表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨に疼く  作者: ひろゆき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/74

 三  6  ーー 危うい声 ーー  (6)


 無駄に瞬きをしてしまう。ってか、止まらない。

 止まらない……。


 ーーなんで?


 突拍子のない問いが、鼓膜を通り抜け、動きが止まる。


 視界が霞みそうだ。


 ラックに戻したスニーカーの隣のスニーカーを手にした英人が優弥を見ないまま聞いてくる。

 ゆっくりと視線を動かしても、英人はこちらを気にせず、白いスニーカーを眺めていた。

 こちらを見ず、平然とする英人の隣に、無邪気にピースサインをして目を細める愛梨の姿が重なった。


 どれだけふざけていても、僕にしては憎らしい。


「別に。最近、ちょっと話すことがあるだけだよ」

「ふ~ん。そうか」


 突然のことで、動揺はしてしまったけれど、ごまかしておいた。


「でも、意外だったな。お前が藤村さんとは」

「だから違うっての。お前こそ、愛梨の話を真に受けるなって」


 たまたま、あのときは若菜と遭遇し、そこを愛梨が居合わせた。

 それだけだよ。

 と、念を押した。


 何より若菜の万引きのことは伏せておく。

 

「そっか?」


 一度安心したのは間違いだったらしい。

 英人は不敵に笑みを浮かべ、挑発するように口角を上げる。


「あの子に何かあげたい物でもあんのか?」

「ーーん? なんで?」

「だって、さっきからずっと向かいの店を見てたからさ」

 

 何気ない英人の疑問にドキッとしてしまう。


 悔しいけれど、図星である。


 さっきから、通路際に並べられていた商品が目に止まっていたから。


「見てきなよ。多分、涼介は長くなりそうだし。あいつ、普段は面倒がっても、自分の興味があることには時間をかける奴だからな」


 自分的には意識なんてしていなかったけれど、英人には見抜かれていた。

 どうも、背中を押された感覚で、衝動が強くなると、「悪い」と片手で手刀を切って向かいの店へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ