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五話 子犬殿下の心中 ※殿下視点です。

アシェル殿下可愛いです。

 僕はアシェル。この国の第一王子なんだよね。


 まもなく王太子となるであろうと言われている僕だけれど、外見は完璧な王子様で仕上がっていると思う。


 仕事だってそつなくこなせるようになったし、言葉使いや振る舞いだって、完璧といわれるまでに仕上げた。


 ほら、皆王子様に幻想抱くでしょう?


 だから、ちゃんと僕だってその期待に応えられるように、血のにじむような努力をしてきたっていうわけなんだけれど、その反動か、頭の中の僕はけっこうちゃらんぽらんだなって、自覚してる。


 たぶんさ、こんな僕のことが皆にばれたら、僕、幻滅されるんだろうなぁ。


 こんな人だと思わなかったとか、言われそうで怖い。


 そんな中、最近、僕にも婚約者が出来た。


 いや、今日はね、これを自慢したくて、自慢したくてね。うん。だってね、とっても可愛らしい人なんだよ。


 基本的に僕は、情報収集とかはもちろんするけれどね、人となりについては自分の目で見て、関わって、それから判断するようにしているんだ。


 だって、僕自身が本当に内面と外面が違いすぎるって分かっているから。


 だからこそ、噂には左右されない方だと思うんだけれど。


 エレノア嬢はさ、本当に、もうさ、噂と全く違い過ぎて、もう、何と言うか、驚いた。


 まず一言。


 可愛い人です。


 何ていえばいいんだろう。そのさ、見た目はどちらかというと薔薇っていう感じで、綺麗な人なんだけれど、その中身はたんぽぽみたいな、ふわふわしている、可愛い人なんだよ。


 うん。そうなんだよ。


 可愛い人なんだよ。


 まずさ、笑わない人だって聞いていたけれど、僕と一緒にいる時にはいつも楽しそうに微笑んでくれるから、本当に驚いた。


 最初は気を使ってくれているのかなって思っていたんだけれど、他の人といる時には、愛想笑いはしているけれど、ほとんど、ちゃんと笑わないんだよ。


 でもさ、僕と一緒にいる時は、ふわって、ふわって笑うんだよ。


 可愛すぎるでしょう?!


 それにさ、甘い物がけっこう好きみたいで、新しいお菓子とかをティータイムの席で出すと、ぱあぁぁって瞳を輝かせるんだよ。


 え?エレノア嬢は僕を、どうしたいんだろう。


 僕、最近さらに語彙力無くなってきている気がするんだよ。


 あ、大丈夫。第一王子としてさ、仕事とかはちゃんと出来る方だから。何ていうのかな、仕事に関してはさほど頭の中で悩んだり考えたりしなくても、普通に出来るんだよね。


 まぁ頭悩ませるやつもあるけれど。


 でも最近の専らの僕の頭を悩ませる種っていうのはさ、エレノア嬢が魅力的な女性過ぎるっていうところなんだよね。


 噂では知っていたけれど、エレノア嬢は男性ホイホイかってくらい、男性を惹きつける魅力が詰まってる。


 分かるよ?


 僕だって男だからね。気持ちはわかるけどさ、王子の婚約者になったのにもかかわらずさ、それでも不埒な目でエレノア嬢を見てくる男が多いんだよ。


 しかもさ、エレノア嬢はさ、優しいからさ、こう、突っぱねるっていうことが上手く出来ないんだろうね。


 以前王城でも僕の所にくるまでにさ、毎回毎回色んな男性に捕まっていたみたいで、僕は驚いたよね。


 だってまさかさ、王城内で、僕の婚約者に馴れ馴れしく話しかける男がいるなんて、思いもしないでしょう?


 王子の婚約者だよ?


 うん。なめられているのかなって思ったから、ちゃんとその後、しっかりと対処はさせてもらったけれどね。


 ほら、体力が有り余っていたんだろうからさ。


 体力、有り余らないくらいにはしてあげたよ。うん。皆鍛えられる上に煩悩も捨てられて、万々歳だよね。


 最近本当に強く思うのがさ、男としてさ、エレノア嬢をこれからちゃんと守っていってあげないとなぁってすごく思う。


 王城内は整理できたけど、社交界とかだと、まださエレノア嬢の周りによって来る男もいるから、そこらへんもどう対応していこうか、現在考え中なんだよ。


 うん。


 まぁとりあえず皆に声を大にして言いたいのはさ。


 エレノア嬢が、すごく、すごーく、可愛いってこと!


 僕のこのさ、ちゃらんぽらんな頭の中身がばれたらどうしようって、最近よく思うからさ、隠し通さないといけないよね。


 がんばろー。


 

そのうち【ぼん、きゅ、ぼーん】言っている人が誰か出てきます。お気に入りのキャラです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 王子の前で笑ってるのは中身と外見のギャップにしてやられてるんだけどね
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