表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/25

やっとできたました。

あれから一週間ほどかかってしまった。今まで食事は家にあったもので済ませていたのだが、さすがに底がつき食材を集めなければならなかった。仕方がないので研究をどちらも一時中断し食料調達を間に挟んだので時間がかかってしまったのだ。


勝者はリアだ。 惜しくもタッチの差で俺は負けてしまった。俺がやっとのことで二回目を成功したときにリアが先に成功していたらしく報告をしに来ていたからだ。


「コウ!やっとできたぞ!」


「はぁ、はぁ・・・ 俺も今できたところ・・・ リアの勝ちかぁ~」


リアは自慢げに胸を張りながら紹介してくれた。というかその作り出した魔物の上に乗りながらこちらにきたのだ。


リアが乗っていた魔物は、一言でいえば、少々大きめの犬だ。ゴールデンレトリバーよりは気持ちやや小さ目ぐらい?毛並みは、頭からしっぽまで触り心地のいいとてもふさふさしたものだ。色は、全体的に薄く透き通るような黄緑色だ。ところどころに白も混ざっている。


「この子の名は、リィーだ。全体的に身体能力が高くちょっとした魔法なら使えるぞ。まぁ意思が弱いから自身が考えて使うのではなく私の代理で使えるようなものだ。 リィーともよろしくな!」


「アォーン!」


とリアからリィーについて説明してくれた。リィーもスライムのアオよりは意思があるらしく挨拶をしてくれた。


「おう! よろしく! リィーは魔力だけで作り上げたのか?」


「いや、私の髪の毛を少しばかり使用している。そうすることで少しばかり意思が強くなった。リアは何ができたのだ?」


「あぁ この子だ。」


俺は、リアについさっき作り上げた魔物を紹介した。リアの魔物が犬ぽいのにに対して俺は小さな猫だ。子猫ほどの大きさで毛並みは、サラサラとしており短めだ。色は、黒に近い紺色のような色一色だ。


「名前は、クーだ。電気猫みたいなものだな。特徴的な能力は・・・ クー変化!」


俺がそういうとクーの周りに煙が立ち込めて見えなくなってしまった。しばらくして煙が晴れるとそこには最近は、少し見慣れてきた俺の姿をしたクーがそこに立っていた。そして・・・


「よ、よろ、し、く・・・」


クーは、片言のように少しずつそう話した。


「・・・・ コウよ・・・ クーが話したぞ?」


「うん・・・ これは俺も予想外・・・ 意思というか考える力が付くように部屋にあるパソコンを土台にして作ったんだけど・・・ まさかすぐに話せるようになるとは思わなかった。」


「話す予定ではあったのか!? 毎回毎回私を驚かしてくれるなぁ~」


リアは少しあきれているのか投げやりな感じでそう答えた。俺も驚いている。さっきも話したようにクーは話すことができるようにイメージして作った。でもそれは作りあげてすぐではなく様々な知識を記憶というか記録していくことで過去の記録から会話が成り立つようなイメージだった。パソコンというのは、俺が理解しているよりも素晴らしい物なのかもしれない。


「クー、は、クー、とい、います。これか、らよろしく、」


「うむ、私はリアだ こっちはリィー。 よろしくなクーよ。」


俺がそんなことを考えている間にリアはもう切り替えたようだ。順応するのがめちゃくちゃ早い。まぁ支障があるわけではないから大丈夫であろう。


「俺は立川康だ。リアはコウと呼んでいるからコウでいいぞ。これからよろしくな。」


俺たちはそれから魔物を作りあげることで得た情報を交換した後、疲れていたので早めに夕飯を済ませて寝ることにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


数日後、俺はあることを伝えるためにリアたちを部屋に集めていた。


「え~、今日集まっていただいたのは、これからどうするかを話し合うためです。」


「何を改まって言い出すかと思えば・・・ コウはどうしたいのだ?」


「旅をしたい!!」


「うむ、ならそうするかの~」


そう言ってあっさりと旅に出ることが決まってしまった。本当にいいのか?


「どうせなら私もいくからよろしくな!」


どうやらリアも行く予定らしい。この前、仲間になったリィーやクー、アオも当たり前のようにうなずいている。いや、アオのは、うなずいているというよりは身震いしているように見える。どちらにしても全員同じ意見のようだ。


「簡単にきまちゃったけどいいのか? リアはこの森の精霊なんだろう?」


「あぁ、その辺は大丈夫だろう。 私一人がこの森を任せられているわけでもないしの~。それにコウが言い出さなかったら私から提案しようと考えていたところだ。」


どうやらリアも同じようなことを考えていたらしい。森のことはよくわからないがリアがそういうのであれば大丈夫なのだろう。


「コウは遠出することも考えてアオやクーを作り出したのだろう? なら前々から決まっていたようなものだ。遠慮することはないぞ? 私もそう考えてリィーを考えたのだからなぁ~」


「まぁそうなんだけどね 旅に出ることは決まったわけだし細かいところを決めていこうか」


とまぁこんな感じであっさりと俺たちはこの森から外の世界に出ることが決まったのだった。それからは、旅に出るのに必要な物を集めたり食料のことなど打ち合わせをしていった。


リアは、何も伝えずに出ていくのはさすがにやばいらしく他の精霊と話をつけてくるそうだ。俺も準備することはあるのでそれに取り掛かることにした。


今までも俺の常識では考えられないことばかりであったがこれからも何が起こるかはわからない。無事に元の世界に帰る手段は、リアがいてくれたおかげで何とかなりそうだ。最低でも一年は、こちらの世界にいないといけないのだ。どうせならこの世界のことをもっと知りたいと思ったのだ。たぶん森で一年間過ごす方が安全だと思う。でも、興味を持ってしまったのだ。俺は、柄にもなくワクワクしている。


出発は、俺が召喚されてからちょうど一か月後のことだった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ