底107……今のタータの現状
「先にも言ったけど普段の【停止】の練習は植物や生肉採取用の袋にかけるのが良いよ。
それに加えてこの呼玉にスキルを籠めるとさらにいいね。
製品作成時の付与でなければ、スキルの効果は弱くなっていくからね。何回でも練習ができるよ」
そうだよね。
熟練度は使用回数が必要なんだから日用品に使うのが一番だ。
しかも鮮度は保てるし、仕事の評価的にも良くなりそうだ。
「【反射】は普段使いで防御に使っていくと良いし、【無効】は【影室】を毎日使うのが一倍効率がいいと思うよ。
身体の防御に使うのは周りから見られるリスクがあるのでオススメしないよ」
やっぱり鏡を通して財布として使うのが一番いいんだと思う。
重くないし。(鏡を手放してしまうと中の生鮮品が腐るのはやっぱり気付いていない)
先生の話は有意義だった。講習はスパルタだったけど。
「先生みたいな使い手ってたくさんいるんですか?」
「いるとは思うよ。見える場所に登場していないだけでね。
私が交流している避難民の里だってそういう使い手が回っているから平和に過ごせているんだと思うよ。
どこにいるかもわからないし、そのスキルだって皆隠しているからそう簡単には見つからないよ」
何だか自慢げだね。
「自力で里を見つけるくらいの使い手が生まれるのは、私的には歓迎するよ。
ガーディアナとの繋がりが増えるからね」
☆守護精霊。国を支えるほどの力を持った女性の精霊。
知ってるけど会ったことは無い。
当然だよね、国を平定する役割を持った精霊なんだしそうそう会えるわけがない。
けど、先生の話では属性的に強い使い手が精霊をたたえるお祭りとかにいくと、本当に気まぐれに会えるんだと言ってた。
タータの場合は国民が散ってしまっているから、その散っている信仰心を月属性持ちが里に集めているんだって。
集めた信仰心をガーディアナが土地を平定する力に変えていて、土地が癒えたら民にはわかるらしい。
――――――――――---‐792字・タータの土地の現状は『ルーペ』で確認してください。
「タータの民達は呼ばれるのを待っているんだよ。
現在の世界状況も変わるかも知れないしね」
先生がわざとらしく鞄から赤い呼玉を出して手の中で弄ぶのを見て、あ。と思った。
火属性の低下が緩和される可能性を考えているんだね。
「皆の中に信仰心を集めるのを手伝ってくれる子がいるなら、私が仲立ちするよ」
確かに僕は【影室】使えるけど、何となく行ったら縛られそうな気がする。
かかわったら続けないと。な僕の性分なんだろうけど。
でも里には先生よりスキルの使い方上手な人はいるんだろうか?
タータ生まれでなくても教えはこえるかな?
「魔法もスキルは奥が深いものだからね。
私は基本を教える資格しかないけど」
「あの~僕が失敗した魔法を見てもらって改良とか、してもらう事は出来ますか?」
「皆の前でもいいのかい?」
「失敗作なので別にこだわりは無いです」
そんな訳で僕がオピを捕まえた時に使った『触月音』を見てもらう事にしたよ。
失敗するところを見てもらうために、離れたとこにオピに立っていてもらう。
丸まってるように見えるのはご愛敬だよ。
「今からオピに向かって影の魔法を使うから動かないでいるんだよ」
「キュイ?」
「じゃあ使ってみます。『触月音』」
僕の影がオピに向かって伸びていく。
接触一歩手前で先が五本に分かれて、地面からにゅっと立ち上がると
「キュー!」
オピを脅かして覆いかぶさった。猫騙しおわり。
「本当は対象を落ちつけて、こちらに引き寄せたかったんですが、あそこで止まっちゃうんですよ」
集中していた意識を散らすと影は伸びていた部分が消えて足元の影だけになった。
それを見た先生は顎に手を触れて少し考え、手持ちの小さな辞典を開くと頷いて顔を上げた。
「「触」では引きよせる効果を持たせることは出来ないだろうね。
私のオススメは「撫」と言う字だよ。
よく使われる撫でる、手なづける以外にも、「なだめる」や「手に入れる」なんて意味まで持っているよ」
――――――――――---‐821字・「手に入れる」は書かれていない辞書もあります。
遅くなってスミマセン。




