か38……旅の必需品
前回の37話投稿したらたった4日で156アクセス。ユニークはその1/3ほどです。
いつも読んでいただいている皆様には「ありがとう」を。
新たにこの話をみつけてくださった方には「よろしく」を送ります。
150超えは初めてで嬉しかったので記載させていただきました。
やっと動き出す森谷君をこれからもどうぞよろしくお願いいたします!
続いて尋ねたのは黒い金づちの看板が目印、鍛冶屋『ヴァクツミット』だ。
軽い防具をおススメで見せてもらう。待っている間に店を見回すと確かに『クアスメイク』で見た服も置いてあった。
そして持って来られたのは端に呼玉が付いた平たくて長い金属板だった。
板の両端は半円状にカットされている。細いスノボ板のような感じ。
使い方を教わる。
「石の付いた部分を手の甲に当てて、石を一回叩く。やってみな」
「はい」
言われるまま片手の四本指で手の甲に当て、空いている人差し指で石を叩く!
瞬間、板が蛇のようにウネウネ動きだし螺旋を描くと前腕部分に貼り付いた!
「わっ!」
「それで防具になる。足にも同じく膝に当ててやるとスネに巻きつく。解除は石の長押しだ。叩いて解除だと戦闘中に解けるかもしれないからな」
これなら普段使わない時もかさばらないかもしれない。
板4枚と、あと胸プレートに革ベルトがついた防具を買った。
コートの下に防具をつけると強そうに見えなくていい。(頼られない方が気が楽です)
武器は持っている棍棒とナイフで僕的には十分だと思う。
購入を終えて店を出ると他に必要なものが無いか、付いて来ている二人に聞く。
「食器類と調理器具でしょうか」
「なら雑貨屋だな」
そう言う二人によれば、僕が運んだような通常の鍋とかは安物の部類なのだとか!
そんな鍋を大量に仕入れた雑貨屋に少々不信感。
「悪いとは言わないさ。持家で使う分にはそっちの方が使いやすいし、大きさも形も色々あって使い勝手に合わせるのが普通だ」
用途に合わせて揃えるのは確かに家持ちでないと不可能だね。
じゃあ僕が旅に持っていくのは?
考えながら路地を進んでいるとリィシフルさんが手招きした。
「精霊の鈴がありましたよ」
そこの店先には雫型で表面に複雑な蔦の模様が浮き彫りされた鈴がたくさんぶら下げて飾られていた。
微妙に色とか違うみたい。こだわり作成が売りっぽい店だね。
――――――――――---‐789字・ベストフィットに驚き
店に入り鈴を手に取って振るとカランと音がした。木製なのかな? 聞きなれたチリンでないから金属ではないと思う。
店員さんの説明によると握れるほど柔らかい物質で、握って音が出る用の溝をつぶして打ち合わせると周りの精霊が簡単な願いを聞いてくれるのだそうだ。
リィシフルさんからも聞かされていたけれど、普段の音でも精霊を鎮める効果があるけれど、風鳴峠を通る場合は携帯を義務付けられるのだそうだ。
精霊に睨らまれた人がいるんだろうか?
僕はわざと知りたくもないので精霊の鈴を購入する。何となく蔦模様が紫色のにした。
「旅用の鍋と食器類を見せてくれませんか?」
リィシフルが店員に声をかける。
見回した店の棚には通常の鍋やら食器類が並んでいるだけだったのだ。
頷いた店員はカウンターの奥の棚から木箱をいくつか出してきた。
その中の一つに詰まっていたのはカラフルな石だった。よく見ると鍛冶屋で買った防具の様に呼玉が埋まっている。
「そちらの色物は食器です。こちらは鍋です」
そう言って示した箱には灰色の石ばかり入っていた。大きさがバラバラだ。
説明によるとこの埋まってる石は人工呼玉で、灰色の呼玉に星の力の代わりに魔法の力を込めて稼働するように作った物だそうだ。
雑貨屋で扱うものは数種類の形を記憶して石を叩く回数に応じて変形するそうだ。
只の丸っこい石が鍋や皿やカップに変わる。便利機能だ!
凄い凄いと箱の中を見ていく。食器用の石は本当にカラフルだ。マーブル模様なんかが食器になったらキレイだと思う。
でも変形機能は入れられた魔法によって回数が決まっているので、皿と石にしかならない物もあれば、皿・カップ・深皿・フォーク・石なんて五段階変形まである大層な品まであるそうだ。
そんな箱の中に小袋に入った物が目に留まって開けてみたいと店員に許可を取る。
――――――――――---‐759字・魔法道具は便利!




