4……フィロープでバイトを探す
8、0109投稿初日ユニ数33人。1/31までのアクセス数58回、ユニ数46回。
9、0111投稿初日ユニ数17人。1/31までのアクセス数40回、ユニ数26回。
「宿代以外でお金が必要な場合は、そちら後ろにあります掲示板にある一般求人から簡単なお仕事をしていただけば、若干ではございますがお金を稼いでいただけます」
後ろを振り向けば確かに大きなボードにたくさんの紙が貼り出してある。
あとで近寄って見てみよう。
「求人の受付は隣の『ゼネラル』にお願いします」
「わかりました。ありがとうございます」
僕が頭を下げてカウンターを離れるとファイさんがまだ待ってくれていた。
「ファイさん。今日はありがとうございました」
「転移とは思わなかったけど、深刻に考えない方がいいからね。観光だと思ってまずは居て見るといいわ」
そう言ってファイさんが差し出したのは掲示板の横に置かれていた街の観光ガイドMAP『リルミドのフィロープへようこそ』だった。
ファイさんによれば『リルミド』は国の名前で『フィロープ』が街の名前だそうだ。
それと国の名前は省略されて『リ国』とも呼ばれているらしい。
他に六か国あるらしいけど、今の僕はまずこのガイドマップを覚えなきゃだね。
まずは宿を決めないと。
……MAPとにらめっこしているとファイさんに肩を叩かれた。
「わたしの店はここだから。あなたの持っていた箱は預かって置くから落ち着いたらいらっしゃいね」
あ、そういえばお店に段ボール箱置きっぱなしだった!
僕は指差されたMAP上の店の場所を確認すると、頷いて「後でうかがいます」と言っておいた。
そうしてファイさんと別れた僕はMAPを手に一軒の宿を尋ねた。
街の形状を目で見て、見晴らしが良さそうな外壁寄りの高い位置にある宿。
外観は三階建てだが地形を利用する造りのため崖に張り付いたように建てられている。
名前はそのまま『ウォールタワー』掲げられた看板も塔の絵が描いてある。
入口は開け放たれていて誰でもどうぞって感じだ。
中を覗くとひょろりと背の高いおじさんが床のモップがけをしていた。
ひょろりと言ってもそれなりの肩幅もあり倒れそうな感じではない。
「いらっしゃい」
おじさんは僕を見つけてにこやかに声をかけてきてくれた。
――――――――――---‐845文字・町の名前~スロープ+フィールドの並べ替えです。
宿屋『ウォールタワー』のスコッチさんは気さくな人だった。
僕がゲストカードを出して事情を説明するとすんなり部屋の手配をしてくれた。
「君の宿代は役所に請求するから大丈夫だよ。街でわからないことがあれば聞いてくれていいよ」
「日が沈む頃から夕飯は出せるからね。いっぱい食べなよ」
カウンターの奥から大きな声で言ってきたのは女将さんのアイリッシュさん。料理の担当らしい。
僕は知り合いもいない事から僕にも出来るお小遣い稼ぎの求人はどんなのかと相談してみた。
替えの服とか小物とか、やっぱり欲しい物はある。
「そうだねぇやはり向き不向きがあると思うけれど、何が得意かな?」
「得意と言えるかわかりませんが、僕の職業は『ポーター』になります」
「なるほど。それなら物資輸送の仕事かな。街の外からの行商人がこの町の決まった店へ卸す物資を門の内側で待ち受けて店に運ぶ仕事だよ。役所にも求人はあると思うよ」
おお! 何ておあつらえ向きな仕事なんだ!
「でもまずは運ぶ店を覚えないといけないからね。すぐできる仕事か役所に確認してからがいいね」
「そうですね。早速これから役所に聞きに行ってきます」
スコッチさんの温かい笑顔で送り出され、役所に戻ってきたよ。
掲示板を見回していき……おお、あった。
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行商人の卸商品を各店へ搬入する仕事
一包につき小貨5枚。
時間は朝、昼、夕の三回。
まずは一日からでも出来る方。
先輩について行く事でお店も覚えられます。
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なんとなくわかるけど、一応窓口で詳しく聞いてみよう。
僕は『ゼネラル』に向かった。
「これは街の馬車の発着所に併設されている運搬会社からの依頼です」
話によると、交代制で朝二時間、昼二時間、夕二時間運搬会社に詰めていて、行商人の馬車が来たら詰めてたメンツが運搬を始める。というシステムで、待ってるうち一台も来ない場合もあるらしい。
その場合は待ち賃として一日小貨3枚だそうだ。
一包だいたい10kg位らしい。見本の砂袋が役所に常備されていた。(準備いいなぁ)
――――――――――---‐850文字・
宿屋のご夫婦の名前を変えました。
性は出してませんがツェードと言います。
名前と並べると、二人とも布の名前なんですよ。
素敵な名前なので使いたくなった!
20160224