第9話〜scrollscroll〜
―――眠い
この二文字が僕の頭を侵食していた。兄貴に解放されたのが1時を回っていたし、寝る前にこれからについて考えてたら余計寝れず、ほぼ徹夜状態で登校している。
「どうしたの、雅幸?顔色悪いわよ?」
隣から聞こえてきたのは髪を左右で結っている、所謂ツインテールという髪型の片瀬 真紀である。身長は僕より少し小さいだけなので僕と並んで歩くと高く見えるのだが僕自身が小さい方なので少し高い程度の身長だといえるだろう。
幼なじみということで一緒にいることも少なくないのだが、最近皆から恋人関係という感じの視線を向けられているのが悩み事である。当の本人がテンパるせいで余計そう思われてる感じもするのだが指摘すると殴られそうなのでやめておこう。痛いのは嫌だしね。
「………無視するとはいい度胸ね…」
鬼ですか…説明しているだけでタイムアップとか鬼畜過ぎるよ…進行もままならないじゃないか…かといって心の中だけでツッコミをしていると本気で殴られそうなのでそろそろ返事をしなくちゃな…
「ゴメンゴメン!昨日寝るのが遅かっただけなんだ。だから心配しないで」
「あら、そう?でも、なぁんか昨日のうちに重大なことがあったような気がするんだけど…あたしに言うこととかないの?」
なんでこの子はこういうのには敏感なのか凄く気になる。話そうか話さないか迷ってると横から笑いながら涼が登場してきた。
「朝から痴話喧嘩―――スマン、片瀬!拳は振るうもんじゃないから!あと台詞ぐらい言わせろよ!お約束だろ」
「死にたいんだったら言ってよし」
『言ってよし』じゃなくて『逝ってよし』の方がしっくりくるような気がする。
「言わん、言わん。死にたくないしな」
苦笑いする涼を見て気がついたけど、涼に僕、仲原、風香が大会に参加したいことを言わなくちゃならないんだったな。ほかの人を誘ったから枠はないというオチだけは勘弁してほしいけど…
「あのさ、涼」
「あぁ…片瀬!」
涼は少しだけ迷ったような顔をしてから真紀の名前を呼んだ。あれ?無視?泣くよ?高校生だけど泣いちゃうよ?
「何よ?」
「ちょっと遠くに行ってくれないか?」
「ちょ…なんでよ!」
「今から雅幸と下品な話をするんだ。お前も参加したいのか?それならいいけど変な噂が流れるぞ?」
こいつ!なんてことを言い出すんだよ!僕の評価が現在進行形で下がってるじゃないか!
殴ってやろうと拳を握ると涼が片手で制してきた。何か考えでもあるのだろうか。あれこれ考えているうちに真紀は「わかったわよ!」とだけ言い、耳まで真っ赤にしながら逃げるように去っていった。
「雅幸。俺に言うことは?」
僕はすぐ答えがわかったので素早く答えてやった。
「殺す」
「ふざけんなよ!俺の言葉の意味がわかってなかったのかよ!ってか、なんだよ、そのどや顔!」
「え?違うの?」
「そのバカはわざとじゃないよな?」
顔を引き攣らせながら涼がつかみ掛かってくる。
言っておくがこれがわざとだったら赤点をとったりなんかしないさ!学年末テストは山勘が当たってギリギリ赤点を免れて進級出来たぐらいなんだよ!先生全員が泣いて喜んでくれたよ!………自分で言ってて悲しくなってきた…
「お前がさっきまで言いたそうにしていたのは大会のことなんだろう?片瀬の前じゃ言いづらそうだったからな」
「そういうことだったのか」
「お前の将来が心配になってきたぞ…まぁ、そんなことどうでもいいや」
僕の将来はどうでもいいのか…
「別に無理に大会に参加してほしいわけじゃないんだ。ほかのやつにも頼めばいいし、来年だってあるんだからな。強制はしないさ」
「そのことなんだけどさ…僕と仲原、ついでに風香も参加できないかな?」
「そう言うと思って、お前のはもうエントリー用紙に記入してきた」
ヒラヒラと一枚の紙を見せ付けてくる。うん。確かに僕の名前だ。
「明らかに強制じゃないか」
「誰もいなかったらお前を勝手に参加させてもらう予定だった」
「来年もあるんじゃなかったのかよ!」
「来年まで待てなかった」
こいつは僕のことをどう思ってるんだろうか…
「まぁ、この話は部活の時間に話そうじゃないか」
部活。僕や涼、それに仲原と真紀、その他数名が同じ部活に入っている。何の部活かというと科学部だ。この科学が伸び悩む時代こういう部活があること自体珍しく、興味を持った涼が誘ってきたから入った。こんな時代に入る人は少なく、僕達仲良し(?)グループ以外誰ひとりとしていない。活動の方はどうなっているのかは後々説明しよう。
………ということは結局真紀に大会のことを聞かれるということなんだな。まぁ、そりゃそうか。殴られる覚悟はしておこう。
「そういえば昨日僕は気絶しちゃってたけど部活の方は休みになったの?」
「まぁ、な。お前がいないとなんか皆のテンションが下がってたから休みにさせてもらった」
「そんな勝手な…」
こう言う僕だったが内心嬉しかった。なんだかんだ言って皆僕の心配していたんだな。
「皆、口を揃えて言ってたな。弄る相手がいないとつまらな―――おい、雅幸!そんな落ち込むなって!元気出せよ!」
「天国から地獄に突き落とされた気分」
実際にそんな経験はないけど。
「そんなしょげるなよ。あとで学食奢るからさ」
「ありがとう、涼!」
元気が沸いてきた。
「なんて切り替えの早さ…演技だったのか?」
涼が小声で何か呟いてるけど気にしない、気にしない。
「そういえば顧問の先生は誰になったの?あとその先生には勝手に休みにしたことを伝えたの?」
去年、科学部の顧問だった先生は転勤でいなくなってしまった。優しい先生で楽しかったんだけどな。
「それなら昨日、顧問の先生に言ってきた。誰かは………」
「なんで躊躇うのさ」
「とりあえずお前は泣きたくなる」
「???」
「もうすぐチャイムが鳴るから急ぐぞ」
「………え?あっ、待ってよ!」
今日も遅刻したら担任(あの人がそうだったのかどうかは不明)にまた殴られそうなので慌てて涼の後を追った。
そういえば最近、『殴られる』という言葉がよく出てくるようになったな…気のせいであってほしいと切に願うのであった。
あるところに男子2人、女子3人のグループがあるとします。その時、男子の1人、仮に男子Aを主人公とします。すると女子の2人、こちらは女子A、女子Bとしましょう。その2人は主人公の男子Aを取り合うのが普通でしょう。その2人に迫られてあわてふためく男子A。その様子を見るのがグループの中のもう1人の男子、まぁ、今まで通り男子Bとします。当然の如く男子Bは主人公である男子Aにからかったり、アドバイスをくれたりする悪友となるわけです。そんな悪友の隣で男子A、女子A、女子Bの姿を見るのが最後の1人、お約束通り女子Cとでもしましょう。
男子Aを取り合う女子A、女子B。それを傍から見る男子B、女子C。なんか男子Bと女子Cが恋人関係になるような気がしませんか?
皆さんこんにちは、こんばんは、それ以外の人はおはようございます。ごぼ天です。
上の文はいつものように適当に文を考えてたら勝手に浮かんだ妄想です。気にしないで下さい。
まずは世間話からといきましょう。つまらない?そんなこと言わずに聞いて下さい。僕の哀れな人生を…
まぁ、今日…というか昨日ですね、友人とゲーセンに行きました。結果から言いますとクッション二つとフィギ…ゲフンゲフン、を取っちゃいました。『…』のところは皆さんのご想像にお任せします。ってか、答えは一つしか浮かばないけど。
なんやかんやで僕の親の車に友達を乗せていくことになりました。いや、僕がこんな態度をとることじゃないけど…
そしたら友人がこっそりとフィギ(ryもとい爆弾をこっそりと渡してきました。勿論、箱は開けてからです。
僕は必死に体で壁を作って親に見せないようにしました。ところが友人を降ろしてからの帰り道。
中学の時の後輩がいたので乗せていくことになりました。その時、僕の親の言葉が『ここで待ってるから呼んできて』とのことです。
そりゃ焦りますよ!フィギ(ryもとい爆弾を車に放置しなけりゃならないんですから!
まぁ、ここからは皆さんの予想通りの結末です。親が爆弾を見ちゃいました。なんか優しい視線というか苦笑いというか複雑な表情をしていたのが印象的です。
それから何時間かは親にいじられましたよ。『あれは何?』とか『もしかして一緒に持ってたクッションもああいう感じなの?』とか…偏見の絶えない人ですごく困ったものです。
この際、言っちゃいますがクッションは『化物語』ですしフィギ(ryもとい爆弾は『らきすた』ですよ?何か悪いことなんですか?自分の趣味に熱中することはいいことなのでは―――すいません。つい…
いい加減うざいと思った人、もう少しお待ち下さい。
以下謝辞を少々。
超電動さん、感想ベリ・ベリ・サンクスです。すいません。口調直しますね。改めて…感想ありがとうございます。最近、自分の作品を読み直すことがあまりなかったような気がします。反省します。確かに突発的なことをしてしまったり、主語がなかったりと小説としてはまだまだなところばかりです。これから少しでも直していきたいです。と、言った直後で申し訳ないんですが更新スピードだけは勘弁して下さい。思いつかないんです。その分より文章がよくなるように頑張りたいです。
まぁ、会話だけでなんとかしようとするのは文才能力がないせいで直すのに時間がかかりそうですが…
それとくだらない質問にわざわざ答えてくださってありがとうございます。しかも面白かったので思わず笑ってしまいました。
次に僕の数少ない友人達(ここまで見てくれているかどうかわかんないけど)。
『頑張れwww』というならネタをくれ。大まかな設定は決まってるんだけど細かいのがどうも…ねぇ?
そして最後になってしまって申し訳ないんですが僕の作品を読んでくださった読者の皆様。貴重な時間をこんなくだらない僕の作品に使ってくれてありがとうございます。そして、申し訳ありません。
これからも頑張っていくのでどうか応援の方、よろしくお願い申しあげます。
1700文字を超えてしまいそうなので今回はこのへんにしましょう。
数少ない僕の作品の読者に幸せが訪れますように。