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お坊っちゃまは末っ子次男  作者: みやきみつる
8/11

カウンターに一人、取り残された素奈子は残った焼きプリンを食べる。食べ終わった素奈子は、厨房に入ったまま、戻ってこない亮を待つことになった。


店内を見渡すと、四角いテーブルが14席くらい並んでいて、休日のランチタイムだからだろうか、どの席も人でうまっている。さっきメニューを取りにきたウェイターが店内をせわしなく、動いている。


素奈子はスマホを取り出して、自分が働いている会社の、ブログがあるかどうか、調べる。

ラーメンと居酒屋のチェーンがあることは知っていたが、他のお店のことは、ほとんど知らなかった。


会社概要とか経営理念のほかに沿革などが書いてあり、店舗情報のリンクを開くと、ずらりと直営店の情報が並んだ。


店は関東、名古屋、大阪、福岡などの都市部集中してあるようだ。


沿革を読んでいると、素奈子はあることに気がついた。


ラーメンのお店は、最初は郊外に作って、それから徐々に都市部に出店していたみたいだ。


ふーん、何か意味があるのかな?


(素奈子の妄想)


ライバル会社の居酒屋の偵察にきた素奈子と亮。


でも本当は、お忍びデート♡


二人はテーブルに並んで座り、注文した料理を食べる。亮はビールを飲んでいて、ほろ酔い気分だ。


「あなたは合コンでこういう所にも来たりするんでしょ?」


「合コン? ううん、誘われないから、行かないよ」


「そう」


素奈子が合コンに行かないと聞いて、亮は顔をくしゃくしゃにして、嬉しそうに笑う。


「可愛いな♪」


素奈子の頭をポンポンと叩く。


二人は見つめ合って、テーブルの下でお互いの指を絡ませる。


「もうそろそろ、出ようか…」と言って、亮は素奈子の手を離す。


「うん」と頬を赤く染めた素奈子も、素直に頷く。


店の外に出た二人は並んで歩く。


人通りの少ない、マンションの立ち並ぶ場所を通るとき、突然、亮が素奈子の手をひいて、通りから見えない場所に連れて行かれる。


「ここでもキスは出来るよ」


素奈子が顔をあげると、亮が素奈子の唇を奪う。素奈子目を閉じる。


二人は正面で向き合って、素奈子は腰骨のあたりに手を添えられ、長いキスをする。


素奈子が妄想に耽って、ぼんやりしていると


「子猿さん、じゃん!」


と、すぐ側で声がした。


素奈子が声の主を見ると、素奈子と同じくらいの小柄だけど、がっちりした体型の女が立っていた。


女は自分のことを、常栄亮の許嫁(フィアンセ)だと言った。

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