エピソード1-2:目標を定めよう~その3~
エピソード1-2:目標を定めよう~その3~
かかとを削り、親指を切り落とし、それでもその靴に足を入れたいと願った女達がいた。
そのガラスの靴に足さえ入れば、王子の妻になれるのだ。
けれどそれでも、彼女達の謀略は見破られた。なぜならガラスの靴は血塗れであったからだ。
___シンデレラ。
そう、真のプリンセスだけが、王子の愛の結実、そのガラスの靴を履くことが出来る。
私もそうありたいと願う。いつか誰かの、真のプリンセスになりたいと。
私は、シンデレラ城の前で赤い靴を脱いだ。そうして、靴下を脱ぎ去る。
聴衆たちは、興奮した目で私を見つめる。ガラスの靴はどこだ。どんな王子が彼女にガラスの靴を履かせるのだ、と。
黒人の王子の侍従が、そっと白い台座を置く。
私は素足でその台座に足をかけ、立ち上がる。
と、かすかな電子音。ピッ。
「体脂肪率は、37パーセントです。」
ガラガラと夢が崩れ落ちるのを感じる。
堕ちるのなら、どこまでも堕ちていけ、私。嘲笑の悪夢の彼岸まで。
「コノ女ワハアアアアア!!!」
背の低い黒人のタケルことマイクロ王子は、それを補おうとするのかその白人メイドリエータに肩車されて私に指をつきつけ宣言する。
「オ前ハアアアアア、プリンセス、デナーーーーーイ!!! タダノ、メスピッグ、ダハアアアアアアアアアアアア!!!」
私はシンデレラ嬢の前で崩れ落ちる。
ああ、これならまだ魔女の火炙りの方が良い。
私が太っていることは知っている、でも、どうして、どうしてこんな酷い目に遭わなければならないのだ。そっとしていてくれても良かろう。
豚には豚小屋で静かに餌を食べながら、甘い夢を見る権利がある!
私の埋もれた瞳から、青い宝石のような涙が一滴零れ落ちたその時だった。
どこかから、馬の足音がする。
「あれは・・・白馬の、王子様?!」
白馬に乗って、白い金の縁取りのスーツを着た、金髪に青い目の王子が彼らの元へやってくる!
彼はひらりと馬から飛び降りると、剣を閃光のように二太刀振るい、リエータの持っている電卓と体脂肪計をたたっきる!
「ひぃぃい、何者だ!」
彼は私に近づくと、私の顔を上げさせる。
「お姫様には涙は似合いませんよ、チヨコさん。」
私はうっとりとした顔で、彼の顔を見つめる。
「プッ。」
その顔の真ん中に存在していたのは、ランドのキャラクターをモチーフにした、犬の鼻の、ぬいぐるみで出来たマスクだった。
彼はブロンドの髪をなびかせて、私とマイクロ王子の間に立ちふさがる。
「Body Mass Index、そう、BMI。お前はそれについて知っているか、チヨコ。」
私は首を振る。
「人の肥満度を表す国際的な数値だ。体重(kg)÷(身長(m)×身長(m)) で求めることができる。18.5未満 やせ 18.5~25未満 標準 25~30未満 肥満 30以上 高度肥満だ! だが!」
私はびくりと体を震わせる。
「今がいくつかというのは、そう大した問題ではない! その数値が、22になる体重が何キロか、が問題だ!
BMIの数値が22の時、人は最も標準体型であるということが出来る。計算してみろ! ・・・といいたいところだが、最近はネットにこれを自動で計算してくれるサイトがいっぱいある。携帯で検索しろ!
(読者さんも是非「BMI」で検索してみてね♪)
私は、何が起きているのかわからないながらも、怖いので、自分がBMI22の時の体重を導き出すことにした。
続く。
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緊急企画!!!田中円のリアルダイエット☆
50キロの減量に成功した田中円がお送りしているこのハイテンションコメディ小説カオスダイエット。
しかしその作者である田中円は、なんと2年かけて18キロのリバウンドをしていた?!
理由は様々あるのですが、だらけていたら20キロほどリバウンドしてしまい、説得力がなさ過ぎるので、
読者の皆さんと一緒にトルゥースダイエットを実証して行きたいと思います。
昨日健康診断に行った時の体重:87.9キロでした。
ちなみに身長は182.9センチでした。
さてさて、次回のメルマガをお届けるする時には何キロになっているか、皆さんお楽しみにね!!!!
目標は68キロを目指しています!!
でっきるっかなーでっきるっかなーはてはてふむー。