泳げない奴はブーメラン水着の羞恥
※これは8割ぐらい実話です。
※登場人物の名前などは実話とは一切関係ありません。
俺の名前は健太郎。
1998年生まれである。
勉学はそれなりにできる方だ。
スポーツもまぁまぁできる。
短距離走も長距離走も学年で10番内ぐらい。
球技なんかも一通り大体それなりにできる方だ。
器械体操なんかも割と得意である。
…が、何故か、どうしてか、極端にできないスポーツが一つだけあるのだ。
水泳である。
1〜2年生の頃は全然泳げなくても先生から、「健太郎くんは運動神経いいし、そのうち水泳もできるようになるよ!」と励まされた。
俺もそう信じていた。
しかし、3年生になっても、クロール12m、いや、7〜8mすらも泳げない。
友達からも、「健太郎は何でもできるけど水泳が弱点だなw」と笑われるようになって来た。
通知書も、夏の水泳がある時期だけ体育の評価が低いのだ…
俺は水泳の時間だけが苦痛であった。
一昔前であれば、水泳は嫌いでも別の楽しみがあったかもしれない。
それは女子の水着姿だ。
しかし、それも現代ではつまらないものになってきてる。
みんな、スパッツ型の水着なのだ。
何もセクシーさも感じないのだ。
最も男子も、みんな膝ぐらいまであるスパッツ水着である。
昔の映像でチラッと見た事あるが、男子は女子のパンティみたいな形のブーメラン水着を履いてた時代があったそうだ。
今見るとなんて恥ずかしく変態的な格好なんだと思う。
女子のハイレグも恥ずかしいだろうが、それ以上に男子のブーメランは恥ずかしいだろう。間違いない。
あんな水着を穿かされる時代に生まれなくて良かった!
話は戻る。
5年生の最後のプールの授業でもとうとう25mすら泳げずに終わってしまった。
流石に少し惨めだ。
そして翌年、6年生のプール開きの授業…
やはり25m泳げない。
多分、俺が学年で一番泳げない児童になっていた。
俺の成績を知っていた親が、とうとう動き出した!
「健太郎、将来的にもせめて25mはそれなりのスピードで泳げるぐらいになっとかないと!」
そう言って、おれは6年生にもなってからスイミングスクールに通い始まる事となったのだ。
スイミングスクールには俺の同級生も数人通ってる。
俺は彼らのスイミング用の水着がカッコいいなーと思って憧れていた。
彼らも低学年ぐらいまでは俺と同じような普通のスパッツ水着だったが、3〜4年生ぐらいから急に統一の紺色のカッコいいデザインのピッチリしたスパッツ水着に変わったのだ。
きっとスイミングスクールの指定水着がそれに変わって、かっこいいからそのまま学校の授業でも使おうと…そんな事なんだろうと思ってた。
そして、スイミングスクールの入会手続きも終わり、スイミング用の水着や帽子などが一式届いたのだ!
あの水着だ!
おれは楽しみに袋を開ける。
すると…
何だこれは?
そこには、三角の女の子のパンティみたいな形の紺色無地の水着が一着入っているだけだ。
脇幅は4cmと結構細めの作りだ。
これはインナーか?
いや、インナーにしては生地がしっかりしてる…
俺「母さん、水着届いたけど、何この変な水着???」
母「何って、それスイミングスクールの指定水着よ?」
俺「え?俺の友達が履いてるのと違うよこれ? 俺の友達、ピッチリしたかっこいいスパッツ水着だよ? 何このブーメランみたいな水着?」
母「あー、私この前スイミングスクールに入会手続きに行って、一度見学してたんだけど、確かに高学年の子はみんなかっこいいスパッツ水着だったわねー。でも低学年の子らはみんなあんたと同じ水着だったわよ?」
俺「え? じゃあ俺は6年生なのに? 何で?」
母「あー、そういえば、このスイミングスクールジュニアコースとレギュラーコースがあって、レギュラーコースに進級すると水着が変わるって言ってたわ。だから、高学年とか低学年のくくりじゃなくて、ジュニアコースだからその水着なのよ」
俺「そ、そんな〜」
母「母さんらが子供の頃は男の子はみんなそんなだったよ?」
俺「嫌だよ恥ずかしい…」
母「指定なんだからしょうがない! 嫌なら、頑張って泳げるようになってあの水着着れるようになりなさい!」
そんな事で、俺は時代遅れのブーメラン水着を6年生にもなって履くことになる。
スイミングスクール初日。
俺はドキドキしながらスクールへ到着する。
同級生も何人かいる。
翔太「あれ?健太郎じゃん?何?今更スイミングスクール通い始めたの?」
祐介「泳ぎだけは苦手だからな! あれ? でもお前当然6年生とは言え、ジュニアコースからだよな?」
健太郎「うん、そうだけど?」
拓也「え?じゃあ水着…もしかして?」
翔太「パンティ?」
健太郎「ぱ、パンティって何だよw これだよ」
ガバッ!
三角のブーメランを俺は見せる。
祐介「マジかー(笑) いや〜6年生でこれ履く奴俺初めて見たよ!」
拓也「いや、去年1人だけ6年生でパンティの奴いたじゃん? あれめっちゃ恥ずかしがってたよな? 辞めちゃったけどw」
健太郎「おい、さっきからパンティパンティって何だよそれ?」
翔太「あー、それね。このスイミングスクールではね、そのジュニア用の水着の事みんな冷やかしでそう呼んでんの(笑) だって形がパンティじゃん?」
拓也「3年生ぐらいまではまぁ半分はジュニアコースで当たり前だし、身体も小さいしあの水着でもそんな恥ずかしさも違和感もないけど、4年生ぐらいからジュニアコースの奴は少しずつ恥ずかしいって風潮が出てくるんだよ。だからちょっと小馬鹿にする意味でそのジュニア用の水着をパンティって呼ぶの」
健太郎「さ、最低だなw」
祐介「ま、お前もそんな変態みたいなパンティ早く卒業できるように頑張れよー」
くっそ〜、
いつも勉強でも、他のスポーツでも俺に劣ってるくせに〜
馬鹿にしやがって〜
そして、更衣室へ入る。
更衣室は2列に分かれていて、片方がジュニアコース、もう片方がレギュラーコースに分かれてる。
俺はジュニアコースの方へ向かう。
そこには低学年の小さな子達しかいない。
大半が1〜3年生だ。5年生ぐらいの子は愚か、4年生ぐらいの子もあまりいない。
逆にレギュラーコースには3年生ぐらいの子も結構いる。
概ね、3年生で半分半分ぐらい、4年生で7割レギュラー、5.6年生で9割9分レギュラー…そんな感じのようだ。
4年生でさて、ジュニアコースだと「あいつまだパンティだw」と馬鹿にされるようだ。
ところが6年生で158cmの俺がジュニアコースの方にきた時、ジュニア・レギュラー共にかなりジロジロ見てくる…
それは俺が初めて見る顔だからという訳ではなさそうだ。
レギュラーコースの4年生ぐらいのヤンチャ風な2人がこそこそ喋ってる。
「え?あの人…パンティなの?」
「いや流石に違うだろ。間違えてるだけじゃね?」
俺は屈辱的でしょうがない。
なかなか水着を出せないでいる…
しかし、みんな続々と着替え出して俺も早く着替えねば…
目の前で着替えた4年生ぐらいの奴が、隣のレギュラーコースの奴に、
「お前まだパンティなんか?w 早く卒業しろよ恥ずかしいw」
と言われてる。
パンティ…本当に使われてる言葉のようだ。
「うっせ! 次の進級テスト合格したらパンティ卒業だわ!」
こんなやり取りを2学年下の子がやってる。
その横で、俺はとうとう服を脱ぎ、そしてブーメラン水着を取り出す。
「うわ、パンティだよ」
「あの人さっき拓也さん達とタメ語で話してたから6年生だぜ」
何という羞恥プレイだ。
今までスパッツ水着しか履いたことのない俺は初めて、その女子のパンティみたいな小さなハイレグ型のパンツを手に取る。
改めて見ると本当に小さな水着だ。
こんな小さいの本当に履けるのか?
そこそこ大きくなってきてる俺のブツ…ここに収まりきるのか?
不安である。
そして、不安を抱えながら俺はその小さな水着に脚を通していく。
もともと低学年が履く想定の水着だから、大人サイズなどはなく、子供サイズの一番大きい物になっている。
でも160cm近くの俺には子供サイズはやはり窮屈だ。
だから、体をくねらせながら少しずつ股間に持ち上げていく。
何故だろう。少しブツが大きくなってしまってる。
こんな小さな水着を履くことに、少しエロさも感じてしまってるのだろうか?
ようやく股間まで持ち上げて、前後ろとパチンと引っ張り俺は初めてブーメラン型の水着姿となった。
普段スパッツ水着を履いてるだけに、違和感しかない。
何か履き忘れてるような。
そして、鏡を見ると、そこには本当にまるで女子のパンティを穿いてるような変態的な自分の姿が。
紺色で股間がV字になっている。
脇幅も4cm程で、お尻も食い込んでいる。
股間がV字になってるパンツ=女物…という観念があるので、自分が本当にパンティ履いてる変態みたいに見えてしまう。
周りからもひそひそ「パンティ」「パンティ」と言われてる…
最高の羞恥プレイである。
俺は前を手で隠しながらプールサイドへ。
拓也「お?パンティ似合ってんじゃん!」
翔太「ぷっ!」
祐介「ジュニアサイズだからピッチピチじゃんw」
相変わらず冷やかしてくる奴らだ。
パンティパンティ言われるとますます本当にパンティ履いてる気分になってしまう。
そしてジュニアコースで低学年と一緒にブーメラン水着姿で準備体操などをする。
ジュニアコースは皆女の子のパンティみたいなブーメラン水着姿だ。低学年はのほほんとしてるが、3〜4年生ぐらいの子は既に恥ずかしそうにしてる。
そんな中に、2人だけ明らかに5,6年生と思われる人が1人いた。
1人は相太という。5年生で、俺と同じ泳げないという理由で3日前から通い始めたそうだ。
もう1人は拓海。5年生で、1年ぐらい通ってるが本当に泳ぎが苦手でまだ進級できないそうだ。
拓海「健太郎さんって言うんですか。よかったです。高学年の仲間ができて!」
相太「本当に本当に!」
2人も既に身体は大きいが、ジュニアコースなので俺と同じ女子のパンティみたいな小さな紺色無地のブーメラン水着姿だ。
相太「ビックリしたよね。パンティパンティって言われて」
健太郎「ほんと!最悪の羞恥プレイだよ」
拓海「2人はまだいいですよ。入ったばっかりだから。僕なんて1年やってて5年生なのに、まだ…ジュニアコースで…毎日パンティパンティって言われてる」
健太郎「早くあのかっこいいスパッツ履けるよう頑張ろう!」
向こうでは、俺たち3人をニヤニヤ眺めてる奴がいる。
高学年にもなってジュニアコースで、こんな変態的な格好をしてるんだ。
バカにもしたくなるだろう。
そう、向かい側のプールサイドには、スパッツ水着姿の高学年達が準備体操をしている。
やはりかっこいい。様になってる。
それに比べて、自分の何とも惨めな格好…
これは泳げない人間への罰ゲームなのか?
ちなみに、これまで触れなかったが、女子はどうなのかと言うと…
まぁ男子と似たようなものだ。
ジュニアコースはハイカットの水着。
レギュラーコースはスパッツ水着である。
男女ともに、ジュニアはハイカット、レギュラーはスパッツなのはちゃんと理由もある。
ジュニアのうちはタイムよりも、まずは泳ぎのフォームとか足の動かし方とか基本を身につけなければいけない。
だから、脚が動かしやすいハイカットの水着なのだ。
レギュラーになると、基本のフォームは身についてるから、よりタイムが伸びやすい、水の抵抗を減らせるスパッツ水着になるのだ。
スクール側としては何も罰ゲームで変態的な格好をさせてるのではないのだ…
当たり前だがw
しかし、小学生のなかでは、罰ゲームの変態的な格好…と勝手にされてしまってるのである。
もっとも女子はハイカットだからと言ってそんなに変な感じはないので、特段そういう変な呼び名はないそうだ。
そして、始まったスイミング。
やはり俺は全然泳げない。
水着など関係なく純粋に恥ずかしい。
6年生にもなって。
相太は正直俺よりはマシだ。
拓海はもう25mギリギリ泳げてる。
多分5年生のうちには進級するだろう。
プールは一方通行なので、一回一回プールサイドに上がらなければならない。
その度に、俺は恥ずかしいブーメラン水着姿を晒すことになる。
ギャラリーには保護者などもいる。
ギャラリーの保護者は流石にパンティパンティなんて言ってることはないだろうが、やはり何か恥ずかしい。
そして今日のスクールが終わった。
プールサイドでジュニア一同は整列。
みんな、女の子のパンティみたいな形のブーメラン水着姿でズラーッと並べられてる。
何とも恥ずかしい。
その中に高学年3人が同じ格好で惨めに立たされてる。
まさに羞恥プレイだ。
礼が終わり、俺は速攻でシャワー浴びて更衣室へ。
拓海も相太も同じだ。
やはり、心底恥ずかしいのだろう。
早く泳げるようになって、こんな変態的な水着から卒業してやる!
そんな気持ちで、この半ば羞恥プレイのスイミングスクールで頑張ることとなった。
ところで、俺は学校の水泳の授業である事に気付いていた。
学校用のスパッツ水着がかなり小さくなっているのだ。
急激に身長も伸びたからだろう。
かなり太ももなど締め付けられて苦しいし、先生からも「買い換えた方がいいだろ?」と指摘を受けた。
俺「母さん、学校用の水着小さくなってきたから新しいの買ってー?」
母「えー?この前スイミング用の水着買わされたばっかりなのに〜。洗い替え用に2着買わされたのよ?」
俺「いやでも、しょうがないじゃん!」
母「でもねー中学から水泳の授業無くなるし〜この夏だけの為に買うのもね〜。あっ! ていうかさ、いいじゃん! スイミング用のその水着で!」
俺「は?嫌だよ! こんなの恥ずかしいよ!」
母「何が恥ずかしいのよ? それれっきとした水着でしょ? 洗い替え用2着もあるんだから。3着も水着要らないわよ」
俺「分かったよ。もういいよ。」
(こんなので学校の水泳出るぐらいなら、小さいやつで我慢するわ)
某日…
さてと、明日は2限目水泳か〜
ごそごそ…
あれ?
あれ?
俺「母さん! 俺の学校用の水着はー?」
母「え?捨てたわよ?」
俺「はーーー???!!! なんで?!」
母「だってあんたもう小さくて履けなくなってきたって言ってたし、この間『もういいよ』って言ってたじゃん」
俺「ちげーよ! あれは捨てていいよってことじゃねーよ!」
母「どっちにしても、そんな小さくなったの履いててもしょうがないでしょ? スイミングスクールので行きなさい」
俺「そんなぁ…」
俺は性格的に、これ以上買ってくれとは言えなかった…
翌日…
水泳の授業になった。
いつも通りみんなで更衣室へ。
みんなサッサと着替えて行く。
「健太郎!何やってんだよ?早く着替えろよ?」
俺「い、いや、ちょっとね…」
俺はなかなかブーメラン水着を出せない。
スイミングスクールでも相当恥ずかしいが、あそこは少なからず仲間がいる…
しかしここは仲間などいない。
何より見慣れてる人もいない。
いるのは彼らぐらいだ…
拓也「おいおい、別にパンティになるわけじゃねーんだから。何恥ずかしがってんだよー」
翔太「間違えてパンティ持ってきたんじゃね?(笑)」
「パンティってなんだよ?」
祐介「あースイミングスクールでね…」
ガサッ
俺は渋々水着を取り出した。
翔太「え?マジ?」
拓也「ほんとに間違えて持ってきたの?」
俺「間違えたってか、いつものやつは捨てられて、もうこれしかないんだよね…」
祐介「マジかー!(笑)」
「えー?何?健太郎その水着?」
祐介「スイミングスクールで、ジュニアコースだけが穿かされる変態水着だよ。女子のパンティと一緒みたいっしょ?」
「あー、だからパンティ」
俺はそんないじられ方をしながら、ブーメラン水着を履き始めたら。
この小さな水着を学校の更衣室で履いてることにとても違和感を覚える。
6年間、ここではずっとスパッツ水着だったのに。
俺はまたしても、紺色の女子のパンティみたいな形のあられもないブーメラン水着姿となった。
男子達は笑ってる…
パンティという呼び名は一瞬で広まった…
俺は恥ずかしがりながらプールサイドへ出る。
プールサイドには女子もいて、よりによって今日は5年生とも合同だ。
この中でブーメランなのは俺だけだ。
女子や後輩達も明らかにジロジロ見てきてる。
拓也が女子に向かって、
「健太郎のパンティ似合ってるでしょw」
と言う…
女子「は?何言ってんの?えっち!」
女子「ふっ…でも、確かにパンティみたいね」(小声)
聞こえてる…
本当に屈辱だ…
すぐ近くには、最近俺と良い関係の夏菜子もいる。
夏菜子も苦笑いで見ている…
夏菜子「健太郎…す、すごいねその水着」
うっ…
好きな子のこの一言…
これが何よりも応えた…
5年生「あの人…何あの変な水着w 罰ゲームじゃね?」
「ビキニ?(笑)」
ひそひそ聞こえてくる。
最悪だ。
最高の羞恥プレイだ…
俺はこれからこのシーズンはずっとこの羞恥プレイを味わうのだった。
スイミングスクールでは、半月もすると拓海がレギュラーコースになった。
かっこいいスパッツ水着に切り替わった。
とても羨ましい。
4年生の人らも何人かレギュラーへ進級していった。
相太も俺よりは確実にレギュラーへ近づいている。
俺はなかなか25mへは届かず、まだ当分の間この卑猥なブーメラン水着姿を強制されて、同級生や年下から、スイミングスクールでも、そして学校でもパンティパンティと馬鹿にされ続けるのだろう。
俺の羞恥プレイの日々は続くのであった…