暗い海
春休み、僕は深く暗いインターネットの海にいた。
晴れて幹部になり、教育係を担った僕は初心者さんを勧誘し、一緒に楽しく教えていた。
だが、とある方が夫と離婚することになりそうだと相談を持ってきた。
僕「うーーん、原因わからないもんね」
美羽「はい…」
僕「原因はまだ分からないけど、とりあえず僕が今で きることをやるね!できることはゲームを一緒に 楽しむことだから、とりあえ ず楽しもう!楽し みながら考えたら原因わかるかもしれないし!」
僕はその人と一日中遊んだ。したこともない夜更かしまでして気分を落ち込ませないようにと思った。
なぜそこまでするのか、それは僕の両親が父親による虐待、浮気などで離婚しているからだ。
離婚の辛さを2度味わった。離婚の辛さを知った親を2度見た。だからその辛さから少しでも遠ざけたかった。
僕「なんか最近記憶力が落ちた気がするんだよね…」
美羽「疲れてる?」
僕「いや…なんともないと思うんだけどなあ。
ゲーム楽しいし」
僕は気づいていなかった。今までしたことも無かった夜更かしが原因だと。
毎日何もおわずその人と遊ぶ。
僕「一旦拠点に戻るか!」
美羽「分かった!」
そうして美羽が走り出したルートは、少しレベルの高い敵がいるルート。
僕(そのルートは美羽なら死んでまう、やばい)
そう思った僕は咄嗟に追いかけた。VCが美羽は出来なかったので、DMを送るしかなかったが気づかないだろう。そう考えたので追いかけることにした。
ズドドドドド
敵の銃弾が飛び交い、僕に当たった。
美羽が拠点に帰ったのを確認して僕も帰った
僕「え、大丈夫やった?」
美羽「え?うん」
僕「あそこ結構敵おったで?しかも地味にレベル高い し」
美羽「なんもなかったよ?」
僕「うそやん、わし撃たれたで」
美羽「ぷぷぷ」
そんな他愛もなく、楽しい会話を毎日何時間もしていた。自分の体調の変化を軽視して。
気づけば俺は精神が病んでいた。度重なる寝不足で
そして美羽とだんだん一緒に居られなくなった。
僕「ごめん、一旦さ離れない?」
美羽「え、なんで?」
僕「なんか、言葉で言い表せないんだけど、何かわか らないけど一緒に居たいけど居られなくなってき たというか…」
美羽「旦那と同じこと言うね」
そしてある日美羽がいつもと違った雰囲気で話しかけてきた。
僕は話の本題に入らずともわかった。旦那との離婚を認めたこと、このゲームも辞めること。もう何も覚えていないが、口元のあのしょっぱさは覚えている。