二十七話 とある少女の呟き
私が生まれた世界は、私のよく知る世界だった。
そしてこの世界の中心は私だった。
けれど、私が知らないだけで、世界の中心の私にはいろいろな役割があるらしくって、この世界を正しく回すために、私は結構大変な役割を果たさなければならなかった。
だって竜の王国が無くならないと、ノアが攻略キャラとして現れないでしょう?
なのに一向になくなる気配がないからお父様と結託してサラン王国に罪を擦り付けようと画策しながらようやく滅ぼしたっていうのに、サラン王国は身の潔白を証明するものだから腹立たしいったらなかった。
でも、まぁいいわ。
だって、ちゃんとノアは捕まえてあるし、いずれ出てくる獣人の子どもたちだって捕獲してある。
ふふふ。
このまま私の手の中に入れたいって思ったけれど、顔を隠していくらしつけをしても、全然いうことを聞くようになりそうにないから、やっぱり、悪役令嬢を間に通さないと無理なのねって思ったわ。
というか、この世界の悪役令嬢は本当に仕事をしない。
さぼりすぎではないだろうかと私は思うのよ。
ちゃんと悪役令嬢が動いて、攻略キャラをそろえてくれないと困るのに、私ばっかりに働かせるのよね。
まぁでも、最終的に全員私が手に入れるのだからしょうがないのだけれど。
ちゃんと、新しい計画通り、悪役令嬢とノアと獣人の子どもたちを出合わせたわ。
ノアが地下牢にいれられたのも聞いているし、これできっと大丈夫でしょう。
それに今回から、やっと私も舞台に登場して、いよいよ私の手にみんなが落ちてくるのよ。
そのためにも、頑張って悪役令嬢の魔の手から、私が救い出してあげないとね。
ふふふ。
あぁ楽しみ。
まずは王道、アシェル殿下ともデートとかしたいわよねぇ。
これは同時進行的に好感度を上げられるゲームだし、ハーレムゲームだから、楽しみながらやろっと。
やっと私の物語が始まるわ!
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