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注文の多いお隣さん

作者: リネセス

朝の目覚まし音がなる。スマートフォンで設定していたアラームだった。

Fはおもむろに枕の真横をガサガサと探していた。


「あった‥。」


画面を見るとそこには、出社時間ギリギリの7時45分と表示されていた。


「うわ、もうスヌーズ全然気付かなかった。」


Fは几帳面な性格をしていたので、何回もスヌーズをかけていた。

昨日の上司からの宿題をこなすべく一人会社で遅くまで残業していたツケが回ってしまったのだった。

Fの身体は深い眠りでスマートフォンの小さなアラーム音には反応しなかったようだ。


「急いで準備しないと。」


まだ頭が幾分か働いていないが、Fは無理矢理起き上がり支度をし始めた。

顔を洗って、ひげを剃って、スーツに着替えると、少しずつ目が覚めてきた。


今日はくもりか‥。そんなことを考えながらFは台所から一本のバナナをもいで食べた。

洗面台で歯磨きをして、今日の顔を鏡でチェックする。


「うわ〜、目にクマができちゃってるよ。しゃきっとしろ、しゃきっと。」


鏡を見ながら毎朝、顔をチェックするのはFの習慣だった。

ビジネスバッグを持ち、玄関の鍵をかけ、ようやく外に出た。


スマートフォンを見ると、時間は8時15分と表示されており、ぎりぎり出社時間には間に合うようだ。玄関を出た矢先に、お隣の人とちょうど出くわした。


「おはようございます。」


黒髪ですらりと細い美人な女性だった。隣の部屋の鍵を閉めながら、Fに声をかけてきた。


「あっ、おはようございます。」


とFはすぐにあいさつをした。


ふとFは思い出した。

前に隣の部屋から出てきたのは小太りの中年男性だったぞ。確か、一ヶ月前に部屋で音楽を聴いていたらチャイムが鳴って「少し頭に響くので、少し音量を下げてくれませんか。」と何回も怒られたな。


別にクラブみたいな大音量で聴いてたわけではないのに。隣の人がまたチャイムを鳴らしてくるのは嫌だったのでFはその後イヤホンをして音楽を楽しむことにした。


うん、そうだ。あの時に出てきたのは頭は禿げていて何だかみすぼらしそうな中年の男だったな。覚えてるぞ。


エレベーターにFは乗り込む。もちろん、黒髪の女性と一緒だ。


Fの頭はグルグルと回転する。朝のバナナ一本がまだ胃に吸収される前に

脳を使っているので糖分が足りていなかった。動かない脳を痛めつけているようだ。


隣の黒髪の女性はあの中年の彼女なんてことは考えられないし、このマンションは1Kだし、夫婦ってことも考えられないぞ。あっじゃあ娼婦か。お金で部屋に呼び込んだんだな。夜中に変なうめき声も聞こえてきたし。きっとそうだな。


Fは合点が行くと、少し卑猥な目で女性を見た。

エレベーターが開くと、その女性が先に下りていった。


Fも下りようと後についていくと、


「あなたもそろそろね。幸運を祈ってるわ。」


「えっ。」


女性がこちらを見ずに、そう言いながら足早と去っていった。

Fは虚をつかれたようにポカンとマンションのロビーに立ち尽くしてしまった。


「何のことだろう‥。」


Fはそう思うと、すぐに頭を切り替えた。

そうだ。やばい。遅刻しそうだったんだ!こんなところで立ち止まっている暇なんてない。

早く出社しないと。



会社に着くと、すでに朝礼が始まっていた。昨日残業を言い渡した上司のY部長が偉そうに何か話していた。


「さて、皆さんも分かっていると思いますが今週末は月末です。ノルマ達成まであとわずかです。全力を尽くして最後まで走り抜きましょう。」


Fが所属している部署は、会社の中でもハードと言われている営業の部署だった。さらにY部長のグループに属しており、今週の営業状況は何が何でも達成してやるぞという強い意志のもとハードワークを強いられていた。Fは席につくなり、憂鬱な気分になっていた。


どうやら朝礼が終わったようだ。


「おはよう。Fくん。今日はやけに遅いじゃないか。」


ちょっかいとも取れるようなその発言は、先ほど朝礼で話していたY部長のものだった。

Fは少し元気良く、あいさつをした。


「おはようございます!Y部長。」


「おぉ。その調子だよ!やっぱり朝は元気な声であいさつしないとな。その調子その調子。はい、これが今日のアタックリスト。」


そういって、Y部長は本日の営業アタックリストをFに渡した。


「はい!今日も一日頑張ります!」


「ははは。その調子だ。」


そう高笑いをするとYは席に帰っていった。Fは胸をなで下ろすと、


「どれどれ。」


アタックリストを見ると、そこには店名と電話番号、HPのURLが書いてあった。

Fのグループでは営業の中でも特に難易度の高い新規受注の部署だった。


毎朝アタックリストを渡され、かたっぱしから、受注獲得できそうな新規の顧客を探して提案しにいくスタイルのSEO会社で、Fはそこで優秀な成績を出していた。


入社して3年目で、その部署のエース級なのだからFの実力は相当なものであった。

Fは持ち前の営業力と提案力で受注を獲得していったのである。それもY部長がみっちりと教育してきたおかげでもあった。


Fはさっそくアタックリストを上から順に眺めていく。

さっそく、一番上のリストのURLをパソコンに打ち込んだ。


「一番始めはっと。えっ何だこれ。なになに、本当のあなたに出会えます‥‥?出会い系か何かかな?」


URLを叩き、webページに飛ぶとタイトルとマンションのドアの様のイラストが書かれていた。

204号室と書かれていたドアのイラストをクリックすると中のコンテンツが見れるらしい。


「俺のとなりの部屋番号だな。」


Fはマウスを動かしてポインタをドアの上に置き、カチカチっとクリックした。


するとそこには、真っ白で故障かのようなページに飛んだ。


「何だ?このサイト。全然、コンテンツがないじゃないか。これじゃあ、全然検索ロジックに引っかかってくれないぞ。」


Fは驚きのあまり、数分眺めているだけだった。


「おい!手を止めてないで早く電話しろよ。」


それを見ていたY部長が大声で言ってきた。


「はい!今、電話するところです。」


周りをみると、電話を掛けていないのはFだけだった。

Fは慌てて、自分の机にある電話を取りリストに記載されている電話番号をかけた。



プルプルプルっ。ガチャ。


「はい。何のご用件でしょうか。」


男の声がした。


「はい。お世話になります。実は私はリネセス株式会社と申しまして、現在、新規の無料SEO対策のキャンペーンをやっているのですが。実は、御社のウェブサイトを拝見しておりまして‥‥。」


「SEOって何ですか?何かの勧誘ですか?」


Fが話し終わらないうちに、間髪入れずに男は遮ってきた。

よし、まずは引っかかったぞ。大抵はガチャ切りされて門前払いだが、質問するってことは興味があるらしいぞ。Fは数々の経験からそう判断した。


「えぇ、SEOというのはサーチエンジンオプティマイゼーションの略で、簡単に言うとネット上にあらゆるサイトが混在していますが、そこでのあなたのウェブサイトが上位になるよう検索順位をあげていく仕組みやサイトの作り込みのことを言います。ちなみに最近のグーグルのロジックでは‥。」


FがいつものテクニックでSEOの解説をし始めた時だった。


「やってくれ。いつでも直接来てくれていい。住所はサイトにのってるから。それじゃ。」


ガチャ。プーっ。プーっ。男はそう言うと、電話を切ってしまった。


「えっ。電話切れちゃったよ。何か変な会社だったな。ぶっきらぼうだったし。‥まっいっかとりあえずアポは切れそうだったからな。」


電話機を置き、サイトをチェックすると、わかりづらい場所に住所が書かれていた。

真っ白いページの下の方に移動すると、右端に小さく書いてあった。


そこには「コーポパレステージ平井204号室」と書かれているだけだった。

グーグルで検索するとすぐにグーグルマップにそのマンションは表示された。

そのマップを眺めているとFはふと何かを思い出した。


「げっ、マジで俺のマンションじゃん!!えぇっ!じゃあさっきのはあの中年のおっさんかな。ちょっと嫌だな〜。前に何か注意されたしな。」


こうしてFの会社では、片っ端から電話をかけては営業していく。Fはとりあえず脈有り・無しを判断してリストの横に◯×を付けていくのであった。


「ま、いいか。お隣さんだし、帰りに寄ってみよう。今は営業営業っと。」


そう言って、Fはリストの横に◯を付けて、次のリストの電話番号を掛けはじめた。












時計は19時を指していた。


「昨日の疲れが残ってるな‥。今日は帰ろう。」


Fは早めに帰宅しようと思い、帰る準備しているとYが席にやってきた。


「さて、今日のFちゃんの成績はっと‥‥。」


机に置いてあったリストをYは取り上げて、物色するようにリストをなめ回す。


今日は2件のアポ確定があったから、結構良い感じの日だと思うんだけど‥。


「おい!一番始めのリストにある店、いつ行くんだ?ていうか、これお前のマンションじゃないか。帰りに行ってこい!そんで受注取ってこい!」


「Y部長。いくら隣とはいえ、すぐに契約は取れませんよ。」


「隣なのか!!なおさら好都合じゃあないか。同じマンションでも他の階でうろうろしてたら不審者扱いになってしまうからな。よし。こうしよう。今日はもう上がっていいから、帰りに必ず寄っていけよ!!」


「‥わかりました。」


Y部長はFの答えに満足そうにうなずく。


こうなったらさっさと帰ってゆっくり休んでやろう。お隣さんが帰る時間に必ずいるとは限らないし。

そうすれば、今日はそのまま家でゆっくり休めるな。まっ一応パソコンだけ持って帰るか。


「お先に失礼しますっ!」


そう言い残して、Fは会社を後にした。












自分の部屋の前に着くと、お隣さんが嫌でも気になってしまった。

あのサイトからはこのマンションの狭い部屋で何をしているのか、皆目検討がつかなかった。不思議なことはそれだけではない。今日の朝の女性は誰なんだ?お客さんか?ますますよくわからない。



「まさか、出る訳ないよな。」


Fは自分の部屋のとなりの204号室のチャイムを恐る恐る押してみた。


ピンポーン。


「はい。どちら様でしょうか。」


「えっ!?あっはい!」


Fはまさか誰か出るとは思えなかったので、突然の出来事に上手く対応できなかった。


「わっ私は、本日電話させて頂きましたリネセス株式会社のFと言う者ですが‥‥」


「わかった。今日の電話の人だな。中に入れてあげたいのだが、服を着替えてきてくれないか?できればシャワーも浴びてきてくれるとありがたい。」


Fは虚をつかれたように、一瞬だまってしまった。

この人は何を言っているんだろう。本気でそう思ってしまった。


「ええと、すみません。なぜでしょうか?」


「実は私は極度のアレルギー持ちで、花粉や埃など外から運んだ物質はいっさい受け付けないんだ。だからできれば、なるべく綺麗な状態で部屋の中に入ってきて欲しい。もし、面倒くさいのであれば、私の部屋のシャワー室を貸すが‥。」


Fは納得したような、しないような気持ちで一杯だった。

アレルギー持ちなのか、であればしょうがないかもな。さすがに見知らぬ男の部屋でシャワーを浴びる気にもなれず、仕方なく自分の部屋でシャワーを浴びることにした。


「なるほどですね。わかりました。ちなみに私の事は覚えていますか?実はお隣のFです。」


Fがおもむろにそう聞くと、


「ああ。覚えているよ。その節はすまなかったね。何回も音量を下げてもらって。」


「いえいえ。特に問題ないです。引き続きよろしくお願い致します。では後ほど。」


そういって、Fは204号室のドアの前で深々と一礼した。


「‥‥やっぱりなんか変な人だな。シャワーを浴びてきてくれなんて‥。」


そう言いながらFは、鍵を開けて自分の部屋へと入っていった。

シャワーを浴び終えたFは、クリーニングに出したシャツとズボンを履いてまた204号室のチャイムを鳴らした。


ピンポーン。


「はい。どちら様でしょうか。」


「あっ私です。お隣のFです。シャワー浴びて着替えてきました。」


「ああ、早かったね。わざわざすまないね。ちなみに君は何か電子機器を持っているかい?」


「えぇ、パソコンとスマートフォンを持っていますが。」


「ああ、できればそれも部屋に置いてきてもらいたいんだがね。実は、電磁波に対して異常に敏感でね。なるべくそういう物を持ち込んで欲しくないんだよ。」


「‥‥はい。良いですよ。わかりました。これを置いてきたら入っても宜しいでしょうか。」


「えぇ、パソコンとスマートフォンを置いてくればもう大丈夫です。ぜひ中に入ってきてください。」


シャワーも浴び、服も着替えてきたのにまだ部屋に入れない事にもどかしさと一種の怒りをFは感じていた。まぁ、これで終わりだろう。Fは再び部屋にもどり、パソコンとスマートフォンを置くと、営業用の書類をバッグからいくつか手に取った。パソコンやスマートフォンが駄目ならしょうがない。


あんまり経験したことないけど、紙で営業するしかなさそうだな。Fはボールペンとノートを持って再び204号室のチャイムを鳴らした。



「はい。どうぞ中に入ってきてください。」


ガチャっ。204号室のドアが開き、Fは中に入っていったーー。















「う‥‥‥。」


Fの瞼が少しずつ開いてきた。

Fは仰向けに寝かせられていた。睡眠薬のような物がFの身体の自由を奪っているらしい。


Fは首を横に振って周りを見渡すと、異様な光景がそこには広がっていた。

狭い部屋に所狭しと実験器具のようなものが並べられていた。


七色に光る液体が入ったフラスコ。手術でつかいそうなメスのような鋭利な道具もあった。

何より異様だと感じたのは、この世のものとは思えない電子機器だった。


そもそも、お隣さんは電子機器が駄目だったじゃあないのか。



「ようやくお目覚めだね。ごめんね。驚かせるつもりはなかったんだ。」


声の方に目をやると、Y部長がそこに立っていた。


「!? Y部長。こんな所で何をしているんですか?」


「ん。何って。見れば分かるだろう。‥実験だよ。」


「実験って、なっ、何の実験ですか?」


「うちは何の会社だろうか?」


「‥‥ネットのSEOの会社です。」


「ご名答。そうだね。うちはSEOの効率化を図るよう、BtoBで自社のツールを使ってコンサルティングをしている会社だね。君は入社何年目になるかね?」


「‥‥今年でちょうど3年目になります。」


「3年目にしては素晴らしい成果を残しているね。実はね、ココだけの話、社内でいくつか極秘プロジェクトが動いていてね‥‥。いくつかの優秀な社員の脳をレコーディングして、その脳を来年の新人教育に用いようと思って。これはその一環のプログラムだよ。」


「脳を、レ、レコーディングですか。」


Fは突然の出来事で、上手く状況を飲み込めなかった。

まず、隣の部屋に住んでいるのは一体誰なのか。うちのマンションでY部長は見た事無いし‥。


そもそもあの中年の男はどこにいった?


「まだ、合点がいっていないようだね。まぁ無理もない。突然のことだからね。すぐに終わるから心配しないでよ。悪いようにはしないからさ。」


そうY部長は言うが、全く安全である気配はしない。

Fを囲んでいる電子機器からは何だか凄い音が鳴っていた。


「あっそうだ。紹介しておくね。今日の実験を執行してくれる博士とその助手だ。」


Y部長が紹介した先には、見た事がある中年の男と朝エレベータで乗り合わせた黒髪の女性が立っていた。


「それじゃあ、頑張ってね。よろしく頼むよ。」


「あっY部長!待ってください!!待ってください!!」


Fは寝かせられたまま必死になってY部長を呼び止めるが、Y部長は振り返りもせず部屋を出て行った。

全身を恐怖が包み込む。俺は一体何をされるんだ。博士と助手は何やら、頭にかぶせるような電子機械をチェックしていた。がたがたと身体が震えていた。



「私が実験を執行する、御社に雇われた博士だ。はじめまして‥ではないね。Fくん。」


「俺は、実験なんかやらないぞ。」


「何を言い出すんだ、Fくん。会社が優秀な人材にだけ執行する実験に選ばれただけ名誉なことじゃないか。これからの社会の営業は個性なんかいらないんだぞ。いかに優秀な人のコピー作れるか。SEOと同じじゃないか。」


「何がSEOと同じだって?」


「社会を大きな一つのウェブ世界と例えてみると、Fくんの会社を一つのサイトだとするよ。BtoBのコンサル営業の会社だから、クライアントが検索ユーザーだね。クライアントが望んでいることを検索ロジックとする。いわば需要だ。その需要に対して満たしている営業マンをキラーワードと置くと合点がいくじゃない。いかにそのキラーワードをサイト内に増やし、検索ロジックに引っかかるようにするか。そうすることでサイトの検索順位があがっていくように、御社の売り上げも上がっていくって理屈だよ。今日はその手始めだね。」


Fは会社が何をやろうとしているか理解し始めたが、実際に人を使って実験することに更なる恐怖を覚えた。


「それはウェブ上の話で、人間で実験することはないじゃあないか。ウェブと人間を一緒にするな!!ウェブはやり直しがきくし、実行した事に対して的確に反応する。けれど人間はやり直しもきかないし、人によって反応が変わるはずだ!!」



「Fくん。さすが、頭の回転がはやいね。ウェブと人間は違うか。よくある議論だね。でも社会や会社が求めていることは、前に進むことなんだ。実験が成功するように、いろいろFくんにも準備してもらったんだから。実験ができないじゃあないか。」



「準備って何の事だ!?」


「シャワーは脳の反応を鈍くするためだよ。人間の脳って上手くできていて、匂いなどに反応するんだ。匂いを取って脳をリラックスできるよう、浴びてきてもらったんだ。」


「じゃあパソコンとスマートフォンは‥‥。」


「あれは、周りをみたら分かるように余計な電磁波はいらないんだよ。脳に変な作用が起きたら困るからね。色々手間をかけさせちゃったけど、これで万全な準備だから安心しておくれ。‥さっ質問の時間は終わりだ。」


博士はそう言うと、先ほどチェックしていた電子機器をFの頭にかぶせた。


「俺はっ、俺は、どうなるんだ?」


「それは‥‥わからない。実験の成功を祈る。それでは。」


博士はスイッチを入れた。そのスイッチに反応して、

轟々と周りの電子機器が鳴りだし、がたがたと部屋中が震えた。


「ああああああっ!!!」


瞼が閉じてFの脳が記憶から遠ざかっていった‥‥。






それから2年後、リネセス株式会社は売り上げを着々と伸ばし見事上場を果たした。

最近、優秀な社員の一部が体調不良を訴え、会社を休職しているそうだが何か関係があるのだろうか。


ちなみにお隣さんは何をしているか、あなたは知っていますか?






「あなたもそろそろね。幸運を祈ってるわ。」



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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったですご馳走様でした。 何時も良い話をありがとうございます。
2014/10/17 00:37 退会済み
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