彡101……救急処置の仕方
「人は風の臭いによる感知を受け取る感覚が弱いので気配察知があると良いですね。
気配とはほぼ感情に左右されるものではなく、身体から自然にあふれる星の力の事です。
風のスキルなどで意識的に漏れなくすることも可能ですが、
通常星の力を有していれば誰でもどんな生き物でも発しているものです。
気配が読めれば狩猟の際に自分の気配は薄くして近付くことが出来、大変便利です」
教官が説明を終えたころには僕は立ち上がることが出来る様になっていた。
気配察知は壁を隔てた向こう側に人がいるかいないかを当てるクイズ形式で行われた。
こっちはイフェリオちゃんと出かけた時に覚えたから大丈夫だったよ。
おまけで気配の選別の仕方まで教わった。
「威圧の対処法は、威圧が届く前に身構える事ね。心で負けちゃいけないわ。
防ぐには補助職員が使っている技スキルの【風海】のようなものが必要ね。
それより強い威圧や麻痺毒を受けて体が上手く動かなくなった時用の気付け薬の作り方を教えるから、覚えて行ってね」
教官特製『硬直気付け薬』は自我が残る硬直の為、少しでも動ければ即使用が可能なように指輪型が推奨されている。みたい。
※普通の気付け薬は星の力を使い切って気絶した時などに、他人に施してもらう物なので液状。
材料はパイスとサウワの濃縮薬液に聖水を数滴垂らした物を麻紐によく染み込ませてそれを乾燥(今回はスキル【促進】を使用)させて指輪を編む。
その指輪は舐めるだけで酸っぱくて辛くて手放しそうな意識をが覚醒して水を欲しがるという緊急用アイテム。
名前はサイスリング。
原液を舐めさせてもらったらみんな凄い顔になって水を飲みまくった。
もう少し効き目の軽いペロワリングもあるよ。
(パイスの代わりにペローが入っている・苦みは倍増)
他に痛み止めの軟膏をサウワとスィーを混ぜて作ったりした。
(酸っぱいサウワは状態異常回復用です)
――――――――――---‐775字・気付け薬は濃い味にします。
骨折の固め方とかの保健体育系の講習もあって、キャステューと言うチューブを使ったのに驚いた。
これを細く切って作った包帯も同じ効果があるそうで、材料はユアスタインの樹脂らしい。
一から作るのは素人には無理だそうで、必要なら買いなさいと言われたよ。
使い方は簡単。
チューブなら患部を通して水をかければいい。あっという間に体の形に密着して締まった。
締まり過ぎる事がないのが不思議だった。
外し方はこれまた簡単。体温以上のお湯に付ければいい。
ところてんみたいにグズグズに崩れた。
あっちでもこんなのがあったらいいのにね。
ギプスになる包帯はあるけど、取り方は切るしかないからね。
他にはよくある飲み薬だけど、回復薬と状態異常回復薬はかけてもいいそうです。
あと、講習途中に不意打ちで威圧を放つ教官に毎度ビクついた僕だったけど、それは危機感知は発動しているからだと教えてもらって技能習得の確認ができたよ。
その後日、武器に合わせた戦闘講習。
武器の特性と使い方は説明と基本の型でそれぞれ一日だけど、僕は刃物で血がドバっとなるのが苦手だから棍棒にしたよ。
そしたら紹介されたバイトがレストランの裏方って何でかと思ったら、仕事はミンチづくりでした……あう。
腕と精神が疲れた後、昼食に出た賄い飯のハンバーグは美味しかったです。
棍棒と一概に行っても僕が今使っている竹の根っ子みたいなのから、まっすぐな棒まで全部棍棒扱い。
長い杖とかも棍棒扱いらしい。
持ち手の形状で扱い方は色々みたいだけど、どの部分でも持ち手に出来るまっすぐ棒は素早い人向けらしい。
そして次が最重要のスキルによる攻撃と防御についての講習。
バイトは雑貨屋の製造のお手伝いでした。
――――――――――---‐707字・キャステューに近い物が現実でも売っています。工業用ですが。
キャステュー=ギプス+チューブ
ユアスタイン=米+松(糊代わりの脂が沢山採れる種類です)




