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段ボールの底はどこですか?  作者: きりみっ
リルミド
23/187

23……ナイフでDIY

3-7、0327投稿初日ユニ数13人。4/15までのアクセス数31回、ユニ数17回。

3-8、0329投稿初日ユニ数21人。4/15までのアクセス数33回、ユニ数25回。

3-9、0401投稿初日ユニ数27人。4/15までのアクセス数72回、ユニ数30回。

「他の装備は買う予定が無いので角貨一枚までなら出せます」


 そういう僕をおじさんが上から下まで見てくる。

 恰好はお気に入りの苔緑色のコートに黒のズボン。短めのブーツ。

 コートがファスナーでなくボタンだったので、こちらでも違和感なくて気にしてなかったけど、どっか変 なのかな?


「持ってる属性は?」


「土と音と風、それと月です」


「素直に答えたな……少しは警戒しろ。知られると不利になる事もあるぞ」


「よくわからないのですが、すみません」


「まあ、属性がわかれば使いやすい武器を勧められるからオレも聞いたんだがな」


 そう言っておじさんが三本のナイフを持ってきた。


「これは土属性付のナイフだ。星の力を込めると石をスパスパ斬れるようになる。

石像づくりを仕事にする奴が好んで使う。

 こっちは風属性付だ。星の力で振ると斬撃を飛ばせる。

上級者だと『空気を切った』なんて言う奴もいたな。

 最後のこれは銀燐石を加工して作ったナイフだ。

特に特化した効果は現れてないが月属性があればもしかしたらお守りにはなるかもしれないな」


 むむむ……悩むじゃないか!.

 僕は属性があっても魔法使った事ないし、宝の持ち腐れになる可能性もある。

 三本のナイフを前に僕が唸っていると、おじさんが提案をしてきた。


「悩むならナイフの方に選ばせる方法もあるぞ」


「えっ!?」


 属性付の武器は呼玉が内包されたままの石から作られるので、自分から傍に居たい星に反応するらしい。

 やってみたいと僕が言うと、おじさんは三本のナイフを片手の平の中に収まるように並べた。


「ナイフの上に手の平をかざして見な」


「こうですか?」


 僕が手をかざすとナイフがそれぞれ光を発し始めた。

 教会の魔法陣で見たのと同じ色だ。なるほど、これが属性の色なんだね。


――――――――――---‐719字・武器だって生きている!


 三本の中で強い光を出しているのは土の黄色と月の紫色。

 土はひたすらまっすぐ手の平に届こうと頑張るように光が伸びているし、月は揺らめいて踊っているようだ。


「……こっちにします」


 僕は土のナイフに触れた。途端にナイフから溢れていた光が弾けて消えた。

 えーと、いいんだよね?


 光が弾けたのでちょっと驚いておじさんを見たが、特に驚いては居なかった。

 これが普通なのか……魔法陣の時もビクついてしまったけど、僕は慣れないといけないのかもしれない。


「土のナイフだな。属性の中じゃ一般的な品だ。小判貨一枚だ」


 僕の動揺に気付かないおじさんに値段を提示されて、小判貨を一枚出す。


「うちの店で買った品なら手入れの時格安にできる。また来いよ」


 そう言って更なる来店を促すおじさん。商売人だ!


「はい。その時はお願いします」


 僕はナイフを受け取って鍛冶屋を出る。

 さあ、次は工作だ!


 まずL字の棒に背面下と底板をつける。釘はないから穴をくぐらせて紐でくくりつける。

 次に細い棒を自力で弓なりにして穴に刺す。整体しないのがコツ。

 真っ直ぐすぎても、すり抜けて落ちる。


 その弓なり棒の山部分に紐をグルグル巻いて紐の端はL字棒に結わえる。

 それを三方向連続でつなぎ、残りの紐はL字棒に渡して巻いておく。


 L字棒の背中に当たる部分に布を張るため、布の左右を縫って筒を作る。

 L字棒に通すので穴の大きさに注意。

 布の上辺に片腕くらいの長さに切った紐の中心から1/3位を縫い付け、両端をL字棒に縛り付ける。

 滑りそうな場合は棒に少し溝をつけると良い。


 その縛り目の上と板の下に取っ手布の両端を結びつけて完成。

                   挿絵(By みてみん)

「出来ました!」


 僕は完成した背負子を見て頷くと、後ろでその様子を見ていたファイさんとイフェリオちゃんを振り向いた。


――――――――――---‐724字・背負子完成!


「なかなかいい感じね」


「お母さんの織った木の幹の色の布も素朴でいいね」


「紐はもっと派手にできたのだけど、男の子だし控えめにしたわ」


「……それで助かります」


 流石に赤色とか桃色ばかりは嫌だ。

 今回背負子用に作ってくれた紐は、色的に言えば迷彩柄に使うような色が集めてあった。


「次はこれね」


 ファイさんが僕に茶色の立方体を差し出す。

 忘れてはいない。僕が持ち込んだ段ボールが入った布バックだ。


「ありがとうございます」


 素直に受け取り、出来立ての背負子の上に段ボールをはめ込む。

 見事にぴったりに納まった。

 段ボールが底になれば小さいものも横からこぼれないからたくさん運べそうだ。

 まあ、最小単位は10㎏だけどね。


「これなら仕事に使えそうです。いろいろとありがとうございました」


 ほんとに一日で完成できるとは思っていなかった。

 ファイさんとイフェリオちゃんには感謝だね。


 ふと二人を見ると、何か言いたそうな顔をしている。

 ……何か笑顔なんだけど……怖い?


「言いたい事、わかるわよね?」


「……え~と」


「後払いって話したけど、手持ちがあるなら先でもいいわよね?」


 あ、代金の請求か!

 僕が了承するとファイさんがそれぞれに掛かった代金と技術料を並べて教えてくれた。


 板二枚     小貨二枚

 取っ手帯二本  小貨七枚

 紐二本     小貨六枚

 背布(材料込) 小貨七枚


 L字棒二本(採集料自分で行ったので)零枚

 魔法加工代(成形・乾燥)   各小貨三枚


 合計しめて 小判貨二枚と小貨八枚。2800円?

 ……高いのか安いのかいまいちわからなかった。


 ちなみに単位はダルです。

 角貨の上が小ダル貨と大ダル貨って言ってメダルみたいに厚ぼったい丸い硬貨だからダル貨って呼ばれて、そこから単位化されたらしい。

 安直だけどありえなくはないね。


――――――――――---‐716字・お金の単位決定!


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