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確認しましょう!

登場人物


・私

司書補助員半日目。


・新田さん

司書補助員4年目。


・沢さん

司書補助員3年目。


○───<◇>─<◆>─<◇>───○


ブックポストの分類を終えた私たちはもとのフロアに戻ってきました。

途中で子供図書担当の方がワゴンを回収しに来たので、沢さんがワゴンを預けていました。

「今日は来てくれたからラッキーでしたけど、普段は運んでいかなければいけないんですよ」

確か、子供図書のコーナーは図書館の奥にあるので、長い距離をワゴンを引いて移動しないといけません。これは


なかなか面倒なことです。ブックポストの作業をしながら子供図書担当の方がいらっしゃるのを願うことになるで


しょう。

私たちが回収してきたワゴンは返却と書かれたカウンターに設置されました。カウンターの文字通り、これからブ


ックポストに投入された本達を返却します。返却作業はパソコンにつながれたT字型のバーコード読み取り機を使


うようです。よくスーパーマーケットで見るやつですね。返却の座席に座ったのは少しお年を召した女性でした。


よくワイドショーなどで紹介される典型的なおばちゃんフェイスと申したら失礼でしょうか・・・。その方は名札


を見ると新田さんというお名前だそうです。

「よろしくお願いします」

「んー!よろしくっ!私は処理が早いからがんばってね!」

元気はつらつという言葉が似合う方のようです。

「初心者はぱらぱらの担当ね?」

ぱらぱら?

私が中学生くらいの時にはやったダンスのことでしょうか?私の頭の上にははてなマークが低速回転しています。

「ぱらぱら担当は返却のパソコンの横に立って本の中身を見ていくんですよ」

沢さんがやってきて教えてくださいました。なるほど、本をぱらぱらめくっていくからぱらぱら担当なのですね。

「中にしおりやふせんなどの異物、汚れ、破れがないかチェックします」

「かなり何かしら入っているものなのですか?」

「たいていは入っていないのですが、貸し出しの時に出るレシートや自分のしおりをそのままにしている方もいま


すね」

皆さん、意外と図書館で借りた本を返すときに中身をチェックしないみたいですね。せっかく借りた本なのですか


ら、忘れ物がないかも含めて中を見直すことをするのが普通だと思っていました。レシート、ふせん、しおり、メ


モ用紙など、紙類がページ間に挟まっているとなかなか見つけづらそうです。

「あと、裏表紙のバーコードの頭がこの数字だったときは横に傾けてください」

沢さんが見せてくれた小さなメモ用紙には3桁の数字が3つ書いてありました。バーコードには9桁の数字が記入さ


れており、これで本を1冊ずつ分類します。この頭3桁が新刊冊子の目印になるようです。

作業が始まりました。本のページをぱらぱらとめくり、中に何もないか確かめます。何冊かやっていくうちにこ、


このぱらぱらがやりやすい本とやりにくい本があることを気づきました。やりやすいのはダントツで文庫本です。


手の大きさになじみますし、紙どうしがすっと離れてくれるので一枚一枚をちゃんと見ることができます。

反対にぱらぱらがしにくい本は紙が堅い本やつやつやした紙の本です。これらは摩擦が強くぱらっとするときに続


きのページがついてきてしまいます。

悪戦苦闘しながら枚数をこなしていきました。

「ちょっと遅いよー。はやくはやく!」

新田さんから催促されます。

あわあわ。

せかされると中身チェックや数字の見分けがおろそかになってしまいそうです。

ぱらぱらの速度を上げて処理します。沢さんも焦っていますが、様々な大きさの本がスピードを上げさせてくれま


せん。

「ほら、これ!新刊!!」

はやり見落としがあったみたいです。

しょぼん。

少しへこみます。


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