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エピソード0:真実のダイエット法の全て~その1~

~前回までのあらすじ~ 私の名前は、稲田ちよ子、70キロ。痩せたい女子高生。あだ名はチョコ。ある日、ジムで同じ高校の超絶イケメンまさる先輩(本名、江藤大えとうまさる)と出会い、ひょんなことから先輩のヒミツを知ってしまう。それは…先輩が50キロものダイエットに成功していたということ!先輩の秘密をみんなに黙っている代わりに、私のお願いを一つ聞いてもらうことに…「私に、痩せる方法を教えて下さい!」

こうして、二人きりのダイエット講座が始まった___。


エピソード0:真実のダイエット法の全て~その1~


見下ろせば摩天楼、広がるのは地上のお星さま。その下では愚民どもが右往左往している。私の隣には超絶イケメンまさる先輩。さらさらの髪をして白いカッターシャツの胸元を大きく開けて、黒革の椅子に舐めるような目で深く腰掛けている。家具は全てモノトーン。白い机に白い棚、パソコンにふかふかのベッド。生活感のあるものは何も無い。ここは彼のマンション。その隣には一人の女、白馬の王子様に選ばれたお姫様の私。そう、となりにいるのは


「トトロ。おい、トトロ。」


そう、窓に映る、まさる先輩のとなりに立つのは、トトロ。いや、太った私だ。


「げぷっ。」

「おいっ。」


哀しみで、さっき食べた日高○のから揚げ定食大盛りがこみ上げてくる。

ジムで先輩の秘密を知ったあの後、私は先輩に拉致された。


「学校で、真実のダイエット方法を教えるわけには行かない。だが町で誰かにお前と一緒にいるところを見られるのも困るからな。しょうがない、俺の家に来いよ。」


___しょうがない、俺の家に来いよ。


ズキューン!!

私の胸は銀の弾丸で打ち貫かれてしまった。

ああ!

いくらトトロとはいえ私だって女の子。男の子の家に行くのだ。今日の下着はなんだっだかしら、そうだわ、ロシアの脱走うさぎをモチーフにしたアニメのキャラクターうさびっ○。うん、きっと、大丈夫、問題無いわ。一応うさぎだもの、ビッチだけど。女の子らしいわ。


「だが、腹が減ったな。」


そうね、スタミナをつけなきゃ! 夜は長いもの。

私達はジムの近くにある日高○で腹ごなしをし(別々の離れた席で)、私はからあげ定食大盛り、先輩は野菜たっぷりタンメン、麺少な目を食べていた。先輩、ラーメン食べてるのに、汗の一つもかいてない。イケメンに汗腺はないのかしら……?


そして連れて来られたのは、超高層ビルだった。私は天を見上げる。

ああ。(手を額に当ててまるで悲劇のヒロインのように)。

今日は満月なのね!

そしてこのビルはまるで悪魔の城のよう。男は狼なのよ。でも、私、はじめてはイケメンに捧げようって決めていたの。抱いて、そしてあわよくば私を、現実ここから連れ去って、お姫様抱っこで!


私は先輩の部屋のベッドのはじっこに膝を揃えて座り、伏目がちに言う。



「私を部屋に呼んでぇ(↑)、どうしようって言うんですかぁ……?」


頬を少し膨らませ赤らめる私。

先輩が机の上からあるものを私に突きつける。


「鏡?! ぎゃああああああ。」


鏡に太った私という現実が映る。私は魔女の断末魔とともに、絨毯に正座する。


「すいませんでした。」

「どうしたもこうしたもだ、俺が多くの危険を犯して、お前をここに連れてきたのは」

「犯して?!」


妄想とともに興奮のるつぼをたぎらせる私。先輩が鏡を突きつける。


「すいませんでした。」


先輩はどこからか、大きいホワイトボードを出してくる。そして眼鏡をかけた。

私はとりあえず土下座した頭をそっともたげて、先輩を上目遣いにチラチラ見た。


(・・・眼鏡はずるい)


先輩がペンを指示棒のようにして話し始める。


「いいか、約束は、約束だ。俺はこれから、おまえに俺が50キロ痩せた真実のダイエット方法を伝授してやる。いいか。」


先輩は私のあごをがしっと掴み、目で射抜く。


(ひいいいいぃぃぃぃ食われるうぅうううううむしろ食べてええぇ)


先輩は無視して続ける。


「まずはいきなりだが、この真実のダイエット方法の「全て」を教えてやる___。」



~次号へ続く~

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