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夏生詩集

三白眼

作者: 夏生

三白眼は下品なのよ


子どものころ


テレビの画面いっぱいに


蒼い眼を光らせた男が映ると


母は忌々しげに言った


確かに上品じゃない


瞳の白い部分が妖しげに


光ると私は


怖いな、とつぶやいた


何故怖かったのか


彼の瞳の虜になった女性は数知れず


蒼く輝く瞳はぞっとするほど


美しかったのに


三白眼は下品、か


下から上へと見る


よく言われる上目遣いは


色っぽいとされる


けれど


私は嫌いだ


相手の心の隙を狙っているようで


悪どいものを感じるから


あの蒼い眼の男は


三白眼を光らせていたけれど


怖かったけれど


嫌いじゃなかった



大人になってもう一度



あの三白眼を見てわかった


あれは


愛撫なのだ


だから、怖かった


いけないものを見てしまったようで


母はきっと知っていた


だから、三白眼は下品なのよ


と、私に釘を刺したのだ



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