会わせてくれる?」


「はい。キャラバンの人達もそのつもりのようでしたから、話し合いは可能でしょう。

でも内容は無断乗車についてですからね」


「う~」


 僕は馬車の下にいた護衛の人に起きたことを伝えて、素直に降りてくれる事も一緒に伝える。

 すぐ護衛の一人が話を通しに行き、すぐに連れて来るように言われたので僕は目の前にできたイフェリオちゃんの影を自分の影で持ち上げた。


「え?」


 今馬車の影は円陣の内側に向かって出来ているから、ちゃんと降ろしてあげられた。

 僕自身はちゃんと梯子で降りるしかないけどね。


「……と言う訳で馬車に乗っていました。黙って乗ってゴメンナサイ」


 ビスコースさんの前に連れて行かれたイフェリオちゃんが素直に謝ると、集まっていた人達が僕を困った奴だと言う感じの視線で見ていた。

 口元だけで笑っている人もいる。

 ……何か理不尽! 僕のせいなの?


「僕も知らなかったんですよ?」


 確かにイフェリオちゃん出会った頃は何にもわからなかったけど、これまでの経験で一人で生活できる位にはマシになった……はず!


 ――――――――――---‐688字・はず!

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