第7話〜彷徨い月〜
「ま…ゆ…、まさ…き…雅幸!」
痛たたたたっ!誰かが僕の頬を引っ張る。
横を向くと当然ながら仲原だった。
「いひゃいよ。なかひゃら」
「私がずっと話したのに全く聞いてくれてなかったもん…」
涙目で訴えてくる仲原。そこまで悲しむことだったのだろうか。まぁ、涙目の仲原という愛らしい姿を拝めて幸せだっ………ゲフンゲフン。しかし、いつも無表情なのに今日に限って表情が豊かというかなんというか…
この公園に来てから昔のことを思い出すのにずっとボーッとしてたわけみたいだった。そりゃ怒るよね。相変わらず僕は二つ同時に何かをすることは出来ないんだね…怒るなら僕の脳みそに怒ってもらいたいよ。
頬を引っ張られたおかげか目も覚めた。人の話ぐらいちゃんと聞いてやらないとな。
「で、なんだった?」
「雅幸と一緒にあの大会に出たい」
「え?」
―――あの大会というのはもちろん夕方、涼が言っていたやつだ。このままその"大会"というものの説明を引き延ばすといい加減怒られそうなので説明するとしよう。
危険だと言っていたが絶対死ぬということはない。ただ………まぁ、順番に説明しよう。
簡単に言えば魔法を使った対決。バトル、決闘とも言えるだろうか。
少しは安全に考慮していて先生が魔法で選手の体を立体ホログラム化…だっけか?…立体映像みたいにして対決する。要するに体感ゲームをやっているような感じだと思ってもらえればそれでだいたい正解だと思う。
しかし、だ。魔法にも失敗することはあって、ちゃんと魔法が使われていないまま怪我をする場合がある。それによって死ぬことだってあるらしい。
まぁ、"らしい"というか小さい頃、ニュースにも出てたから本当だろう。最近、失敗は起こっていないようだが、やっぱり出るためには契約書みたいなものを書かないといけないらしいし…
しかも、仕様か何かで魔法に成功していたって痛覚はあるようで実際に攻撃を受けているような痛みは感じるらしい。なんでこんな嫌がらせみたいなことを…と思うのだが、それはちゃんとした理由があると校長か誰かが言ってた。うろ覚えだけどね!
最悪の場合が起こらなければいいのだがそれは担当の先生が成功するかどうかの運しだいというわけだ。しかもどっちにせよ痛みは現実世界と同じように受ける。
説明が下手で伝わらず申し訳ないけど、まぁ、大会というのはこんな感じだ。
…………………
一瞬、フリーズした頭が元に戻ったことを確認してから質問に移る。
「な、なんで出たいの?危ないのに…」
動揺するのも当たり前だと思ってほしい。僕も大会に出るフラグが立ちそうなんだし…
「私ね…初めは一人ぼっちだった」
「うん。前にも聞いたよ」
「それで雅幸が友達になってくれて、その次に涼が友達になってくれて、他にもたくさんのみんなに囲まれてた。中学の時まではなかった感覚。凄く嬉しかったんだ。ふざけたり、笑いあったり、何気ない一つ一つが…でもね、不安になったこともあった。卒業したら離れてしまうこと。それで………」
「………みんなとの思い出を作りたくて出たかった」
「………うん」
……………
「僕は反対だよ」
「………え?」
「でも、それは何の理由もなかったらの話。今、仲原の気持ちがちゃんと聞けた。そこまで思ってると気づかなくてゴメン。その分、仲原に精一杯協力するよ!………まぁ、死ぬのは勘弁してもらいたいんだけどね」
ははは…と笑っていたら、目に涙を溜めながら僕を見る仲原がいた。
「僕の胸に飛び込んでおいで!」
「………嫌だ」
………え?
「ちょっ…そこは空気読もうよ!今時、KYなんてあんまりいないよ!」
「なんか台詞が古かったから…」
「ガーン………」
露骨にショックを受けていたら横から笑い声が聞こえた。
「アハハ…」
やっと笑ってくれた。大爆笑とかじゃなくて微笑む程度だけど…
「やっぱり笑ってる方がかわいいよ」
「それも古い」
「さすがに自分でも思った…」
そんなたわいもない話をしながら仲原を送ることにした。街灯に照らされた二つの影が闇へと消えていった。
えー…お久しぶりです。僕の感覚が正しければ約2ヶ月ぶりでしょうか。忙しかったわけではありません。もともと勉強はしない人間だし…ネタが思いつかなかったわけではありません。次の話が出来てるわけだし…
ただ単純に…めんどくさ………皆さん、こんばんは、作者のごぼ天です。
いや〜、この間に僕の高校では体育祭があったり、期末テストが始まろうとしていたり…
ハァ…英語が追試しなくちゃいけないということにならないことを祈るだけです。
このまま愚痴り続けたらなんか言われそうなんで小説について…
変な慣用句的なものがあってもそっとしておいてあげて下さい。同様にサブタイトルもです。パッと思いついたものなんで。
あと進行についてですが2ヶ月更新はさすがにあれなんで3週間更新には出来るようにしたいというか…普通ですよね。
最後に。考えているキャラクターに何か特別な"過去"を持たせたいと考える今日この頃。ということで急遽付け足そうと考えているため矛盾点が生まれることがあるかもしれません。そこは読者様一人一人が自分で想像を広げ、自分の納得のいくようにして下さい。直せばいい?めんどく(ry
まぁ、今日も明日も明後日も眠気を我慢というか寝ながら授業を受けてる(?)作者がいるので応援してくれたら嬉しい限りです。それとちょっとでもこの小説が記憶に残ってくれたら幸せです。
この小説を読んでくれた皆様に最大級の幸せが訪れますように…