表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
累計20万部突破 完結済【書籍化・コミカライズ】心の声が聞こえる悪役令嬢は、今日も子犬殿下に翻弄される   作者: かのん
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

150/176

第5巻&コミカライズ3巻発売記念 累計10万部突破!ありがとうございます! SS

書籍(電子のみ)5巻発売&コミカライズ3巻発売記念です!


「ふふふ」


「エレノア、どうしたの?」

(なんだろう。楽しそう)


 図書館の一室にて、私はアシェル殿下と並んで座り本を読んでいた。


 そして私が今日手に取った本は、心の籠ったメッセージ集という、本に対する読者さんのお手紙を集めた一冊の本であった。


「その本、そんなに面白いの?」

(始めて見る本だなぁ)


「えぇ。面白いというより、心が、ほっこりとします。なんだか、優しい気持ちになるんです」


「そうなんだ。僕にもちょっと見せてくれる?」

(何が書いてあるんだろう?)


「はい」


 一緒に眺めていくのは、様々な本に対する読者の想い。


 その一つ一つに、その本を読んだ時の想いがたくさん込められている。


「ふふっ。なんだか、心の中を覗き込んでいるようだね」

(こんなに優しい想いなら、いくら聞いても嫌にならないんだろうなぁ)


「心のを覗き込む……たしかにそうですね。でも、こうした想いなら、いくらでも聞いていたくなります」


「うん。そうだね」

(一つ一つ、すごい熱量だ。これをもらった作者は嬉しいだろうなぁ)


 何が面白かったか、どんなシーンが印象に残ったのか、きっとわくわくとした気持ちでその思いを手紙に綴ったのだろうなぁ。

 きっとこの本は、そうした想いを後世にも残したいという想いがあって作られたのだなと、私はそう思う。


「素敵ですねぇ。人に思いを伝えるのも、手紙を書くのも。私も……書いてみようかしら」


「ん? それって手紙を? それとも、本を?」

(お、いいねいいね。エレノアなら本も書けちゃいそう! 手紙も素敵な文を紡ぐんだろうなぁ)


 アシェル殿下はいつも私の想いを肯定してくれる。


 否定されないというのは、それだけで心がすごく軽くなる。


「手紙を書こうかと思っていましたが……本、を、書くのもいいですね」


「え! 書いたらさ、僕が一番の読者になりたい!」

(絶対! 僕が読みたい! 一番に!)


 私はその言葉に、動きを止める。


 本というのは、私の心の中の言葉を文字に起こすということだ。

 それを、アシェル殿下に読んでもらう?

 それは……なんだろうか、とてもとても恥ずかしい気がする。


「ちょっと……無理かもしれません」


「えぇ!? なんで? だ、だめかぁ……」

(そりゃそうだよね。うん……うう。読みたかった)


 しゅんと耳を垂れ下げる子犬殿下が見える。

 私は、恥ずかしさとアシェル殿下の笑顔とを天平にかけて、恥ずかしさを押し殺すことにした。


「は、恥ずかしいですが、出来た時には……お知らせします」


 そう告げると、アシェル殿下がぱぁぁっと表情を明るくした。


「本当!? わぁ! 嬉しい! エレノア、ありがとう。楽しみにしているね」

(嬉しいなぁ。ふふふ。どんなお話書くんだろう)


「うぅぅ。で、でも最初なので、短い詩とかにしますね」


「うん。楽しみにしておくね。あ、詩なら僕も書けそう。エレノアに向けて思いを込めて書くよ」

(あれ? ラブレター……かな)


「ラブ!?」


 顔に熱がこもる。

 そんな私を見てアシェル殿下は笑うと、私の頬にそっと手を当て、それから額に口づけた。


「かわいい。たくさんの愛を込めて書くね?」


「ひゃ、ひゃい」


 こういう時だけ心の声が聞こえなくするのはずるい!

 それに、余裕な表情が……。狼殿下。


 私は顔が熱くなるのを感じながらも、どんな詩を書こうかなと楽しみに思ったのであった。

いつも、読者の皆様にはたくさんの感想をいただきます。

そうした想いの込められた感想を読むたびに、私は元気をもらい、また書くぞ!という意欲を分けてもらいます。

本当にありがとうございます。

累計10万部突破できたのも、皆様のおかげです。

現在、セールなども実施しており、無料で読める部分もありますのでどうぞ読んでいただけたらと思います。

最終巻の5巻、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

エレノア達の最後を見届けていただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミカライズはこちらから

img_f13f059679b249de89cae1c4b84edf7a2060
書籍特集ページはこちらから
小説版のサイトはこちらから

img_f13f059679b249de89cae1c4b84edf7a2060
書籍特集ページはこちらから
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ