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段ボールの底はどこですか?  作者: きりみっ
ジルミ
112/187

す112……こそばゆいのも痛いのも勘弁してください

読む人によってはR15? R18?

「精霊樹様?」


 つぶやいた時には体が何だか軽くなった気がした。

 筋肉の疲れが消えてる?

 おっと、『使者』呼びってことは僕が種を運んでいるの気づいてる精霊さんだね。

 気を引き締めておかないと。


『体の調子はどうかな?癒しをかけて見たのだが』


「癒し、ですか?」


 精霊なのに人の感情とか気持ちとかが分かるのかな?

 今の僕はいつ毒が発症するか不安でいっぱいなだけだけど……あ、僕が運んでる種の為に僕に手を貸してくれるっていうのなら聞いてみようか?


「実は知らないうちに毒のある物を食べてしまったようで、どんな症状が出るか恐ろしくて薬草を探しながら彷徨っていました。

 そんな薬草をご存じではありませんか?」


『それならば、良いと言うまで我の幹にしがみ付いていてもらえるか?』


「それくらいなら、良いですが」


『腹が付くようにな』


「はい」


 そうは言われたけど、防具を付けていると胃袋の辺りがうまく幹に付かない。

 四苦八苦していると木の上からツル植物が伸びて来た。えっ?


『手伝おう。上を向いていなさい』


「えっ!?」


 っと言っている間に僕の背中を蔓が回り、エビ反り状態で幹に括り付けられた。

 何々どうしてこうなった!?

 動こうとしても胴部分が完全に固定されていて腕とひざから下しか動かせない。


『毒を含んだ物をこちらで吸い出すから、君は幹にしがみ付いていればいい』


「吸い出すって……」


 動けないまま上を見ていると、また一本蔓が降りてきて僕の顎に触れて来た。

 先端にふわふわの産毛の生えた葉っぱが付いていてこそばゆい。

 何故か口の周りを丹念に撫でていくので我慢できず払おうと思ったら、幹をつかんでいた手が動かないのに気付いた。


「え?ちょっと何で?」


 僕が口を開くと蔓が入り込んで口内の壁を撫で始めた。


「!!!」


 慌てて口を閉じるけど動きは変わらず、口の中の壁もくすぐったいんだと意外な発見をしていると舌まで撫で始めた。

 ちょっと待てーっ!

 僕は頑張って蔓を吐き出した。


 ――――――――――---‐813字・実際口内の天井はくすぐったいです。


「なんでこんな……」


 大きく息をついてつぶやいた僕の前には、まだ僕の唾液まみれの蔓が健在だった。

 蔓はゆっくりと顎から喉にかけて撫でながら下がっていく。


「ひぅっ」


 何かぞわっとした。

 ぞわぞわを引きずって蔓は喉を通り過ぎ、まっすぐ下がっていく。僕の服の中へ。


「ちょっと待っ……!」ぞわぞわ


 叫んでみるも蔓に反応は無し。

 蛇行しながらゆっくりと入ってくる。

 しかも何? 下に行くほど蛇行の横幅が広がってない?


「ん! んん!」


 しばらくぞわぞわと無言の格闘していると、みぞおち辺りで止まった。

 そこから先は幹と密着している部分だから入っていけないみたいだね。

 諦めたらしい蔓があっさり出ていくと、僕は大きく息を吐いた。

 くすぐったいの我慢してる時って呼吸極端に少なくなるよね? よね?


 今ので終わったのかなぁと気を抜いていたら、背中に何か幅広いものが入って来た。

 しかも蔓が僕の動きを封じているはずなのに服の下だよ?

 おまけにこの平たいのは僕の身体を木の幹に向かって押しつぶしている気がする。

 う、少しずつ息苦しくなってきた。


「あ、くっ」


 これ以上は辛いっと思ったところで締め付けは止まり、代わりに背中からなんか風が吹いてくるような感覚があった。

 身体から何かが風によって前に押し出されているような感じ。



 オピには木の幹を挟んで向こう側に何か黄色い物体が出来ているのが見えているけど、しゃべれないので現状は見学。

 ((スープの色そのままだねぇ))(オピの感想)


『……終わったぞ』


 その声とともに僕をグルグル巻きにしていた蔓が解けて胴体は自由になった。


 ――――――――――---‐750字・あの痛い痛いと挟まれながらのレントゲンが憎い。

 ※※※

 スキル【吸着】により消化気管《胃袋》内の物質の強制撤去を発動しています。

 今回は抽出からの固形化を並行実行中。

 蔓による検査で口内及び食道に毒物反応は無し。

 ※※※

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