2……ブティックにいた
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僕がいつまでも目を瞬かせながらキョロキョロしていると、見ていた女性が不安になったのか僕の目の前にヒラヒラと手の平を振って注意を引いてきた。
「見えてる?」
「あ、はい……」
どうしたものかと思っていた僕の視線が女性に止まる。
「まず、名前は言える?」
「はい。……周です」
「メグル……まんま植物の名前なのね。じゃあメグちゃんと呼ぶわ」
「メグ……」
子供の頃にそう呼ばれてからかわれたのが思い出した……ちょっと嫌な思い出だ。
からかいに反応すると余計に加熱した小学校時代……
やめろと言っても逆にとぼけてみても加熱したので、からかいにはひたすら無視した。
まあ、持ち上がりの中学校ではなくなって楽になったけどね。
僕が遠い目になると女性が何か慌て出した。
「なんか余計なこと言ったかしら?ならごめんなさい」
「間違えました……森谷と呼んでもらえますか?」
「間違えたの?……いいけど、私はファイーシャ」
「歯医者?」
「発音が違うわ。ファイーシャ!」
歯医者に聞こえる……ファ?
「ファイさんでいいでしょうか?」
「いいわ。モリアちゃん」
ファイさんの発音も違うって……でも突っ込むとこは違うな。
「ちゃん付けはやめてください」
「どうして?」
至極当然という顔で問い返してくるファイさんに僕は逆に首をかしげる。
こっちが聞きたい。
「初めて会った女の子をいきなり呼び捨てはどうかと思ったのだけど……呼び捨てが良かった?」
「僕は男ですが?」
何を言ってるんだこの人は……
いくら僕が童顔だとしても女の子と間違うのは違うだろ。
服だってちゃんと男物だし……ふと自分の胸を見て違和感。
あれ?下向いたら髪の毛が両脇から下がって見える……そんなはずない!僕はちゃんと短髪だ。
頭に手を当ててやっぱり違和感。髪のボリュームが増えてる。
まさか……
今頭を引き抜いた段ボールに目をやる。宛名ラベルには『かつら』
僕、かつら被ってる??
何だよそれ! 恥ずかしい!!
頭に乗っていると思われるかつらを持ち上げようとした僕は固まってしまう。
取れない……どっかパチンとするのかと思って手探りしても見つからない。
わしゃわしゃしても取れない……どうしたらいい?
「そんなに髪の毛を乱暴にしたらいけないわ。痛むわよ」
無言で必死に髪の毛と格闘している僕を見て、ファイさんが見当違いなことを言い出し……僕は落ち込んだ。
――――――――――---‐969文字・男の子で行くべきか男の娘で行くか悩んだ。ファイーシャが歯医者に聞こえるのは偶然。
「僕の言ったの聞いてました?」
「もちろんよ」
いつの間にか大きめの手鏡とブラシを持ってきたファイさんが、鏡を手渡された僕の後ろに回ると髪にブラシをかけ始める。
「男の子でも髪型は自由だと思うわ。でも、やっぱり【ちゃん】な感じよね」
そうなのかなぁ。
持たされた鏡を覗いた僕は絶句した。ここまで?
鏡には前髪は黒色、てっぺんから脇に流れる髪は橙色の強い茶色で肩に触れる長さ。若干の内カールという髪型をした僕の顔があった。女の子に……確かに見えなくもない。
かき上げて髪の内側を見ると確実に僕の黒い短髪の地毛が見えたから、まだ諦めるわけにもいかない。
ここは頼み込むしかない。
「ファイさん。この黄茶色の髪は僕の地毛ではないんです。どうにか外せませんか?」
「あら、そうだったの?少し待ってね」
鏡越しに見るとファイさんが僕の髪を丁寧にかき分けて境目を探しているのがわかる。
そしてその顔に困惑の表情が浮かんだのもわかった。
「どうしました?」
「これは取れないわ。残念だけど」
「え!?」
「だって、この黄色の髪もちゃんと頭皮から生えてるわ。ウィッグじゃないわよ?」
そう言ってファイさんは再び僕の髪を梳かし始める。
え……そんな馬鹿な!!
「ほんとに?」
信じられず聞き返すが肯定の返事しか返ってこなかった。
梳かし終えたファイさんは僕の前に手を差し出した。
「とりあえず椅子に座りましょう?」
気を取り直して見れば僕は店の床に座ったままの状態だった。慌てて立ち上がる。
女の人に引かれて立つのは遠慮した。
それを見届けたファイさんは僕の周りに散らばっていた布製品を木箱に詰め始める。
当然僕も手伝った。ここで立ちつ尽くすような愚行は犯さない。
「ありがとうね。これはあなたのよね?」
ファイさんが差したのは段ボールの箱。
僕はどう答えていいのか困った。
「こんな素材の箱は見たことないもの。きっと高価なものなんでしょう?」
え!? 段ボールを見たことがない?
またも違和感……
「ところでここはどこですか? 僕は何でここにいるんでしょう?」
やっと僕は現状を確認するだけの平常心を取り戻し始めていた。
――――――――――---‐866文字・男の子にした。
「ここは私がやっている店よ」
ファイさんは慎重に言葉を選んでいるようだった。
「驚いたけど、店の入り口から四角い物が飛び込んできたの。そして店の奥の壁に激突して、棚の上の箱まで巻き込んで落ちたのよ」
それで様子を近くに見にいったら箱だけじゃなく僕がいた。という事らしい。
さっぱり訳がわからない。
「ご迷惑をかけました。すみませんでした」
でも店を散らかしたのは現実で事実なので謝っておく。
「店の方は被害って程じゃないけど、飛んできたのは誰かの魔法の暴発だったのかしらね?」
「魔法……ですか? 覚えがありません……」
「魔法は組み合わせとイメージで色々出来るからあんな事もアリかなって……でも違うのかしら」
考え込むファイさんの言葉に僕は動揺を隠せない。きっと変な顔をしているだろう。
魔法? 何それ!
そんな当たり前に会話に登場するような事柄ですか?
「もし巻き込まれたのなら街の役所に被害届は出しておいた方が良いかもしれないわね」
ファイさん一人でうんうん頷いてるけど、僕にはサッパリだ。
魔法が役所公認ですか? ここってそういう所……ってか世界?
ファイさんが日本語ペラペラの外人さんなのかと思ってたけど……違う?
「モリアちゃん。付いて行ってあげるから役所に行きましょう」
「はあ……」
僕だけでは判断が付かないのでしばらくファイさんを通して様子を見た方が良いかもしれない。
ファイさん、いい人そうだし。
「よろしくお願いします」
素直にお願いすると「任せなさい」とファイさんは胸を張った。
大人の女性が胸を張るのは……ちょっと目のやり場に困ります……
ファイさんに付いて店の外に出た僕は、やはり。と思った。
そこは知らない街。ここは日本じゃない。一目でわかってしまった。
しかも、ここには魔法がある。
つまり、ここは異世界って事になる……はず。
僕はどうすればいいんだろう……
――――――――――---‐764文字・初夢で段ボール箱が出て来たので、こっちを優先で進めます。




