15……幻聴とシカモク
2-12、0225投稿初日ユニ数26人。3/13までのアクセス数64回、ユニ数37回。
2-13、0227投稿初日ユニ数21人。3/13までのアクセス数52回、ユニ数31回。
――――――――――---‐
なかなか話が進まないのはキャラクターがしゃべりたいことを全部しゃべらせようとしている為です。
読みづらかったらスミマセン。
「わぁっ!」
目の前に迫ってきたテールラビットに、とっさに棍棒を振り回す!
狙って叩き落とす? そんなの無理!
「キィ!」
やたらめったら振り回したんだが、何と!当たったようだ!!
テールラビットがすぐ側の地面に転がる。
武器が棍棒なので致命的なダメージには成っていないはず。正面に棍棒を構え直し様子を見る。
……やはり立ち上がった! けど出来たら寝てて欲しかった!
「キィ!」
体を震わすと、一声鳴いてテールラビットは森の茂みに消えていった。
僕はテールラビットを追い払った!
頭の中で戦闘終了を知らせるBGMが鳴った。(幻聴)
良かった~あきらめてくれて助かった!
無意識に怒らせていた肩から力が抜ける。
「ご苦労様。逃げていく気配わかる?」
ん? そう言われて、ふとテールラビットが消えて行った方向に目を向けると、何かが遠ざかって行くのが何となくだがわかった。
これが気配?
「その気配が殺気を持ってればモンスター。無ければ動物」
「なるほど」
「でも一回で覚えたの凄い!」
イフェリオちゃんに褒められた。
……この時比較的安全なテールラビットに遭遇したのが森の木々達の采配だと聞かされるのは後の話。
彼女の手にはたくさんの糸を巻き取った糸車があった。
足元には綺麗に表面を加工されたL字型の枝が二本。
「ありがとうございます。イフェリオちゃんのその糸作る魔法も凄いですね」
「これは命を吸い取る魔法。使い方を間違うと死人が出る」
「えっ!?」
「初めて使った時は褒められて調子に乗って、お母さん倒れた……」
「そんな危ない魔法なんですか?」
「糸化木と書くのに、『死化目』なんて当て字がされる位……」
「それは……」
「だから現在の使用は植物が主流。命は水分と直結しているから、糸を取ると乾燥させることが出来る。たまにモンスターの肉で燻製を作ったりもする」
「怖い魔法も使い様なんですね」
「うん。取れた糸も命の糸だから細くてもすごく丈夫。皮の加工とかによく使われる」
「良い事尽くめですね」
――――――――――----813字・幻聴のとこがお気に入り♪
「使う人の考え方次第。だから私を軍学校に入れたがる貴族達は嫌い」
ああ~こんな小さな子にそんな世知辛い生き方させようなんて大人もいるのか……困ったものだね。
確かに大規模戦闘で体力を枯渇させられたら戦闘がうまく転がるだろうけど……子供に強要するのは、それは人としてダメでしょ。
「僕も人の生活の役に立つ使い方で良いと思いますよ」
「ありがと。この糸は背負子に使おうね」
イフェリオちゃんはニッコリして見せた。
丈夫になるなら僕の方もありがたいので微笑み返しておく。
その後、枝は僕が担ぎ町への帰路に着いたけれど地形を覚えた方が良いと言われ、崖に戻らず一番森の浅い部分(ほぼ平地)を歩いた。
おかげで薬草の束を増やせたのはめっけもんだった。
モンスターは出なかった。
僕たちは一応森の中を歩いていたけど、木々の間から街道らしき道は見えていた。
そっちを歩けば楽ではあったけど、薬草を探しながらなので仕方ない。
道なりに進むとフィロープの町が見えてきた。
――――――――――---‐
「おかえりなさい。二人とも」
僕らはファイさんの居る『クアスメイク』に戻ってきた。
「ただいま!」
イフェリオちゃんは元気に言ってファイさんに糸車と軽くなった弁当の袋を渡していた。
僕の分の弁当も入っててありがたかったです!
「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
ファイさんはニッコリ笑ってそれらを受け取る。
次の行程はファイさんが行うようだ。
「あたしは薬草届けて、学校に修了証を届けてくる。お母さん達は買い出しでしょ?」
「そうね。まずは板を買ってこないとね」
話では家具屋とか町の店では高く付くので、その前の卸業者。つまり町のすぐ外に居を構えている木こりの所に行くらしい。
イフェリオちゃんを送り出し、今度はファイさんと出掛ける。……ほんとにありがたい。
――――――――――----746字・オリジナル本編の【ウィルタータ】ではこの魔法のせいで町は滅びます。
が!
こっちではそんな事ないので安心してください!




