で111……夕日に染まるキャンバスの美しさ
なかなか話が進まないのはキャラクターがしゃべりたいことを全部しゃべらせようとしている為です。
読みづらかったらスミマセン。
オピは目が合うと足から前足を下ろした。でも目は離さない。
「どうした?」
「キュイ!」
オピはとっとっとっと僕から離れてある程度まで行くと、振り返ってもう一回鳴いた。
こっち来いって事かな?
疲れて身体が重いけど、立ち上がってオピの赤い毛並みを見失わない様に進んでいく。
暗くなる前に休む野営だったから日が傾いてはいたけどまだまだ高いはずなのに、森の中だと暗くなるのが早く感じるね。
オピが赤くて良かった。
でも森に棲むテールラビットがなんで赤いんだろうね。目立ちすぎるのにな。
今もわずかに上から差してくる光が当たって輝いている。
あ、姿が丸見えになる位広いとこに出たみたいだ。
追いかけていた下向きの視線を上げると、目の前に真っ白な木が群生しているのが見えた。
えっ?
「キュっ!」
オピが僕に気付かせるように大きな声で鳴いて、群生地に近付いて行くのを見つめてしまう。
傾くことで赤みを帯びていく日差しを受けて、次第に真っ白な木がたいまつのように見えて来た。
不思議だね。
何だか心がほんわかして来た。
引かれるように近付いて行くと次第に鼻に花の香りが届く。
この白い木は桜のように全部花みたいだ。
でもさらに近付くと内側には葉っぱが茂っていたので、花だけが木の外側に密集して咲く種類なんだね。
見回していると、ぼてっと頭に何か落ちて来て貼り付いた。
ハッとして頭に手をやると、ぷにぷにと柔らかい水風船のような感触が伝わって来たのでビクッと手を離した。
手の指を熊手型にして再び近付けると、やっぱり何かある。
つついても叩いても動く様子がないので両手でつかみ上げてみる。
(片手だと柔らかくてつかみにくかった)
するとそれはくねくねと悶え始めて思わず放り投げちゃったよ。
あの動きは気色悪い。
――――――――――---‐726字・メグルの木の開花時期に群生地に行けたようです。
でも気になるので投げた物を見に行くと、そこには怒ってるんだぞ!と赤い棘を突き立てた赤棘蛾の幼虫がいた。
え?でもさっきつかんだ時には棘は感じなかったけど……あ。
「精霊樹様の?」
僕がそういうとヤンツェダンモフは後ろ足で立ち上がり、頭部分だけで頷いて見せてくれたよ。
毒があるはずなのになんていうか愛嬌があるよね。
「信用して棘のない姿で来てくれたのに、投げちゃってスミマセン!」
まったくだ!と言うように一回棘を引っ込めて再び出して見せてきた。
でも違う森の違う精霊樹のお使いなのに同じヤンツェダンモフなのは何でか、突っ込んじゃだめだよね?
と言うか話せないから言われてもわかんないか。
そんな事を思っていると、横からオピが間に入って来てヤンツェダンモフにかじりついた。
わーっ!
なんてことを!
スプラッタを想像して顔を背けた僕がそちらにそうっと向き直ると、そこにはオピに咥えられてもきもきしているヤンツェダンモフがいた。
スプラッタは回避されたみたい。
甘噛みなので暴れてもいない。足先だけがもきもきしている。
僕が良かったとホッとしていると、オピはヤンツェダンモフを咥えたまま白い木に近付いて行って根元でヤンツェダンモフを上に向かって放り上げた。
え?
空中で下降を始めたヤンツェダンモフの胴に向かって、オピの頭突きが炸裂!
さらに高く飛んでいき、傍の木の幹に貼りついた。
もきもきしているので特にダメージは無いみたいだね。
もきもきと上に登って行くのを見ようとその木に近付き手をつくと、手の平から何かがぶわっと流れ込んできた気がした。
オピには僕がクリアグリーン色の光に覆われたように見えていた。
流れ込んできたものが温かい感じで不安は感じなかったのでそのまま木の上を見上げていると声が聞こえた。
『ようこそ同族の使者よ』
一応見回すけど姿は無し。再び上を見上げる。
これは……
「精霊樹様?」
――――――――――---‐786字・困った時の精霊樹様!




