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段ボールの底はどこですか?  作者: きりみっ
リルミド
35/187

こ35……火魔法発動!(呼玉の補助付き)

この35話で登場の魔法の難易度は【火】は低、【水】は中です。

「大人になってからも危ないと言えば危ないから、普段はバンダナが欠かせないな。だが魔法を使う時は風に晒した方が使いやすいんだ」


 そんな状況なのに見せてくれるなんて……いいのかな?

 僕がどうしたものかと思っているうちに、キリトピオルさんはかまどの前にかがんでターマゲットから取り出した赤い呼玉を手の平に乗せた。


「いいか?」


「はい!」


 隣にしゃがんでその手元を観察する体制になる。


「モリヤ君。もう少し離れて見た方が状態を確認しやすいですよ」


 後ろから声がしてリィシフルさんがバックするように手を招いてるのがわかったので、僕は二歩程下がって待機の構えを取る。

 それを確認して、キリトピオルさんは手元の呼玉に向かって呪文をお願いするように囁いた。


「……種花火シューカカ


 呪文が終わると目に見えて変わった部分が僕にもわかった。

 キリトピオルさんの髪……と言うか髪の根元の方が黄色味がかって拡がっていく様子がキレイで……その様子から想像してしまったのは『人間ロウソク』……褒め言葉にはならないね。

 そういえば、テールラビットの毛色にもそっくりだ! 

 輝いているように見える。だけかな?

 と見ているとパチッと音がした。

 覗くと赤い呼玉の周りで線香花火の様に火花が散っていてキレイ……その呼玉を薪の中に入れると薪に火が付いた!


 火です! こちらに来て初めて見た!


「と、このように呼玉は魔法の媒体にするのが基本だな。雨玉水ウギョッスイ


 赤い髪に戻ったキリトピオルさんが今度は青い呼玉を鍋の上にかざして呪文を囁き、呼玉に向かって息を吹きかける。

 すると吹いたのと反対方向に当たる鍋の中に水が注ぎこまれていく。


「!!!」


「生活用の魔法も呼玉があると効率と効果が増大する」


 そう言いながら鍋をかまどの上に乗せてお湯を沸かし始めた。


 ――――――――――---‐741字・見た目は線香花火とシャボン玉です。


「呼玉の力を使い切ると石は灰色になりますが、その灰色石とまだ使える呼玉をある方法で合成すると灰色石の方の力の容量を増やすことが出来ます。

空の灰色石も買い取ってくれます。なんでも酔っぱらいの頭を冷やすのに使うとか聞きました。

でも素手で触ると自分の力を吸われてしまうので注意が必要です」


「同種の呼玉同士を合成すると出力が上がるぞ」


「それから武器や防具に装飾品として付ける事もあります。もちろん属性効果が付与されますね」


「付与は呼玉自体を消費……と言うか形まで吸収する形でも可能だ。こっちだと飛び玉が壊れて付与が切れるとかがない」


「吸収でしたら人そのものに星の力を解放と言う方法で使う場合もあります。回復効果があるんです。それの応用で一定時間能力を底上げしたり出来ますし、植物の品種改良なども行われています」


 二人の話は飽きない。新しい話ばかりだ。

 呼玉はかなり生活に密着していて使い勝手のいい品物だという事はよくわかった。

 旅の必需品であるということも!


「あと大事な事は元の形はいろいろだが、その形が少しでも破損すると星の力が漏れ出て貯めることが出来なくなるって事だな。そうなると買取価値はなくなる」


 うん。それは大事だね!

 と言ってるうちにお湯が沸いてきた。

 バンダナを被り直したキリトピオルさんが何を作るのかと思ったらスープらしい。

 しかし、材料は捌いたターマゲットと野草。調味料は塩。と聞いて、僕は手持ちの調味料を少し出すことに決めた!

 僕が街に居て料理の味に深みがないのが気になって作ったふりかけ。

 材料は売れないくらい小さい小魚と見た目が悪い海藻(昆布だと思う)を安く買って干して、とにかく細かくすり潰して混ぜた品。お手製昆布だし!


「なんだ? 香辛料か?」


「辛くはないです。コクとかうま味とか、わかりますか?」


 ――――――――――---‐748字・呼玉の色々な使われ方でした。

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