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段ボールの底はどこですか?  作者: きりみっ
リルミド
24/187

24……ニートに優しいハロワ

3-10、0403投稿初日ユニ数15人。4/15までのアクセス数49回、ユニ数20回。

3-11、0405投稿初日ユニ数14人。4/15までのアクセス数22回、ユニ数18回。

 お金を払って明日に備えて宿に戻ろうとしたら、イフェリオちゃんに呼び止められた。


「枝をあげたからってメグルの木からお願いを預かってきたの」


 そう言って差し出されたのは一つの種だった。

 いつの間に!

 これが枝をもらった対価か!……ていうか、どうすればいいんだろう?


「この町近辺じゃないどこかに持って行って土に埋めて欲しいって言ってた」


「なるほど。生息範囲の拡大のお手伝いという事ですか。……でも今の所は僕自身の生息範囲を広げる気がないから、すぐは難しいですが大丈夫でしょうか?」


「それは大丈夫。種のままならよっぽど乾燥しなければ枯れないし」


「わかりました。それまでお預かりしておきます」


 僕はとりあえずポケットにしまった。

 ……やっぱり自分の鞄を何とかしないとな……コートのポケットでは限界があるよ。

 何気なく背負おうと背負子の段ボールの中を覗いた僕は「え?」っと思った。

 中に僕の肩掛け鞄が入っていた。


 前に見た時はなかったはずなんだが……不思議だ。

 でも助かるからいいか!

 僕はすぐに鞄をコートの中にかけてその上から背負子を背負い宿に戻った。

 明日はペリーさんとこにまた行ってみよう。


 ――――――――――---‐


 朝。僕は役場の求人板の前に立っていた。

 まだペリーさんのとこの仕事が残っているか確認するためだ。

 求人なんて早い者勝ちなんだから、無くなってる事なんて日常茶飯事だ。ハロワを思い出す。


「ん~と」


 求人板は相変わらず沢山の紙に埋めつくされていた。

 これだけ仕事があるのに中々埋まらないのもあちらと同じなんだな。と、ふと思った。

 でも常時の依頼の紙は何枚も重ねて張られていて、上から順にはがしていく姿が見受けられた。

 薬草採取とか害獣の退治依頼の方だ。


――――――――――---‐712字・メグルの対価登場!


 そんな外に行く仕事より僕が探してるような中での仕事の方が安全で良い気がするのだけど。

 もしかしたら人との関わりを苦手にする人がこっちの方が多いのかもしれない。

 あちらではそんな奴はニートとか言われ弾かれていたけど、こっちではそんな奴らでも出来る仕事があり生きていける。

 そういう求人が町で管理されているなら、人は生きやすいかもしれない。


 でもまずは僕の探してる求人だ……あった!

 良かった、まだあって。


 ……あれ?

 内容が少し変わっている?


 ――――――――――---‐


 行商人の卸商品を各店へ搬入する仕事


 一包につき小貨6枚。


 時間は朝、昼、夕の三回。


 まずは一日からでも出来る方。

 先輩について行く事でお店も覚えられます。


 ――――――――――---‐


「おはようございます。これ、お願いします」


 ゼネラルさんに求人票を渡す。


「ああ、昨日来てくれた方ですね。おはようございます。」


 どっちの事だろう? 両方かな?

 まあいいや。僕は渡した紙を指差す。


「それ、昨日見た時と違うみたいですが、何でですか?」


「ああ、報酬金額が上がっています。何だか仕事範囲が少し拡がるみたいですよ。詳しい内容は直接聞いてみた方が良いと思います」


「範囲……ですか」


 他の配送業者との兼ね合いかな?

 ペリーさんの店が町の発着所に並んでた配送業者で一番背が高いし、見張りを担当していたのは確かだと思うけど、町を網羅してるんじゃないのかな?


 まあ、僕が一人で考えているより行って見た方が早いんだろうな。


「それでもいいです。それを受注にしてください」


「かしこまりました。成功でも失敗での報告は必ずお願いしますね」


 用紙を受け取り再び『トランスポート・ペリー』へ。

 完成した背負子を担いで出かけてみると、今朝はキャラバンの一団が丁度来ていた。


――――――――――---‐731字・この世界はニートに優しい?


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