?114……赤い寝袋と花の散り際の迫力
なかなか話が進まないのはキャラクターがしゃべりたいことを全部しゃべらせようとしている為です。
読みづらかったらスミマセン。
目が覚めると辺りは真っ暗だった。
はっ!
獣除けをしないで寝ちゃってた!
首を動かすと頬に柔らかい毛並みが触れた。オピ?
撫でようと腕を動かそうと思ったのに動かせない。
あれ?
ちょっと動かないでいて見る。
身体全体に圧迫感がある。
しかも押さえているものに呼吸による上下運動があることが分かった。
おまけに温かい。
寝袋は置いてきちゃったからこんなに温かいはずない。
つまり、僕は生き物に囲まれてる?
でも蜂みたいな攻撃の為ならこんなに覆い隠してももっと暑くて苦しいはずだし、どうなってるんだろう?
「オピ~いる~?」
危険な生き物だと怖いから小声で呼んでみると、顔の横にあったフワフワが身じろぎして冷たい鼻先を僕の頬に押し付けて来た。
「オピ?」
「キュッ!」
「これどうなってんの? 動けないし」
僕が小声でつぶやくと、オピがプルプルと震えてからぼんやりと光を放ち始めた。
何だか提灯みたいだ。
こんな事も出来たんだね。
でもそのおかげで状況は確認できた。
僕の身体は赤い毛皮で覆われていた。
オピと同じ色……よく見ると毛皮のあちこちにスピスピしている鼻先が見えるし、これってテールラビットの群れだと思う。
どうしてこうなったのか僕にはさっぱりだけど、敵意は持たれていないみたいだ。
上を見ると白い花の咲いた木が見える。
場所は移動していないみたいだね。
メグルの木の精霊は僕を襲うために魔法を使ったんではなかったんだね。
オピの光が次第に弱くなってきた。
もしかしてスキル使ってくれてた?
僕は慌てて毛皮を押しのけて抱き留めてやる。
鞄からイフェリオちゃんにもらった蓮華石のクラスターを出して水をかけると、石は僕の周りをやんわりと照らしてくれた。
明るくなってやっとオピは力を抜いた。
――――――――――---‐727字・「世話焼かすんじゃない!(怒)」
お礼を込めて撫でてやる。ありがとうね。
オピは和んでいた僕を見上げて、目が合ったと思ったらジャンプして顔に向かって頭突きして来た。
「!(怒)」
命中率は高く、頬にヒット。
倒れるほどではなかったけど、地味に痛い。
僕の身体が動いたので他のテールラビット達が身じろぎを始めたみたいだよ。
その瞬間、ズザーッと波のように離れて行かれて少し寂しかった。
離れた位置に赤い団子が出来ていた。
『……落ち着いたかな?』
背中を預けていた樹から訊ねられた。
不安がなくなったわけじゃないけど夕方のあの状態よりは良いかな?
知らずお腹を撫でてた。
あの時は思わず落ち込んだ。
酷い焦燥感に陥ったってとこかな。
今はそれを客観的に思い出せるんだから、あの魔法は正しい対応だったんだろうね。
そして、この後どうしようか。
周りの様子から日が昇るのはまだ先みたいだし、僕がいない事に先生が気付くのはこれからのはず。
遠目から様子を見たいかも。
あの先生がどうのか動くのかで善悪の判断が出来るかもしれない。
『それなら、これを持って行きなさい。落ち着く香りのする香木だ』
精神安定剤代わりだね。
落ちて来たバチぐらいの長さの棒をありがたく手に取る。
先端に双葉が付いていて可愛らしい感じだね。
『その木は悪意に敏感故、威圧や殺意を感知すると先端の葉が顔を背ける。役に立つだろう』
生きている……生木ですか。
有用なのはわかったけど、持ってて枯れたりしないんだろうか?
まあいいか。
『それから良ければ、これも持って行ってくれたまえ』
そう声がしたので木を見上げると、精霊樹が揺れ始め、枝一面に咲き誇っていた白い花が一斉に落ちて来た!
桜の花びらがヒラヒラ散る様子は優雅に感じるけど、花が丸ごとくびれて落ちて来るのですごい迫力だ。
確かツツジとか椿とかがこの落ち方のはず。
桜の花が丸ごと落ちるのは小鳥が蜜を吸うためらしいので違うからね!
――――――――――---‐781字・一斉に落ちたら凄いと想像します。
ルーペの方では語られていますが、メグルの木の花は一年のうち一日しか咲きません。
(マザーは気力が充実しているので論外)




