?39……買い出し
なかなか話が進まないのはキャラクターがしゃべりたいことを全部しゃべらせようとしている為です。
読みづらかったらスミマセン。
……中に入っていたのはピカピカ泥団子だった。きちんと呼玉も付いている。しかも格安札が!!
試しにカップにしてみた。
あ。良い! 赤茶色の素焼きのカップになった泥団子に目を奪われてしまった。
素朴さがいい!変形に違和感がない。陶芸っぽい。
二回叩くと皿になった。良い!
長押しで玉に戻る。
でも二つしかないので他から石を三個選び、鍋用からお玉用含め三個購入した。
鍋は片手・両手・ふたになる。
お玉は他にフライ返し・火箸・ふたになる。
本当にこれは荷物がかさばらなくて嬉しい!!
見ていると変わり種を勧められた。石を叩くと四角柱型でふた付のカップになった。
他の形にはならないそうだ。水筒だ! こういうのもいいね!
他に店内で塗り薬(軟膏)と飲み薬(栄養ドリンク)を買い、肩掛けカバンに入れる。
あ、食器と鍋は背中の荷物カバン行き。
肩掛けカバンに入れてるのは、ハンカチとティッシュ兼用の小さな布数枚と夜鏡、小銭入れに薬とナイフ。あと精霊の鈴。
まだ二十cm四方の大きさしかない影室にはお金と呼玉しか入れていない。
他は全部荷物カバンの中だ。
残りは食料かな。
携帯にはパンの種と言う名のボール玉。鍋の底に押し当てて焼くと膨らんでパンになる。
飲み水用水筒はモンスターの胃袋を使った革袋で表面を毛皮で覆う事で外気に左右されず一定の温度だとか。
他はほぼフリーズドライ。
野菜まで有るのが凄い!! 流石リルミド!!
でも高い。
でも便利!!
余裕持って買っておこう。
二人も感心して試しに購入していた。
僕はフリーズドライ見慣れてるけど他の人には乾燥野菜は違和感があるかも……色は新鮮な感じでも、まるで乾燥地帯で枯れたみたいにカサカサのパリパリだもんね。
不安はわかる。
けど乾燥してると軽くて持ち運びは楽になるんだし、それが第一だと思う。
――――――――――---‐735字・ピカピカ泥団子!!
後は緑色の呼玉を探そう。
市場を巡っているとマテバシーさんが露店を出しているのを見つけた。
「やあ」
「こんにちは」
彼の並べている商品は木製のふた付の箱のようだ。
見た感じは宝石箱またはオルゴールっぽい。けど並んだそれは木目が目立ち制作途中に見えた。
「これは完成品ですか?」
「いいや。客の要望を聞いて色や模様付け、付与付けをやっているんだよ」
「あ、特定の人しか開けられないようにするとか……ですか?」
「そういうのもあるな。その場合は呼玉を使って箱の材料の木に教え込む~みたいな感じだ」
そう言って傍らの箱から出してきたのは緑色の呼玉!
「あ」
「ん?」
「あの……その呼玉は売り物ですか?」
「これかい?」
「はい!」
手の中の呼玉をもてあそぶように腕を上げてマテバシーさんが言うと、僕は勢いよく頷いた。
「これは加工用だ。岩山で遭遇したモンスターから捕ってきた物だよ」
そうか……売り物じゃなかったか……残念だ。
「そうですか……」
「欲しいのかい?」
「はい……見て回っていたんですけど、緑色は余り出ないんでしょうか」
「加工用に職人が買い取ってるからなかなか並ばないかもな」
「そうですか……」
やっぱり自分で狩らないとダメかな……。
「何か困り事かい?」
「あ……いいえ。単に木魔法の補助用に持って置こうと思っただけですから」
「それなら他の国の方が見つけやすいかもしれないな」
「そうなんですか?」
「木工職人が少なければ緑の呼玉の使用頻度は下がり、余って店に並ぶって事だよ」
「なるほど!」
それなら急がなくともいいかな……適性もともと低いしね。
僕は気持ち満足して顔を上げると付いていた二人に頭を下げた。
「お待たせしました」
「買わないのか?」
「はい。仕事道具を買い取るほどは急いでいないので」
――――――――――---‐726字・残念でした。またどうぞ




