ボ28……教本をよむ ☆★彡月
とにかく今回は読みます。
……拗ねても仕方がないので、教本とスキルがたくさん載っている辞典のようなものを借りて行く事にする。
貸し出しには旅人証が必要だった。誰に貸したかわからないのは困るだろうし当然かな。
まだ時間はあるし、図書館にいるうちに少し中を見てみる。
まずは魔法と属性の関係。七つの内五つは存在属性。名前が術に関連している火、水、木、土、風。
残りの「月」は闇と夢を司り、「音」は音楽と心音を司る。ともに感覚属性になるらしい。
教本には初歩の魔法の効果と覚え方+スキルの名前が載っていた。
スキルは経験によって習得するので名前しか載っていなかった。
やはり辞典を借りてよかった。
僕は月属性が多いのでそのページから見てみる。
初歩の魔法は『ゆりかご』『カーテン』『安眠』となっている。
この世界の魔法は漢字の組み合わせで強さに変化を持たせるので例題のみが載っていた。
『ゆりかご』と『安眠』が被っているように見えたが、安眠の方は治癒魔法らしい。
技スキルの方は【夜目】【影動】【夜鏡】になる。
スキル概念は主に五感による感知系、身体強化系、念力系に分かれているようだね。
魔法の根本になるスキル概念の種類は属性別に低中高の三種類あり『月』は【反射】【停止】【無効】になるらしい。
僕がすぐ単独で練習できそうなのは【影動】位かな。
次に【夜鏡】。他は何か対象が必要になるみたいだ。
他の僕が使える予定の属性技スキルは、
風、【検索】【風化】【風海】←結界
土、【硬度変化】【重力】【形状変化】
音、【響耳】←超音波だね。【感情操作】【傀儡】
他の属性は覚えられないだろうから省略。
気配感知は【響耳】に該当するみたい。
【影動】は練習してみるにしても、【夜鏡】が手作りしないといけないので手間がかかるから早めに始めたいところだね。(上級になると媒介の鏡が無くても空中に黒い鏡を作り出せるようになる。と書いてあった)
――――――――――---‐771字・一概に出来るはずがない。
【夜鏡】は鏡と鏡をつなぐ技スキルで、作る鏡は一対で、同時に使った鏡同士しかつなぐことが出来ないらしい。
鏡は最低でも開いた手の平が丸々入る以上の大きさが必要で、左右の手の平をついて同時に月属性の【星】の力を注ぎこんで作るらしい。
作成に必要な【星】の使い方は教本に、作成方法はスキル辞典に載っていた。
本の話なので「らしい」ばかりだけど仕方がないね。
僕としては折角つなぐ鏡なら同じでデザインのものを二つ揃えたい。
その位はこだわってもいいかなと思いつつ、昼食を探すついでに町の店を巡ってみる。
鏡よりも前にジュースを棒状に固定させたのが売ってたので即買いした。
かじるとジュースのままなのがわかって、不思議で面白かった。
一緒に買ったのは串に刺さったソーセージ巻パン。うん、普通だね。
……なかなか好みのデザインとか二枚組とか見つからない。
そんな中、凝った細工物の小さめの額縁?を見つけた。きちんとガラスも入っている。
これならガラスの内側に黒い紙とか入れるだけでなんちゃって鏡になる。
良いのが見つかって良かったと思いながら、『トランスポート』に戻る。
昼番を読書しながらこなして、夕番との間に鏡を作ってみる事にする。
【星】の力を熱に見立てて両手の平に集めると、二枚の鏡に力を注ぐ。
今回の場合は夜鏡を作るのでガラスの内側部分を染める事を意識する。
僕の星の力は黒色の液体に形を変えて注がれていく。
この色味具合が属性力の純度に関わり効果度合いが変わってくるらしい。
(本物の鏡を作るには銀色が良いらしいけど、僕は初級なのでそこまで出来ない)
額縁に力が満タンになると力が反発するので感覚で終了。これでなんちゃって鏡の完成。
何と言っても「なんちゃって」なので色がくっきりとは見えない。明るい室内からガラス越しに外の闇を見るような感じに映っている。
夜鏡とするなら上々だと思う。初めてだしね。
――――――――――---‐779字・まずは【夜鏡】用の鏡を作成。
月魔法の難易度から行くと
『カーテン』<『ゆりかご』<『安眠』
すべて難易度低の概念【反射】に該当します。
スキルは言葉が無くとも発動します。




