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雨に疼く  作者: ひろゆき


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 三  7  ーー 危うい声 ーー  (7)


 若菜が好きな色はなんだろう?


 話すようになったのは最近。若菜が身につけているもので共通する色はあったっけ?


 つい考えながら通路を歩き、雑貨店の軒先で足を止めた。

 護身なんて冗談だよな、とつい声が出そうになった。

 店先に飾られていたボールペンを眺めながら問いかけてしまう。

 カラフルなペンの一本を手に取り、カチカチと芯を出して入れて、を繰り返した。

 手にしたのはピンクのボールペン。

 どこにでもあるペンかもしれないが、持ってしまう。


「お前がピンク?」


 お試し用のメモに波を打っていると、背中から英人が顔を覗かせた。


「なんだ、もう終わったんだ」


 振り返ると、英人に涼介が横に並び、二人ともペンを取り、カチカチと遊んでいた。

 英人も会計が済んだらしく、紙袋を手にしていた。


「涼介、お前はいいのか?」

「俺はまだ買わない」


 優弥の問いに、衝動を必死に堪えるように涼介はかぶりを振る。


「ーーで、なんで、こんなボールペンなんか見てんだよ」


 悔しがる涼介の肩を叩き、英人が割り込んでくる。


「いや、まぁ、なんとなくな」

「買ってしまえよ」

「そうだよ。買ってしまえ。ほしい物が買えるときに買わないと後悔してしまうぞ。俺みたいに」

「ーーお前?」

「こいつ、買いたいスニーカーが売り切れてたんだってさ」


 なるほど。

 だから、だから余計に機嫌が悪そうなのか。

 涼介の口調が強いのは負け惜しみだってことか。

 背を伸ばし、強がる涼介をクイッと指で差しながら補足した。

 また嬉しそうに口角を上げて。


「ほら、買いなって」

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